地形図を読む — 縮尺・等高線・距離と高さの計算
縮尺から水平距離を求め、等高線から標高差と斜面の急緩を読み取る。地図から分かることと、断定できないことも区別する。
- 縮尺の意味を説明し、図上の長さと実際の水平距離を相互に換算できる
- 等高線の標高と間隔から標高差を求め、斜面の急緩を比較できる
- 谷と尾根の形を高低の方向と結び付けて読み取れる
- 水平距離・道のり・標高差を区別し、地図の読解条件を確認できる
まず確認するのは縮尺・方位・凡例
地形図は、地表の起伏や川・道路・建物などを一定の規則で表した地図です。読み始める前に、①縮尺、②方位、③記号や線の意味を示す凡例、④作成・更新時点を確認します。上が北とは限らない切り抜きや回転した画面もあるため、方位表示を確かめましょう。地図記号で土地利用を読むときも、現在の現地の状態と一致するとは限りません。
縮尺とは — 同じ単位で比べた長さの割合
縮尺 1/25,000(2万5千分の1)は、実際の水平の長さを25,000分の1に縮めたことを示します。図上1 cmは実際の25,000 cm、つまり250 mに相当します。分母が大きいほど、同じ紙面に広い範囲が収まります。分数の値としては1/2,500のほうが1/25,000より大きいため、狭い範囲を大きく描く地図を「大縮尺の地図」と呼びます。
| 縮尺 | 図上1 cmに対応する水平距離 | 実際1 kmに対応する図上の長さ |
|---|---|---|
| 1/2,500 | 25 m | 40 cm |
| 1/25,000 | 250 m | 4 cm |
| 1/50,000 | 500 m | 2 cm |
| 1/200,000 | 2 km | 0.5 cm |
🔍 縮尺1/nの計算 — 単位をそろえてから求める
nは正の数。同じ長さの単位どうしで比べる。
逆に図上の長さを求めるときは、実際の水平距離をnで割る。
計算結果がcmなら、100で割ってm、100,000で割ってkmにする。
縮尺1/25,000の地図で、駅と神社を結ぶ直線は6 cmだった。水平の直線距離は何mか。また、同じ地図で実際1 kmは何cmか。
解答・解説
6×25,000=150,000 cm=1,500 m(1.5 km)。逆の換算は1 km=100,000 cmより、100,000÷25,000=4 cm。いずれも地面の起伏に沿った道のりではなく、水平方向の長さである。
同じ2地点間が、縮尺1/25,000の地図Aでは8 cm、縮尺1/50,000の地図Bでは4 cmだった。実際の水平距離を確かめよ。また、地図B全体を縦横とも2倍の長さに拡大すると、実効的な縮尺はいくらか。
解答・解説
Aでは8×25,000=200,000 cm=2 km、Bでは4×50,000=200,000 cm=2 kmで一致する。Bを拡大すると図上の長さは8 cmなので、8÷200,000=1/25,000となる。拡大した地図に印刷された「1/50,000」という数字をそのまま使ってはいけない。
等高線 — 同じ標高を結ぶ線
等高線は標高の等しい地点を結んだ線です。標高は高さの基準面からの高さを表し、2地点の標高を引いた値が標高差になります。隣り合う等高線の標高差を読むには、線の数値と凡例を確認します。補助的な線が加わることもあるため、見える線をすべて同じ高さの間隔だと決めつけてはいけません。本記事の問題では、特に断らない限り補助的な線はなく、指定の標高間隔の線を省略せず描いたものとします。
| 架空の斜面を下から順に読む | 標高 | 直前の線との標高差 |
|---|---|---|
| 1本目 | 200 m | — |
| 2本目 | 220 m | 20 m |
| 3本目 | 240 m | 20 m |
| 4本目 | 260 m | 20 m |
| 5本目 | 280 m | 20 m |
表の斜面は下から上へ一方向に高くなっています。200 mと280 mの差は80 m。線は両端を含めて5本ですが、その間の区間は4つなので20×4=80 mとも計算できます。「両端の線を含む本数」と「出発した線を除き、次の線へ移る回数」を区別しましょう。山を越えて下る経路では、高くなる区間と低くなる区間があるため、横切る線の本数だけでは標高差を求められません。
標高340 mの等高線上のPから下り続ける。等高線の標高間隔は20 mである。出発した340 mの線は数えず、次の320 mの線を1本目として、6本目の線上のQまで進んだ。Qの標高とPからの標高差を求めよ。
解答・解説
通る線の標高は320、300、280、260、240、220 m。Qは340−20×6=220 m、標高差は340−220=120 m。下り続けるという条件があるので、6回とも20 mずつ引ける。途中で登り返せば、横切る回数は増えても両地点の標高差は変わらない。
線の密まり方と、谷・尾根の形
同じ縮尺・同じ標高間隔の地図なら、等高線の図上の間隔が狭い場所ほど、短い水平距離で同じ高さを登るため斜面が急です。広い場所ほど緩やかです。比較する方向にも注意し、斜面を横切る等高線におおむね直角な方向の間隔を見ます。縮尺や標高間隔の異なる地図どうしを、見た目の密度だけで比較することはできません。
| 地形 | 等高線の読み方 | 合わせて確かめる情報 |
|---|---|---|
| 谷 | 線の曲がりが高い側へ食い込むように凸になる | 上流側が高いこと、川などの表示 |
| 尾根 | 線の曲がりが低い側へ張り出すように凸になる | 周囲より高い筋が続いていること |
| 山頂付近 | 閉じた線の内側へ向けて標高が高くなる | 標高の数字や標高点 |
| くぼ地 | 閉じた線の内側へ向けて標高が低くなる | 標高の数字や低い側を示す記号の凡例 |
水平距離と標高差を組み合わせる
地図の長さから求めるのは上から見た水平距離です。起伏に沿って歩く距離とは区別します。また、道が曲がっていれば、道に沿って測った長さと両端を直線で結んだ長さも異なります。ここでは2地点を水平面上の直線で結んだ距離に対する標高差の割合を、区間全体の平均勾配として求めます。途中の最も急な場所の勾配を表すものではありません。
縮尺1/10,000の地図上で、AからBまで水平面上の直線に対応する長さは12 cm。標高はAが120 m、Bが240 mである。水平距離と平均勾配を求めよ。
解答・解説
水平距離は12×10,000=120,000 cm=1,200 m。標高差は240−120=120 m。同じm単位で割ると120÷1,200=1/10、平均勾配は10%。これは水平に100 m進むあたり平均10 m高くなる割合で、角度が10度という意味ではない。途中の斜面が一様かどうかは、この2地点の値だけでは分からない。
縮尺1/50,000の地図上で2地点間の直線が7 cmだった。水平の直線距離は何kmか。
解答・解説
7×50,000=350,000 cm=3.5 km。cmからkmへは100,000で割る。
水平距離600 mの区間を図上3 cmで表す地図の縮尺を求めよ。
解答・解説
600 m=60,000 cm。3÷60,000=1/20,000。単位をcmにそろえて図上の長さを実際の長さで割る。
標高間隔10 mの等高線で表した、単調に高くなる斜面がある。低い地点と高い地点は等高線上にあり、両端の線を含めて13本の連続した等高線が並ぶ。両地点の標高差は何mか。
解答・解説
13−1=12区間なので、10×12=120 m。途中で下る場所がなく、線が連続しているため各区間の高さを足せる。
同じ1 kmの水平距離を、1/25,000の地図と1/50,000の地図で表す長さをそれぞれ求めよ。
解答・解説
1 km=100,000 cmより、それぞれ100,000÷25,000=4 cm、100,000÷50,000=2 cm。分母が2倍なら図上の長さは半分になる。
水平距離800 mで標高差80 mの区間の平均勾配は何%か。また、区間内のどの場所も同じ勾配だといえるか。
解答・解説
80÷800×100=10%。両端の値からは区間内の変化は分からないので、一様とはいえない。
問1. 縮尺1/25,000の地図について正しい説明はどれか。
問2. 等高線の図上の間隔だけで斜面の急緩を比べるときに必要な条件はどれか。
問3. 標高300 mの線から単調に下り、280 m、260 m、240 m、220 mの順に等高線を通った。最後の線までの標高差はいくらか。
問4. 縮尺1/50,000の地図で水平距離5 kmに相当する長さは何cmか。
問5. 等高線が閉じた輪を作っていることだけから確実にいえるのはどれか。