確率

確率の基本的性質から独立試行・条件付き確率へ。

📑 目次
  1. 確率の計算
  2. 条件付き確率と独立
  3. 練習問題
  4. 小ネタ: モンテカルロ法で円周率を推定
  5. 結果の名前ではなく、等確率の最小単位を数える
  6. 樹形図は「その枝に来た後の確率」を掛ける

確率の計算

個数の比で確率を求めるには、全事象 U の各根元事象が同様に確からしいことが必要です。この節のサイコロは各目が等確率で、複数回の試行は独立、袋からの取り出しは各玉が等確率とします。

P(A)=n(A)n(U),P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)P(A) = \frac{n(A)}{n(U)}, \qquad P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)

条件付き確率と独立

条件付き確率 P(B∣A)P(B|A) は P(A)>0P(A)>0 のときに定義します。独立と排反は異なり、確率がともに正の事象が排反なら独立ではありません。

P(B∣A)=P(A∩B)P(A),A,B 独立  ⟺  P(A∩B)=P(A)P(B)P(B|A) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)}, \qquad A, B \text{ 独立} \iff P(A \cap B) = P(A)P(B)

反復試行(独立な試行の繰り返し)で成功 r 回の確率は二項分布:nCrpr(1−p)n−r_n\mathrm{C}_r p^r (1-p)^{n-r}。

例題

表が出る確率 1/3 のコインを3回投げるとき、表がちょうど2回出る確率を求めよ。

解答・解説

3C2(13)2(23)=3×19×23={}_3\mathrm{C}_2 (\tfrac{1}{3})^2 (\tfrac{2}{3}) = 3 \times \tfrac{1}{9} \times \tfrac{2}{3} = **2/9**

練習問題

練習問題
  1. サイコロを2個投げるとき、目の和が 7 になる確率を求めよ。

    ヒント

    和が 7 になる組は (1,6), (2,5), (3,4), (4,3), (5,2), (6,1)。

    解答・解説

    636=\dfrac{6}{36} = **16\dfrac{1}{6}**

  2. 白玉 3 個と黒玉 2 個が入った袋から同時に 2 個取り出す。両方とも白玉である確率を求めよ。

    ヒント

    5C2=10{}_5\mathrm{C}_2 = 10 通りから白だけの 3C2{}_3\mathrm{C}_2 通り。

    解答・解説

    3C25C2=310\dfrac{{}_3\mathrm{C}_2}{{}_5\mathrm{C}_2} = \dfrac{3}{10}

  3. 表が出る確率 23\dfrac{2}{3} のコインを 4 回投げるとき、表がちょうど 2 回出る確率を求めよ。(発展)

    ヒント

    反復試行 nCrpr(1−p)n−r{}_n\mathrm{C}_r p^r (1-p)^{n-r}。

    解答・解説

    4C2(23)2(13)2=6⋅49⋅19={}_4\mathrm{C}_2 \left(\tfrac{2}{3}\right)^2 \left(\tfrac{1}{3}\right)^2 = 6 \cdot \tfrac{4}{9} \cdot \tfrac{1}{9} = **827\dfrac{8}{27}**

小ネタ: モンテカルロ法で円周率を推定

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ランダムな点の「入り方の割合」から π を推定——確率が数値計算の道具になる例

結果の名前ではなく、等確率の最小単位を数える

確率を分数で考えられるのは、同じ起こりやすさの結果を一つずつ並べ、そのうち条件を満たす割合を取るからです。公平なサイコロ2個でも、和の2から12までが等確率になるわけではありません。和2を作る組は(1,1)だけですが、和7を作る組は6個あります。赤いサイコロと青いサイコロのように区別し、36個の順序付きの組を出発点にします。

「AまたはB」には、日常語で曖昧になりがちな「両方起きる」場合も含めます。名簿で「運動部または文化部に所属する人」を数えるとき、両方に所属する人を二度数えたら一度戻すのと同じです。この重複調整が加法定理の引き算です。

P(Ac)=1−P(A),P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)P(A^c)=1-P(A),\qquad P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)
「赤赤・赤白・白白の3種類だから各1/3」とは限りません。同色でも玉を仮に1個ずつ区別して等確率の結果を数えます。また、取り出した玉を戻さないなら袋の内訳が変わるので、各回の色は一般に独立ではありません。
例題:重なる事象の「または」

公平なサイコロを1回投げる。偶数が出る事象をA、3の倍数が出る事象をBとする。AまたはBが起こる確率を求めよ。

解答・解説

A={2,4,6}、B={3,6}で、両方に入るのは6だけ。3/6+2/6−1/6=4/6=2/3。実際に{2,3,4,6}の4個と列挙して確かめられる。

樹形図は「その枝に来た後の確率」を掛ける

樹形図で一本の経路をたどるときは、その時点の条件の下で次の結果が出る確率を掛けます。複数の経路を足すのは、それらが重ならないときです。袋から戻さず2個を順に取る場合、「赤の次に白」と「白の次に赤」は別の経路です。枝の確率の分母は2回目に1個減ります。

例題:取り出し順を分ける方法と、同時に選ぶ方法

赤玉3個、白玉2個の袋から戻さずに2個を順に取る。各段階で残った各玉は等確率で選ばれる。赤白が1個ずつになる確率を求めよ。

解答・解説

赤→白は (3/5)(2/4)=3/10(3/5)(2/4)=3/10、白→赤は (2/5)(3/4)=3/10(2/5)(3/4)=3/10。二つは排反なので合計 3/53/5。同時に2個選ぶ見方なら、全10組のうち赤白の組は 3×2=63\times2=6 組で 6/10=3/56/10=3/5。二つの方法で分子・分母の順序の扱いをそろえる。

  1. 等確率の根元事象を決め、全体を数える。
  2. 「かつ」「または」「少なくとも」を区別し、条件を集合や経路に直す。
  3. 戻す/戻さない、独立/独立でないを確認する。
  4. 答えが0以上1以下か、反対の事象との和が1かを検算する。
全体と条件をそろえる練習
  1. 公平なサイコロ2個を独立に投げる。少なくとも一方が6である確率は?

    解答・解説

    どちらも6でない確率は(5/6)²=25/36。余事象より1−25/36=11/36。一方ずつ6になる場合を足すだけだと(6,6)を重複してしまう。

  2. 赤玉3個、白玉2個から戻さず2個取るとき、同色になる確率は?各玉は等確率で取られる。

    解答・解説

    全10組に対し、赤赤が3組、白白が1組なので4/10=2/5。例題の異色になる確率3/5と足して1になる。

  3. 公平なサイコロ1回で、出た目が奇数と分かっている。このとき3以上である確率は?

    解答・解説

    条件を満たす全体は{1,3,5}の3個。その中で3以上は{3,5}なので2/3。分母を元の6のままにしない。

確率の前提を点検

問1. 公平なサイコロ2個を独立に投げるとき、同様に確からしいのは?

問2. 確率がともに正の二つの事象が排反なら、独立か?

問3. 独立な3回の試行で、各回の成功確率が1/2。少なくとも1回成功する確率は?

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