順列・組合せ

和の法則・積の法則から、円順列・重複組合せまで数え上げる技術。

この単元の目標
  • 順列・組合せを使い分けて場合の数を求められる
  • 同じものを含む順列・重複組合せを扱える
📑 目次
  1. 基本原則
  2. 順序を区別するかで公式が変わる
  3. 制限があるときは、選択肢の変化を先に見る
  4. 「少なくとも」を、重ならない場合に分ける

基本原則

  • 和の法則: 場合が排他的なら「たす」
  • 積の法則: 段階的に選ぶなら「かける」
  • 余事象: 「少なくとも1つ」は全体 − 0個の場合で計算するのが速い
nPr=n!(n−r)!,nCr=n!r!(n−r)!,nHr=n+r−1Cr{}_n\mathrm{P}_r = \frac{n!}{(n-r)!}, \qquad {}_n\mathrm{C}_r = \frac{n!}{r!(n-r)!}, \qquad {}_n\mathrm{H}_r = {}_{n+r-1}\mathrm{C}_r
パターン式
円順列(異なる n 個、回転を同一視)(n−1)!(n-1)!
数珠順列(異なる n 個、回転・裏返しを同一視、n ≥ 3)(n−1)!/2(n-1)!/2
同じものを含む順列n!p! q!\dfrac{n!}{p!\,q!}
例題

りんご5個とみかん4個から6個を選ぶ方法は何通り?(同種は区別しない)

解答・解説

りんごを xx 個、みかんを yy 個とすると x+y=6x+y=6、0≤x≤50\le x\le5、0≤y≤40\le y\le4。したがって 2≤x≤52\le x\le5 で、(x,y)=(2,4),(3,3),(4,2),(5,1)(x,y)=(2,4),(3,3),(4,2),(5,1) の **4通り**。種類は2種類であり、在庫にも上限があるため、9種類の重複組合せでは数えられない。

順序を区別するかで公式が変わる

異なる nn 個から rr 個を選んで並べる順列では、1番目は nn 通り、2番目は n−1n-1 通りと選択肢が減ります。組合せでは同じ rr 個の並べ替えを区別しません。ここでは 0≤r≤n0\le r\le n、0!=10!=1 とします。重複組合せは「各種類を必要なだけ選べる」場合の公式で、在庫制限がある問題にはそのまま使えません。

🔍 順列から組合せを導く

  1. 順番に選ぶ
    nPr=n(n−1)⋯(n−r+1)=n!(n−r)!{}_n\mathrm{P}_r=n(n-1)\cdots(n-r+1)=\frac{n!}{(n-r)!}
  2. 同じ組の並べ替えを数える
    nPr=nCr r!{}_n\mathrm{P}_r={}_n\mathrm{C}_r\,r!

    選んだ r 個が同じでも、並べると r! 通りになる。

  3. 重複した回数で割る
    nCr=nPrr!=n!r!(n−r)!{}_n\mathrm{C}_r=\frac{{}_n\mathrm{P}_r}{r!}=\frac{n!}{r!(n-r)!}

円順列では回転して重なる nn 通りを同じ配置とみなし、n!/n=(n−1)!n!/n=(n-1)! とします。さらに裏返しも区別しない数珠順列は、異なるものが3個以上なら鏡像の2通りをまとめて (n−1)!/2(n-1)!/2。同色の玉がある場合や番号付きの席の場合は、同じ割り算ができるとは限りません。

区別と制約を確認する練習
  1. 6人から委員を2人選ぶ場合と、委員長・副委員長を1人ずつ選ぶ場合はそれぞれ何通りか。兼任はしない。

    解答・解説

    委員は順序を区別しないので 6C2=15{}_6\mathrm{C}_2=15 通り。役職を区別する場合は 6P2=6×5=30{}_6\mathrm{P}_2=6\times5=30 通り。

  2. 赤・青・黄の3種類の玉から重複を許して4個選ぶ。同色の玉は区別せず、在庫は十分にある。何通りか。

    ヒント

    4個の丸と2本の仕切りを並べる。

    解答・解説

    3H4=6C2=15{}_3\mathrm{H}_4={}_6\mathrm{C}_2=15 通り。仕切りの間の丸の個数が、それぞれの色を選んだ個数を表す。

  3. りんごを最大3個、みかんを最大4個まで選べるとき、合計5個を選ぶ方法は何通りか。同種は区別しない。

    解答・解説

    りんごを xx 個とすると、0≤x≤30\le x\le3 かつ 0≤5−x≤40\le5-x\le4 より 1≤x≤31\le x\le3。(1,4),(2,3),(3,2)(1,4),(2,3),(3,2) の3通り。

  4. 異なる色の玉6個で輪を作る。回転と裏返しを同じとみなすと何通りか。

    解答・解説

    まず回転を同一視して 5!=1205!=120 通り。裏返しの2通りをまとめて 120/2=60120/2=60 通り。

「区別する/しない」を見極めるのが最重要。人・物・席のどれに区別があるか、問題文で必ず確認しましょう。

制限があるときは、選択肢の変化を先に見る

積の法則が使えるのは、各段階で続きが何通りあるかを追えるからです。たとえば上着が2着、ズボンが3着で、どの組合せも着られるなら2×3通り。一方、片方の上着だけ合うズボンが1着なら、続きの数は枝ごとに違うので3+1通りです。「選ぶから掛ける」だけでなく、選んだ後の候補がどう変わるかを考えます。

数字のカードで整数を作る場面も同じです。0は一の位には使えても、3桁の整数の百の位には使えません。そこで制限の強い百の位を先に決めると、以後の候補数が一定になり、数え落としを防げます。各カードを一度だけ使うなら、使用済みの数字は候補から外します。

N=N1+N2+⋯+Nk(重なりも漏れもない場合分け)N=N_1+N_2+\cdots+N_k\quad\text{(重なりも漏れもない場合分け)}
「Aを含む場合」と「Bを含む場合」は、AとBを両方含む場合が重なるので、そのまま足せません。また、順列を階乗で割って組合せに直すには、すべての組を同じ回数ずつ数えている必要があります。制限付きの並びでは、先にその重複回数を点検しましょう。
例題:0を含むカードで3桁の整数を作る

0、1、2、3、4の5枚のカードから3枚を使い、3桁の整数を作る。カードは再使用しない。何個できるか。

解答・解説

百の位は0以外の4通り。百の位を決めると十の位は0も含む残り4通り、一の位は残り3通りなので、4×4×3=48個。別解では、全順列5×4×3=60通りから先頭が0の4×3=12通りを引いても48個。二つの数え方の一致が検算になる。

「少なくとも」を、重ならない場合に分ける

委員を選ぶとき「ある学年から少なくとも1人」という条件があれば、その学年の人数が1人、2人、…という分け方なら重なりません。反対に、その学年が0人という不適切な選び方が簡単なら、全体から引く方が短くなります。同じ対象を二つの方法で数えると、計算だけでなく場合分けの漏れも確かめられます。

例題:選び方を引き算と場合分けで照合する

1年生3人、2年生4人から、役職を区別しない委員を3人選ぶ。1年生を少なくとも1人含む選び方は何通りか。

解答・解説

全体は (73)=35\binom{7}{3}=35 通り。1年生が0人なのは (43)=4\binom{4}{3}=4 通りなので35−4=31通り。1年生の人数別に数えると 3×6+3×4+1=18+12+1=313\times6+3\times4+1=18+12+1=31 通りで一致する。選んだ後に委員を並べる必要はない。

  1. 対象を「人」「数字」「座席」のどれとして区別するか決める。
  2. 順序と再使用の可否を確認し、0や特定の人など制限が強い部分に注目する。
  3. 直接数える/排他的に分ける/全体から引く、のうち簡単な方法を選ぶ。
  4. 答えが制限のない全体の数以下か、別の数え方でも一致するかを確認する。
条件を数式に訳す練習
  1. 0、1、2、3、4、5から異なる3個の数字を使って作る3桁の整数は何個か。

    解答・解説

    百の位は5通り、十の位は0も含む残り5通り、一の位は4通り。5×5×4=100個。

  2. 異なる8冊の本から3冊選ぶ。特定の1冊を必ず含める選び方は何通りか。順序は区別しない。

    解答・解説

    特定の1冊を先に確保し、残り7冊から2冊選ぶので7×6÷2=21通り。必ず含める本の置き場所は数えない。

  3. 異なる8冊の本から3冊選ぶ。特定の2冊を両方同時には選ばないとき何通りか。

    解答・解説

    全体は8×7×6÷6=56通り。特定の2冊を両方含む選び方は、残り1冊を他の6冊から選ぶ6通り。したがって56−6=50通り。一方だけ選ぶことは許される。

数える前の判断

問1. 0、1、2、3で重複なしの2桁の整数を作るとき、十の位の候補は?

問2. 委員選びで「Aを含む場合」と「Bを含む場合」をそのまま足せない理由は?

問3. 特定の人を少なくとも1人含む選び方を全体から引いて求めるとき、何を引く?

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