熱化学・酸化還元と電池
反応熱とヘスの法則、酸化数、標準電極電位と電気分解。
反応熱
ヘスの法則: 反応熱は経路によらない。生成熱・燃焼熱を組み合わせて未知の反応熱を組み立てます。
酸化還元
| 意味 | |
|---|---|
| 酸化 | 電子を失う(酸化数が上がる) |
| 還元 | 電子を受け取る(酸化数が下がる) |
| 酸化剤 | 他を酸化する=自分は還元される |
半反応式を書き、電子の収支を合わせてから足し合わせるのがイオン反応式のコツ。たとえば過マンガン酸カリウムの酸性下での還元は MnO₄⁻ → Mn²⁺(5電子受容)。
電池と電気分解
電極電位はどちらも還元方向で定義された値を使います。電気分解の式で I は電流(A)、t は時間(s)、F はファラデー定数(C/mol)、z は生成物1 molに必要な電子の mol 数です。電流がすべて目的の反応に使われると仮定しています。生成物の質量は物質量にモル質量を掛けて求めます。
- ダニエル電池:Zn | Zn²⁺ ‖ Cu²⁺ | Cu、起電力約 1.1 V
- 標準電極電位が大きいほど酸化されにくい(イオンになりにくい)金属
- 電気分解:ファラデーの電気分解の法則。析出量は電気量(クーロン)に比例
硫酸銅(II)水溶液の電気分解で 0.50 A の電流を 193 秒通じた。陰極の電流がすべて銅の析出に使われたと仮定して質量を求めよ(Cu = 63.5,F = 96500 C/mol)。
解答・解説
電気量 C = 0.001 F。Cu²⁺ + 2e⁻ → Cu なので Cu は 0.0005 mol、質量 g ≒ **31.8 mg**
ヘスの法則:式とエンタルピーを一緒に操作する
反応エンタルピー ΔH は、反応式に書かれた係数分の反応に対応します。反応式を逆向きにすれば ΔH の符号を逆にし、係数を2倍にすれば ΔH も2倍にします。固体・液体・気体でエンタルピーが異なるので状態もそろえます。熱量計では周囲が受け取った熱 Q が正でも、熱を放出した反応系の ΔH は負です。
C(黒鉛)+ O₂ → CO₂ の ΔH が −394 kJ、CO + (1/2)O₂ → CO₂ の ΔH が −283 kJ のとき、C(黒鉛)+ (1/2)O₂ → CO の ΔH を求めよ。気体の状態は同じとする。
解答・解説
2番目の式を逆にして1番目に足すと CO₂ が消える。。CO 1 mol の生成は発熱反応。
反応で水100 g の温度が20.0 ℃から25.0 ℃へ上昇した。水の比熱を4.2 J/(g·K)とし、熱損失・容器の熱容量を無視する。水が受け取った熱と反応が放出した熱は?
解答・解説
J = **2.1 kJ**。反応は2.1 kJを放出したので、定圧ならその反応分の ΔH は **−2.1 kJ**。反応量が不明なので kJ/mol にはできない。
電子0.020 mol が陰極で Cu²⁺ の還元だけに使われた。析出した Cu の質量を求めよ(Cu = 63.5)。
解答・解説
Cu²⁺ 1 mol あたり電子2 molが必要。Cu は0.010 molなので g(有効数字2桁では **0.64 g**)。
ダニエル電池の放電で、電子が外部回路を進む方向と正負極の反応を答えよ。
解答・解説
負極Znから正極Cuへ電子が流れる。負極は (酸化)、正極は (還元)。電解質中ではイオンの移動が電荷の偏りを抑える。