市場経済と日本国憲法
価格のしくみ、憲法の三大原理を学ぶ。
- 需要と供給による価格決定を説明できる
- 国民主権・基本的人権・平和主義を説明できる
市場経済のしくみ
市場では需要と供給の関係が価格に影響します。他の条件が同じなら、需要が増えると価格は上がりやすく、供給が増えると下がりやすくなります。価格を手がかりに生産や購入が調整されますが、独占や公的な価格規制などがある場合には単純には当てはまりません。
価格は、売りたい量と買いたい量を調整する手がかり
なぜ値札が変わると品不足が解消することがあるのでしょう。人気のパンでも高くなれば購入を控える人がいる一方、店は増産を考えます。このときの需要量はある価格で買いたい量、供給量はその価格で売りたい量です。単なる「欲しい気持ち」や倉庫にある在庫量とは区別します。他の条件が同じなら、価格の変化を通じて両者が近づく場合があります。
| パン1個の価格(架空) | 1日当たり需要量 | 1日当たり供給量 | 差 |
|---|---|---|---|
| 100円 | 100個 | 40個 | 60個の不足 |
| 150円 | 70個 | 70個 | 一致 |
| 200円 | 40個 | 100個 | 60個の余剰 |
上の表で200円のとき、売りたい量は買いたい量を何個上回るか。価格にどんな圧力が働くと考えられるか。
解答・解説
100−40=60個。売り手に売り残したくないという動機があれば、値下げする圧力が働きうる。ただし必ず値下げするとは限らず、値下げ後は需要量・供給量も変わるので、60個がそのまま売れると断定しない。
市場を支える権利と、生活を支える権利
買った物を持つ権利や仕事を選ぶ自由は、経済活動を支える基礎です。日本国憲法は第22条で職業選択の自由、第29条で財産権を定めています。同時に第25条は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利と、社会福祉・社会保障などの向上に努める国の役割を定めています。市場を動かす自由と、生活を支える公的な仕組みは、どちらか一方だけで考えないことが大切です。
架空の主張「国会の多数が賛成すれば、憲法に反する法律でも有効にできる」を、第98条との関係で検討せよ。
解答・解説
第98条は憲法を最高法規とし、それに反する法律などは効力を持たないと定める。国会が法律を作る権限も憲法によって制約される。したがって多数の賛成だけで憲法違反を正当化できない。個別の法律が違憲かどうかは、具体的な内容と法的な検討が必要。
表で100円のとき、需要量と供給量の差はいくらか。
解答・解説
100−40=60個の不足。買いたい量のほうが多く、他の条件が同じなら値上がりの圧力が考えられる。
表で150円を均衡価格と呼べるのはなぜか。
解答・解説
その価格では需要量と供給量がともに70個で一致するため。この架空モデルの条件のもとでの値である。
「財産権があるので、財産に関する法的制約は一切認められない」という説明は、第29条全体の読み方として適切か。
解答・解説
適切ではない。第1項の保障とともに、第2項は財産権の内容を公共の福祉に適合するよう法律で定めるとし、第3項は正当な補償の下で公共のために用いる場合も定めている。
日本国憲法の三大原理
- 国民主権(前文): 国のあり方を決める権限のもとは国民にある
- 基本的人権の尊重(第11条〜): 生まれながらに持つ侵されない権利
- 平和主義(第9条): 戦争を放棄する
三権分立について、それぞれの機関と役割を答えよ。
解答・解説
**国会(立法権)**法律を作る/**内閣(行政権)**法律に基づいて政治を行う/**裁判所(司法権)**法律を適用して裁判する。互いを抑え合うことで権力の集中を防ぐ(抑制と均衡)。
問1. ある商品が品薄になり需要が供給を上回った。価格はどうなるか。
問2. 日本国憲法の三大原理に含まれないものはどれか。
問3. 法律を作る(立法権をもつ)機関はどこか。