データの活用とモデル化・シミュレーション
データ分析の手順、相関と因果、モデル化による予測。
- 散布図・相関係数からデータ間の関係を読み取れる
- モデル化とシミュレーションの関係を説明できる
データ分析のプロセス
- ① 目的の明確化 → ② データ収集(センサ・アンケート・公開データ)→ ③ 前処理(欠損・外れ値の処理)→ ④ 分析・可視化 → ⑤ 評価・意思決定
- 相関係数 r: −1 ≤ r ≤ 1。|r| が1に近いほど強い直線的な関係
- 相関 ≠ 因果:第3の変数(交絡因子)が隠れていることがある
モデル化とシミュレーション
現実の現象を数式やルールに置き換えたものがモデル。モデルをコンピュータで動かして実験するのがシミュレーションです。天気予報・交通流・疫学などに使われます。
- モデルは単純化を含むため、前提と限界を理解して使う
- センサデータの蓄積 → 機械学習による予測モデルへ発展(AI とデータ活用の接続点)
「アイスの売上が増えると水難事故が増える」というデータの相関をどう解釈すべきか。
解答・解説
気温という**交絡因子**が両方を増加させている可能性が高い。相関関係から直接因果を主張してはいけない好例。
前処理とモデルの評価
欠損値は「測定されていない値」であり、0とは異なります。外れ値も、入力ミスなのか本当に起きた珍しい現象なのかを調べてから扱います。都合の悪い値を勝手に削除してはいけません。予測モデルは、作成に使っていないデータでも確かめます。学習用データにだけ合う状態を過学習といいます。
開始時の在庫が50個で、各日の朝に20個入荷し、その後15個売れるとする。廃棄も品切れもないモデルでは、3日目の終了時の在庫はいくつか。
解答・解説
1日につき20 − 15 = 5個増えるので、55 → 60 → 65 と変化し、**65個**。入荷数・販売数が毎日一定という前提を変えると結果も変わります。
測定値が [10, 12, 欠損, 14] のとき、測定済みの値だけの平均はいくつか。欠損を0にした場合との違いも述べよ。
解答・解説
測定済み3個の平均は (10 + 12 + 14) ÷ 3 = **12**。0とすると36 ÷ 4 = 9になり、実際には測っていない0を加えたことになります。欠損の理由によっては、測定済みだけの平均にも偏りがあり得ます。
相関係数が0なら、二つの変数は無関係と断定できるか。
解答・解説
できません。例えば x = −1, 0, 1 に対して y = 1, 0, 1 は y = x² という関係をもちますが、相関係数は0です。
在庫の例題で、毎日の販売数だけを18個に変更すると、3日目終了時の在庫はいくつか。
解答・解説
毎日20 − 18 = 2個増えるので、50 + 3 × 2 = **56個**。条件を変えて結果の変化を調べることもシミュレーションの役割です。