説明文・評論文の読み方
筆者の主張と根拠を整理しながら、構造をつかんで読む。
- 文章の構造(序論・本論・結論)を把握できる
- 筆者の主張とその根拠を区別できる
- 指示語・接続語に着目して論理関係を読み取れる
まず「問い」と「答え」を見つける
説明文・評論文では、どんな問題を取り上げ、何を説明・主張しているかを探します。問いが明示されない文章や、先に結論を述べる文章もあります。「問い・主張・理由・具体例」という各部分の役割を、文章全体の関係から整理しましょう。
接続語で論理の流れをつかむ
| 接続語 | 示す関係 |
|---|---|
| しかし・けれども・ところが | 逆接(前の内容から予想される流れと異なる内容へ) |
| つまり・すなわち・要するに | 言い換え・要約 |
| なぜなら・というのは | 根拠・理由 |
| たとえば | 具体例 |
🔍 なぜ接続語で筆者の立場がわかるのか——文の「方向転換」の仕組み
- Step 1: 文章は直線ではなくジグザグ
「一般的な考えを挙げる → 別の見方を示す」は構成の一例。すべての評論文がこの順序になるわけではありません。
- Step 2: 接続語は方向のサイン
接続語は文どうしの関係の手がかりです。ただし、省略される場合もあるので内容のつながりも確認します。
- Step 3: 主張と根拠を照合する
主張の候補を見つけたら、本文の理由や資料がそれを支えているか確かめます。位置だけで主張を決めません。
指示語の解決
「これ・それ・あれ」などの指示語は、まず直前の内容を候補にして探します。ただし、離れた箇所や後に述べる内容を指すこともあります。候補の語句を指示語の位置に置き換えて、文の意味と前後のつながりが自然か確かめましょう。
自作例文「毎朝、教室の窓を開け、黒板を拭く。**これ**が私の当番の仕事だ。」——「これ」は何を指しますか。
解答・解説
毎朝、教室の窓を開け、黒板を拭くこと。直前の「黒板を拭く」だけでなく、並列された二つの動作をまとめて受けています。
段落どうしのつながりを読む——対比・因果・具体化
一文ずつの意味が分かっても、「なぜこの段落が必要か」が分からないと、主張と例を取り違えます。段落のつながりは路線図のようなものです。理由から結論へ進む線もあれば、別の見方と比べる枝分かれもあります。段落の関係とは、内容を比べたり、理由を示したり、例で説明したりする働きのことです。まず各段落を短くまとめ、隣り合う段落がどんな関係か、本文に戻って確かめましょう。最初の文は手がかりですが、段落の中心が途中や最後にあることもあります。
| 段落の関係 | サインになる言葉 | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 対比・逆接 | しかし/ところが/一方 | 二つの見方を比べる、または予想と違う方向に進む。対比は必ずしも一方の否定ではない |
| 因果・根拠 | なぜなら/だから/そのため | どちらが理由でどちらが結論か、矢印の向きを確かめる |
| 具体化 | たとえば/実際に | どの一般的な説明を例で示しているかを探す。例の後で説明をまとめる場合もある |
| 並列・追加 | また/さらに | 関連する話題が並ぶ。それぞれが何を説明するか確かめ、必要ならまとめる |
| 接続語のないつながり | 同じ語/指示語/言い換え | 接続語がなくても関係はある。共通する話題と文の内容から判断する |
🔍 なぜ「言い換え」を見つけると論理が読めるのか
- Step 1: 同じ概念を説明し直す箇所を探す
難しい言葉を平易な言葉で説明し直すことがあります。この等号は、算数の計算ではなく「この本文で同じ内容を指す」という関係の模式図です。具体例は概念の一部なので、概念全体との等号で結びません。
- Step 2: 繰り返しを傍線でつなぐ
同じ概念を指す語を線で結ぶと、その概念をめぐる説明が集まり、文章の中心が浮かび上がります。
- Step 3: 対応を置き換えて確認する
代入して意味が通ることは手がかりです。さらに、指す範囲や条件まで同じか確かめましょう。「動物」と「犬」のように意味が通っても範囲が異なる語は、完全な言い換えではありません。
自作の短い評論です。「近年、タブレットを使う授業が増え、紙の教科書はいらないという声も聞く。しかし、書き込みや折り目が残る紙には、学びの記録がそのまま残るという強みがある。だから私は、紙とタブレットのどちらか一方に限らず、使い分けるのがよいと考える。」——筆者の主張はどれか。 ①紙の教科書は使うべきではない ②タブレットでの授業はやめるべきだ ③紙とタブレットは使い分けるべきだ
解答・解説
③。「だから〜と考える」の結論部分が主張です。①は紹介された「紙の教科書はいらない」という他人の意見に近く、②の授業廃止は本文で述べられていません。筆者は紙の強みを認めつつ、どちらも使う立場です。主張の候補を見つけたら、それが誰の言葉か、本文にない強い断定になっていないかを確かめます。
自作の文章です。「リレーのアンカーは、学年で一番速い子が走るという案が出た。しかし、この案では、走るのが速くない子には、アンカーに挑戦する機会がない。そこで、走る順番はくじで決めることにした。」——「この案」が指す内容を、本文中の言葉を使って25字以内で抜き出せ。
解答・解説
「リレーのアンカーは、学年で一番速い子が走る」(句読点を含み、かぎかっこを除いて21字)。「速い子が走る」だけでは、どの役割についての案かが欠けます。「リレーのアンカーは、学年で一番速い子が走るという案では」と補って代入すれば、後の文につながります。指す内容と、文に入れるために必要な語尾は分けて考えましょう。
手を動かす:傍線のルールを決めて読む
傍線を引くときは、線の種類を自分で決めると構造を整理できます。たとえば「主張の候補は直線、根拠は波線、筆者以外の意見はかっこで囲む」と決めます。上の紙とタブレットの例なら、最後の文を直線、紙の強みの説明を波線、冒頭で紹介された声をかっこで囲んでみましょう。次に、波線の理由が直線の主張のどの部分を支えるか説明します。この例の紙の強みは、紙を使う価値を支えますが、タブレットの利点までは説明していません。印をつけるだけでなく、根拠が支える範囲まで点検するのが目的です。
自作の文章(架空の話し合い)「学級新聞は写真だけにすればよい、と友人は言う。しかし、私は写真に短い説明も添えたい。写っていない事情も伝えられるからだ。」——「写真だけにすればよい」は誰の考えですか。筆者の考えとの違いも答えよ。
解答・解説
友人の考え。筆者は写真をなくすのではなく、短い説明を添える立場である。「友人は言う」と「私は〜たい」の主語を追うと、考えの持ち主を区別できる。
自作の文章「掲示板の予定は、急に変更されることがある。( )、私は帰る前にもう一度掲示板を確かめることにしている。」空欄に入る接続語を「しかし・たとえば・だから」から選び、その理由も述べよ。
解答・解説
**だから**。予定が変わることは、帰る前に確かめる理由になっている。「しかし」なら予想と異なる展開、「たとえば」なら前の説明に当たる具体例が必要だが、ここは理由から行動へ進む関係である。
自作の文章「私は休み時間に外で遊ぶ時間をもっと増やしたい。体を動かすと、午後の授業に集中しやすくなるからだ。」——筆者はなぜ外で遊ぶ時間を増やしたいのか。25字以内で答えよ。
解答・解説
「体を動かすと、午後の授業に集中しやすくなるから」(句読点を含み、かぎかっこを除いて23字)。理由を問う設問には「〜から」という形で答える。これは自作の本文中で筆者が挙げた理由であり、運動の効果を一般的に証明する資料ではない。
問1. 「しかし」の直後の文が、必ず筆者の主張にならないのはなぜか。
問2. 指示語「これ」の中身を確かめるとき、最も基本的な操作はどれか。
問3. 段落をまたぐ「言い換え」を見つけることは、なぜ読解に役立つか。