力のつり合いと物体の運動
二力のつり合いを理解し、等速直線運動では合力が0になることを学ぶ。
- 力の大きさ・向き・作用点で力を表すことができる
- 二力のつり合いの条件を使える
- 等速直線運動と慣性の法則を理解する
力の表し方
力は大きさ・向き・作用点の3つで決まります。矢印で表し、単位はニュートン [N]。1 N は 100 g の物体が受ける重力の大きさにほぼ相当します。
二力のつり合い
- 同じ物体にはたらく二力で、大きさが等しい
- 向きが逆向き
- 同じ直線上にある
机の上に置いた質量 500 g の物体が静止している。物体にはたらく重力と垂直抗力の関係を説明せよ。(g = 9.8 m/s²)
解答・解説
500 g = 0.500 kg より、重力は 0.500 × 9.8 = **4.9 N(下向き)**。垂直抗力は **4.9 N(上向き)**で、同じ物体にはたらく二力がつり合う。合力が 0 なので速度は変わらず、**もともと静止していた物体は静止し続ける**。
等速直線運動と慣性
等速直線運動でも加速度が 0 なので合力は 0。力がつり合っていても動いていることはあります。「力がないから動く」のではなく「力のつり合いの中で等速で動き続ける」——これが慣性の法則です。
力を考える対象を一つに決める
まず「どの物体の運動を考えるか」を決め、その物体がほかの物体から受ける力だけを描きます。机の上の本なら、地球から受ける重力と机から受ける垂直抗力です。本が机を押す力は机にはたらく力なので、本の力の図には入れません。二力の作用点は同じでなくてもよく、作用する直線が同じであることが条件です。
水平な床の上で箱を右向きに 8 N の力で引くと、箱は等速直線運動した。水平方向には引く力と摩擦力だけがはたらく。摩擦力の向きと大きさは?
解答・解説
等速直線運動なので水平方向の合力は 0。右向きの 8 N とつり合う摩擦力は **左向きに 8 N**。力がつり合うことは「止まっていること」と同じではない。
右向きに動いている台車に右向き 6 N、左向き 2 N の力がはたらく。水平方向の合力と、その直後の速さの変化を答えよ。
解答・解説
合力は **右向き 4 N**(6 − 2)。運動と同じ向きに合力がはたらくため、速さは増す。
右向きに動く物体に左向きの合力がはたらき続ける。物体はすぐ左向きに動くか。
解答・解説
**すぐには左向きにならない。**まず右向きの速さが減る。左向きの合力がその後もはたらけば、一度止まってから左向きに動き始める。
静止している本にはたらく重力と机からの垂直抗力は、作用・反作用の関係か。理由も述べよ。
解答・解説
**作用・反作用ではなく、つり合いの関係。**両方とも同じ本にはたらく。垂直抗力の反作用は、本が机を押す力である。