気象——大気の動きと天気の変化

湿度・飽和水蒸気量、雲の発生、前線と天気図の読み方。

この単元の目標
  • 飽和水蒸気量と湿度の関係を使って凝結を予測できる
  • 前線通過時の天気変化を説明できる
📑 目次
  1. 飽和水蒸気量と湿度
  2. 露点と凝結量
  3. 天気図:地表付近の風(北半球)
  4. 前線と天気

飽和水蒸気量と湿度

空気には温度ごとに含めることのできる水蒸気の限界(飽和水蒸気量)があります。温度が下がると限界が下がり、余った水蒸気が凝結して雲や霧になります。

相対湿度 [%]=実際の水蒸気量飽和水蒸気量×100\text{相対湿度 [\%]} = \frac{\text{実際の水蒸気量}}{\text{飽和水蒸気量}} \times 100
  • 上昇気流で空気が上がる → 周囲の気圧が低くなり膨張して冷える → 飽和に達すると水蒸気が凝結し、水滴や氷の粒からなる雲ができる
  • 夏の日中の強い日射し → 地面が熱せられ上昇気流 → 積乱雲(入道雲)→ 午後の雷雨
  • 冬の日本海側の雪:シベリアからの乾燥した季節風が暖かい海面で水蒸気を得て、山脈にぶつかって雪雲になる

露点と凝結量

水蒸気量を変えずに空気を冷やして、初めて飽和する温度が露点です。露点より高い間は、水蒸気が増えなくても冷却により湿度が上がります。露点を下回るまで冷やすと水蒸気の一部が凝結します。計算では「冷やす前の水蒸気量」と「冷やした後の飽和水蒸気量」を比べます。雲は水蒸気そのものではなく、細かい水滴や氷の粒です。

例題:湿度が上がる段階と水滴ができる段階

体積 1 m³ の空気に水蒸気が 12.8 g 含まれている。飽和水蒸気量を 25 ℃で 23.0 g/m³、15 ℃で 12.8 g/m³、5 ℃で 6.8 g/m³ とする。25 ℃での湿度、露点、5 ℃まで冷やしたときに凝結する水の質量を求めよ。体積変化と外部との水の出入りは無視し、十分に時間がたったものとする。

解答・解説

25 ℃での湿度は 12.8 ÷ 23.0 × 100 ≈ **56%**。水蒸気量と飽和水蒸気量が一致する **15 ℃** が露点。5 ℃では水蒸気として残れるのは 6.8 g なので、12.8 − 6.8 = **6.0 g** が凝結する。冷却後の湿度は 100% で、100% を超えたままとは考えない。

練習:水蒸気量と湿度を区別する
  1. 体積 1 m³ の空気に水蒸気が 8.5 g ある。20 ℃の飽和水蒸気量が 17.0 g/m³ のときの湿度は? 30 ℃(飽和水蒸気量 30.0 g/m³)まで温めたらどうなるか。体積変化と外部との水の出入りは無視する。

    解答・解説

    20 ℃では 8.5 ÷ 17.0 × 100 = **50%**。30 ℃では 8.5 ÷ 30.0 × 100 ≈ **28%**。水蒸気の質量は 8.5 g のままでも、飽和水蒸気量が増えるため湿度は下がる。

  2. 北半球の地表付近で、低気圧の中心へ向かう風はどのように吹くか。また、低気圧付近で雲ができやすい理由を述べよ。

    解答・解説

    **反時計回りに吹き込む。**集まった空気が上昇し、周囲の気圧低下に伴って膨張して冷え、飽和に達すると水蒸気が凝結するため。低気圧なら必ず雨が降るわけではなく、水蒸気量などにもよる。

天気図:地表付近の風(北半球)

高気圧では時計回りに吹き出し、低気圧では反時計回りに吹き込みます。高気圧付近は下降気流で晴れやすく、低気圧付近は上昇気流で雲ができやすい傾向があります。等圧線は同じ気圧の地点を結ぶ線で、間隔が狭いほど風が強い傾向があります。風向は風が「吹いてくる方角」で、北風は北から南へ吹く風です。

前線と天気

前線しくみもたらす天気
寒冷前線暖気の下に寒気が潜り込み、暖気が急上昇積乱雲・激しい雨(短時間)が典型。通過後は気温が下がり、天気が回復することが多い
温暖前線寒気の上に暖気がゆっくり登る乱層雲などの層状の雲・広範囲で長時間の雨 → 通過後は気温上昇
例題

30℃・湿度 80% の空気がある。飽和水蒸気量は 30 ℃ で約 30 g/m³ とする。空気 1 m³ 中の水蒸気の質量を求めよ。

解答・解説

水蒸気量は 30×0.8=30 \times 0.8 = **24 g/m³**。したがって 1 m³ 中の水蒸気の質量は **24 g**。

練習問題
  1. 25℃・水蒸気量 23.0 g/m³ の空気がある。飽和水蒸気量が 25 ℃ で 23.0 g/m³ のとき湿度は?

    解答・解説

    23.023.0×100=\dfrac{23.0}{23.0} \times 100 = **100%**。この空気は飽和しており、さらに冷やすと水蒸気の一部が凝結する。

  2. 寒冷前線の接近時に見られる雲の特徴と理由を述べよ。

    解答・解説

    **垂直に発達した積乱雲**。寒気が暖気の下に入り込むため暖気が急激に持ち上げられ、短時間で強い上昇気流が生じるため。

確認クイズ(気象)

問1. 空気の温度が下がると、飽和水蒸気量はどうなるか。

問2. 冬の日本海側に雪を降らせる風は、どこから吹いてくるか。

📝 メモこの端末のみに保存
メモ欄はページ読み込み後に使えるようになります。