Q. なぜ指紋は人によって違うの? A. 指紋の隆線は胎児期に形成されます。遺伝の影響に加え、指先の形や成長、皮膚での細胞間の信号など、発生過程の小さな違いが模様に影響します。「羊水の圧力だけで決まる」わけではありません。一卵性双生児でも細かな模様は異なるため個人識別に利用されますが、不鮮明な跡の鑑定まで常に誤りがないという意味ではありません。
Q. お風呂で指先がしわしわになるのはなぜ? A. 水に浸した指先のしわには、交感神経による血管収縮で指先内部の体積が減ることが大きく関わります。神経の損傷でしわができにくくなる観察も、この説明を支持します。濡れた物を扱いやすくするという仮説があり、2013年には作業速度の改善を報告した研究もありますが、すべての研究で同じ効果が確認されたわけではありません。「なぜ起こるか」と「何の役に立つか」は別の問いです。
Q. なぜあくびが出るの? A. 眠気や覚醒状態の切り替わりなどに伴う行動ですが、機能は完全には分かっていません。覚醒の調節、脳の温度調節など複数の仮説があります。「体温が下がるのでさらに脳を冷やす」とは説明できず、酸素不足を補うだけの反応ともいえません。他人のあくびで誘発されることもありますが、その起こりやすさから共感力を判定することはできません。
Q. 関節を鳴らすとポキッと鳴るのはなぜ? A. 指の関節を引っ張ったときの音には、関節面が離れて滑液の圧力が下がり、ガスの空洞が生じる現象が関わります。2015年のMRI研究では、音に伴って空洞が形成され、その後も残る様子が観察されました。「気泡が弾けて消える」とだけ説明するのは不正確です。ただし関節音には腱などが動く別の原因もあります。指鳴らしと変形性関節症との明確な因果関係は示されていませんが、無理に鳴らすことを安全と保証するものではなく、痛みや腫れがある場合は受診しましょう。
Q. なぜ白髪になるの? 抜くと増える? A. 毛包で色素を作るメラノサイトの機能低下や、その供給源である幹細胞の変化などによって、成長する毛にメラニンが十分に入らなくなるためです。加齢や遺伝などが関わり、白髪が現れる時期には個人差があります。一本抜いても周囲の毛包の色素づくりが止まるわけではないので、「抜くと増える」という根拠はありません。ただし繰り返し抜くと毛包を傷つけることがあります。
Q. 寝ているときに夢を見るのはなぜ? A. 睡眠中も脳は活動しており、記憶や感情に関係する情報から体験が構成されると考えられています。夢はレム睡眠だけでなくノンレム睡眠でも報告され、レム睡眠から起きたときには鮮明な夢を思い出しやすい傾向があります。睡眠が記憶の定着を助けることと、夢そのものにどんな機能があるかは別の問題で、「記憶整理の副産物」と確定したわけではありません。
Q. 朝と夜で身長は変わるの? A. 変わります。背骨の椎骨の間にある椎間板は、寝ている間に水分を吸って厚みを増すため、起床直後は就寝前より約1〜2cm高くなります。昼間は重力で水分が押し出されて縮みます。NASAの計測では宇宙飛行士は無重力滞在中に最大約5cm背が伸びた例もあります。
Q. なぜ寒いと体が震えるの? A. 筋肉の収縮と弛緩を繰り返して発熱量を増やす体温調節です。視床下部は皮膚や体内の温度情報を統合し、震えや皮膚血管の収縮などを調節します。褐色脂肪による熱産生なども関わり、震えが不足したらすぐ甲状腺ホルモンで補う、という単純な順番ではありません。暑いときには発汗や皮膚血管の拡張で熱を逃がしますが、こうした調節能力には限界があります。
Q. なぜ筋肉痛は翌日より2日後につらいことがあるの? A. 遅発性筋肉痛は慣れない運動後、筋や周辺組織の変化、炎症に関わる物質などによって痛みの感覚が敏感になる現象と考えられています。特に下り坂を歩くような、筋が伸ばされながら力を出す動作で起きやすく、一般に24〜72時間後に強くなりますが個人差があります。運動で増えた乳酸は比較的速く燃料などに再利用されるので、数日後の痛みを「残った乳酸」では説明できません。痛みの強さは筋肉の成長量を測る指標でもありません。
Q. なぜしゃっくりが出るの? 止め方は? A. 横隔膜などが不随意に収縮し、その直後に声門が閉じて「ヒック」と鳴ります。胃の膨張などが反射のきっかけになることがあります。短時間で自然に治まることが多く、水を少しずつ飲むなどの対処が知られていますが、確実に効く方法ではありません。無理な息止めや一気飲みは避けましょう。48時間以上続く、食事や睡眠に支障がある場合は医療機関に相談してください。
Q. 血は赤いのに、手首の静脈はなぜ青く見えるの? A. ヘモグロビンに結び付いた酸素が多い血液は鮮赤色、少ない血液は暗赤色です。静脈血にも酸素は残っており、「酸素がない血」ではありません。皮膚での光の散乱・吸収と周囲の皮膚との対比によって、皮下の静脈が青っぽく見えることがあります。なおタコやイカのヘモシアニンは銅を含み、酸素と結合すると実際に青色になります。
Q. 傷口がかゆくなるのはなぜ? A. 治癒過程の炎症に関わる物質、皮膚の乾燥、神経の変化などが関わります。ヒスタミンも一因ですが、すべてのかゆみを一つの物質で説明はできません。かきむしると組織を傷つけるため避け、傷の状態に合ったケアを行います。かゆいから必ず順調に治っているとは限らず、赤みの拡大、膿、強くなる痛みや発熱があれば医療機関に相談しましょう。
Q. なぜくしゃみをするの? A. 鼻粘膜への刺激や炎症をきっかけに、三叉神経などを介した反射によって空気を強く吐き出す反応です。ほこり、アレルギー、かぜなど、きっかけはさまざまです。明るい場所へ出たときに起こる「光くしゃみ反射」もあり、視覚と三叉神経に関わる信号の相互作用などが仮説として挙げられていますが、詳しい仕組みは未解明です。太陽を直視して試してはいけません。
Q. ゲップやおならはなぜ出るの? A. ゲップは主に飲み込んだ空気が口から出るものです。おならには飲み込んだ空気由来の窒素などと、腸内の微生物による発酵で生じる水素・二酸化炭素などが含まれ、人によってはメタンも含まれます。窒素を主に発酵で作るわけではありません。主成分の多くは無臭で、臭いには少量の硫黄化合物などが関わります。発酵しやすい食品でガスの量が増えることと、臭いが強くなることは同じではなく、個人差も大きい現象です。
Q. かき氷を食べると頭がキーンとするのはなぜ? A. 冷たい物を食べた際の寒冷刺激頭痛で、口の奥などの冷刺激が三叉神経を介して頭の痛みとして感じられると考えられています。血管反応の関与も研究されていますが、細部はまだ議論があります。多くは冷たい物を食べるのをやめると短時間で治まります。脳自体が凍っているわけではありません。冷刺激と無関係な突然の激しい頭痛や長引く頭痛を、これと決めつけないことが大切です。
Q. まばたきは1日に何回くらいするの? なぜ必要? A. 成人の安静時には1分間におよそ15〜20回という目安がありますが、会話中・読書中などで大きく変わります。まばたきは涙を角膜の表面に広げ、乾燥を防ぎ、異物を取り除くのを助けます。画面に集中すると回数が減ったり、まぶたが閉じきらないまばたきが増えたりして、目が乾きやすくなります。ただし目の乾きには環境や病気など他の原因もあります。