Q. なぜ空は青いのですか? A. 太陽光が大気の窒素や酸素の分子に当たると散乱します。このうち波長の短い光が強く散乱される現象をレイリー散乱といい、散乱の強さは波長の4乗に反比例します(I∝λ41)。青色の波長約450nmは赤色約700nmより約5.9倍((700/450)4)強く散乱されるため、空全体が青く見えます。この理論は19世紀後半にレイリー卿(ジョン・ウィリアム・ストラット)が確立しました。
Q. 夕焼けはなぜ赤いのですか? A. 太陽が地平線近くにあると、太陽光は昼より長い距離を大気中で進みます。その途中で短波長の青い光が進行方向から強く散乱され、直接届く光では赤や橙の割合が大きくなるためです。「青が完全になくなり、赤だけになる」という意味ではありません。雲やちりの量によっても夕焼けの色は変わります。
Q. 雲はなぜ白いのですか? A. 雲の水滴は直径10μm前後で、可視光の波長より大きいため、可視光の各色を比較的同じように散乱します。球形水滴の散乱はミー理論で説明でき、1個の水滴では前方への散乱が強く、全方向に均等ではありません。雲の中で何度も散乱された光が混ざると白く見えます。厚い雲の底が暗いのは、そこまで届く光が少ないからです。
Q. 海は空の色を映しているだけだと聞きましたが本当? A. 空の反射もありますが、それだけではありません。水分子のO–H結合の振動に関係する吸収によって、水は赤い光を青い光より吸収しやすく、厚い層を通して見る純水も淡い青色になります。海では水中での散乱や、藻類・砂などの物質、海底の色、空の反射も効きます。「50mを超えると青だけになる」という一律の境界はありません。
Q. 星はなぜ瞬きますか? A. 地球の大気には温度差による乱流があり、屈折率が絶えずゆらいでいます。そのため星からの光の進路が細かく曲げられ、明るさや位置がちらついて見えます。惑星は恒星より見かけの直径が大きく、円盤の各部分から来る光のゆらぎが平均化されるため、一般に瞬きが弱くなります。肉眼で円盤を見分けられるという意味ではなく、地平線近くでは惑星も瞬くことがあります。
Q. 虹はどうして弧を描きますか? A. 雨粒の中で光は屈折して入り、内面で1回反射してまた屈折して出ます。このとき屈折率が波長ごとに違うため色が分かれます(分散)。太陽と反対方向の約42度の方向に最も強い光が来るので、地上では半径42度の円弧として観測されます。主虹は外側が赤・内側が紫です。
Q. 虹は円いのに、なぜ地上では一部しか見えませんか? A. 主虹の光は、観測者から見て太陽と反対の方向を中心とする角半径約40〜42度の円の方向から来ます。太陽が地平線上にあれば中心は地平線付近ですが、太陽が高いと中心は地平線より下がるので、必ず半円になるわけではありません。地面の下の方向には見える雨粒がないため下側は普通見えず、高所などで下方にも雨粒がある条件では円形の虹が見えることがあります。
Q. 影のふちはなぜぼやけていますか? A. 二つの理由があります。第一に太陽が直径約0.5度の面光源なので、完全な影(本影)と部分的な影(半影)ができます。第二に光には波として障害物の縁で回り込む性質(回折)があり、特に小さな影ほど輪郭がにじみます。
Q. ガラスはなぜ透明なのですか? A. 普通の無色の窓ガラスは、可視光を吸収する電子の遷移が少なく、内部での散乱も小さいため、多くの可視光を通します。ただし表面では一部が反射されます。一般的な窓ガラスはUV-Bを大幅に減らしますが、UV-Aはかなり通すので、窓越しなら紫外線の影響がないとはいえません。組成・色・厚み・コーティングでも透過率は変わります。
Q. 月は自分で光っていないのに、なぜあんなに明るいのですか? A. 月は太陽光を反射しているだけです。それどころか月面のアルベド(反射率)は約0.12で、古いアスファルト並みに暗い表面です。満月の明るさは太陽のおよそ40万分の1ですが、夜の環境では十分明るく感じられます。
Q. 偏光サングラスはなぜ水面の照り返りを減らせるのですか? A. 水平な水面の反射光には、電場が水平方向に振動する成分が多く含まれます。空気から水への入射では、面に垂直な線から測って約53度のブリュースター角で特に強く偏ります。サングラスはこの成分を抑えて映り込みを減らしますが、角度によって効果は異なり、水中からの光なども一部減ります。ガラスのブリュースター角は屈折率によって異なります。
Q. 朝日や夕日は大きく見えますが、本当に大きくなっているのですか? A. 主に錯覚です。同じ日の太陽の視直径は約0.5度で、高度による変化は小さく、地平線近くでは大気の屈折で縦につぶれることもあります。地上の物との比較や見かけの距離の判断などが関係すると考えられていますが、錯覚の説明は一つに定まっていません。夕日でも太陽を直接見たり、普通のサングラスや望遠鏡で観察したりしてはいけません。
Q. 日没の瞬間に緑色の光が見えるというのは本当ですか? A. 本当で、グリーンフラッシュと呼ばれます。大気の分散で太陽の縁は下が赤・上が青緑に色分けされており、赤い部分が地平線に沈みきった瞬間、緑の縁だけが数秒間見えることがあります。水平線がはっきりして大気が安定している必要があります。
Q. 雪の結晶はなぜ六角形なのですか? A. 通常の雪をつくる氷では水分子が六方晶の構造に並び、板状の結晶などに六角形や6本の枝が現れます。枝の伸び方は気温や水蒸気の量に左右されます。同じ結晶の枝は似た環境で成長するので似やすいのですが、欠けや成長の差もあり、必ず完全な6回対称になるわけではありません。単純な結晶にはよく似た形もあり、「同じ形は絶対にない」とは断定できません。
Q. 鏡に映ると左右は逆なのに、上下はなぜ逆になりませんか? A. 平面鏡の像は、鏡面に垂直な方向(向かい合ったときの前後)だけが反転します。右手を上げれば、像も鏡の同じ側にある手を上げます。ところが像を「こちらを向いた別の人」と見なし、自分を上下の軸のまわりに半回転して重ねると、その手を相手の左手と呼ぶため左右が逆に感じられます。鏡自体が左右を選んで交換しているわけではありません。
Q. 夏のアスファルトの向こうに水たまりのようなものが見えるのは何ですか? A. 陽炎(かげろう)の一種で下位蜃気楼です。灼熱の路面付近の空気は高温で軽く、屈折率が低いため上方向へ光が曲がります。すると空の光が路面方向から来たように見え、水たまりに映る空のように見えるのです。実際に近づいても水はありません。