ネットワークの仕組みとセキュリティ

TCP/IP、暗号化の基礎、サイバーセキュリティの考え方。

この単元の目標
  • パケット通信とプロトコルの役割を説明できる
  • 暗号化・認証の基本的な仕組みを説明できる
📑 目次
  1. ネットワークの基礎
  2. 暗号とセキュリティ
  3. 通信の役割を分けて考える

ネットワークの基礎

  • データはパケットに分割して送られ、受信側で再構成される
  • IPアドレスで宛先を指定し、ドメイン名は DNS が IP に変換する
  • HTTP(S), SMTP, DNS などのプロトコル(通信の約束事)が階層的に組み合わさる

暗号とセキュリティ

技術仕組み用途
共通鍵暗号暗号化と復号に同じ鍵高速。鍵の配送が課題
公開鍵暗号技術暗号化では公開鍵と秘密鍵の対を利用。署名や鍵共有にも関連技術を使う相手の認証・安全な鍵共有など
暗号学的ハッシュ関数入力から固定長の値を計算。元の入力の復元は困難信頼できる値との照合による整合性確認
  • 脅威への対策: マルウェア対策、フィッシングへの注意、多要素認証
  • 情報モラル: 著作権・肖像権の尊重、個人情報の取り扱い、ネットいじめへの対処
例題

HTTPS が HTTP より安全である理由を、暗号の観点から説明せよ。

解答・解説

HTTPS は HTTP を TLS で保護します。証明書などで接続先を認証し、安全に共有した鍵による**共通鍵暗号**で通信内容を暗号化して、改ざんも検知します。公開鍵暗号技術は主に認証や鍵共有に関わり、本文すべてを公開鍵暗号で送るわけではありません。

通信の役割を分けて考える

DNS は名前に対応する IP アドレスなどを調べ、IP はパケットの宛先や経路選択に関わります。TCP は順序の調整や再送によって信頼性のある配送を提供します。すべての通信が TCP を使うわけではありません。例えば HTTP/3 は UDP 上の QUIC を利用します。

HTTPS は通信路の保護であって、サイトの内容や運営者の善意を保証しません。接続先の名前も確認しましょう。ハッシュ値も、比較先が信用できなければ改ざんの有無を判断できません。パスワード保存には単純なハッシュだけでなく、ソルトと専用の低速なパスワードハッシュ方式を用います。
例題:通信時間の単位

20 MB のファイルを 40 Mbps で送る理想的な所要時間を求めよ。1 MB = 100万バイト、1バイト = 8ビットとし、付加情報や待ち時間は無視する。

解答・解説

20 MB = 160 Mbit なので、160 ÷ 40 = **4秒**。実際は通信の付加情報や混雑があるため、この条件の理想値より長くなることがあります。

練習:通信と防御
  1. DNS と TCP の役割の違いを説明せよ。

    解答・解説

    DNS は名前に対応するアドレスなどを調べる仕組み。TCP はデータの順序をそろえ、欠落時に再送するなど、信頼性のある配送を担う仕組みです。

  2. 10 MB のデータを 20 Mbps で送る理想的な時間は何秒か。例題と同じ単位・条件とする。

    解答・解説

    10 × 8 ÷ 20 = **4秒**。MB はバイト、Mbps は毎秒のビット数なので、8倍して単位をそろえます。

  3. 「HTTPS のサイトなら個人情報を入力しても必ず安全」という説明は正しいか。

    解答・解説

    誤り。HTTPS は通信路を保護しますが、偽の案内や不適切な情報収集まで防ぐものではありません。公式の案内から接続先を確認し、不要な情報は入力しないことが大切です。

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