バンド理論——金属・絶縁体・半導体
原子が集まると軌道が帯になり、電気伝導の違いが説明できる。
この単元の目標
- エネルギーバンドとバンドギャップで3種の導電性を区別できる
- ドーピングによる n 型・p 型半導体を説明できる
軌道からバンドへ
原子が集まると、量子力学的に許容されるエネルギー準位が密集した帯(バンド)になります。価電子の詰まった価電子帯と、その上の空いた伝導帯の間に禁止帯(バンドギャップ $E_g$)があるかどうかで電気的な振る舞いが決まります。
| 分類 | バンド構造 | 例 / |
|---|---|---|
| 金属 | 伝導帯と価電子帯が重なる(または部分的に空) | Cu, Al — 電子が自由に動ける |
| 絶縁体 | 通常はギャップが大きく、常温でキャリアが極めて少ない | ダイヤモンド ≈ 5.5 eV(分類に厳密な境界値はない) |
| 半導体 | 比較的小さいギャップ(広禁制帯半導体もある) | Si ≈ 1.1 eV, Ge ≈ 0.7 eV, GaAs ≈ 1.4 eV |
ドーピング
- n 型: Si に P などの15族を微量添加 → 余った電子がキャリア
- p 型: Si に B などの13族を添加 → 電子の欠け(ホール)がキャリア
- pn 接合で整流作用 → ダイオード・トランジスタ・LED の原理
例題
Si に Ga をドープした半導体の型とキャリアを答えよ。
解答・解説
Ga は**13族(価電子3個)**なので電子が足りず、**p 型**。キャリアは**ホール(正孔)**。
練習問題
真性キャリアの熱励起が支配的な半導体の温度を上げると抵抗はどうなるか。通常の金属との違いを述べよ。
ヒント
キャリア数の増え方。
解答・解説
この条件の半導体は熱励起によるキャリア数増加が移動度の低下を上回り、一般に**抵抗が下がる**。通常の金属ではキャリア数がほぼ一定で熱振動による散乱が増え、抵抗が上がる。ドープした半導体では温度域によって移動度低下が支配し抵抗が上がる場合もあり、半導体全般への無条件の法則ではない。
LED が光を出す仕組みをバンド図で説明せよ。
解答・解説
順バイアスで pn 接合に電子とホールが注入され、再結合時にバンドギャップ相当のエネルギーを**光子として放出**する。 が色(波長)を決める。
確認クイズ(固体化学)
問1. 金属がよく電気を通すのはなぜか。
問2. Si に P をドープするとどうなるか。
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