仮定法と比較

仮定法過去・過去完了と、比較構文のパターン。

この単元の目標
  • 条件と結果が指す時点から仮定法の形を選べる
  • 混合仮定法を現在・過去の事実と対照して説明できる
  • 比較構文で比較対象と数量の意味を正確に読める
📑 目次
  1. 仮定法
  2. 比較構文
  3. 条件の時点と結果の時点を別々に決める
  4. 比較では同じ種類のものを比べる

仮定法

🔍 なぜ「過去形」が現実と違うことを表すのか——距離の一貫性

  1. Step 1: 時制の距離
    現在形 → 過去形=時間的に遠ざかる\text{現在形 } \to \text{ 過去形} = \text{時間的に遠ざかる}

    I live in Tokyo. → I lived in Tokyo. 過去形は「今ではない場所」へ話題を移す装置です。

  2. Step 2: 現実からの距離にも同じ装置を使う
    If I am rich (現実の可能性)→If I were rich (非現実)\text{If I am rich (現実の可能性)} \to \text{If I were rich (非現実)}

    時間だけでなく現実との心理的な距離も「一段引く」ことで表せる。これが仮定法過去の正体。

  3. Step 3: 二重の距離=仮定法過去完了
    If I had been rich=過去という時点からさらに引く\text{If I had been rich} = \text{過去という時点からさらに引く}

    過去の状況について現実と異なる仮定を示します。過去完了形が時間と現実からの距離を担いますが、「二重の反事実」ではなく、必ずしも後悔を表すわけでもありません。

  4. Step 4: 主節が指す時点も確認する
    would have + 過去分詞\text{would have + 過去分詞}

    主節も過去の結果なら would have+過去分詞。過去の条件から現在の結果を述べる場合は would+原形となる混合仮定法もあり、両節の形が必ずそろうわけではありません。

種類形意味
仮定法過去If S + 過去形, S + would + 動詞原形今は実際に〜でないのに、もし〜なら
仮定法過去完了If S + had + 過去分詞, S + would have + 過去分詞過去に実際に〜しなかったのに、もし〜していたら
仮定法未来If S + should + 動詞原形, 〜万一〜なら

If を使わない仮定法(Without water, no life could exist.)も重要。without / but for +名詞 が If 節の代わりをします。

比較構文

  • as A as B = Bと同じくらいA(原級)
  • the 比較級, the 比較級 = 〜すればするほど
  • no more than / not more than = 数量表現では「たった〜に過ぎない(少なさを強調)」/「多くとも〜(上限)」が基本。文脈によって no more than も上限を表す
  • A is three times as large as B = AはBの3倍の大きさ
例題

「もし昨日彼に会っていたら、このことを伝えていたでしょう。」を英訳せよ。

解答・解説

**If I had seen him yesterday, I would have told him about this.**(仮定法過去完了)

条件の時点と結果の時点を別々に決める

仮定法過去は現在の反事実だけでなく、実現を考えにくい未来の仮定にも使います。形の「過去」と意味の「過去」を混同しないこと。主節の助動詞は結果の見込みなら would、能力・可能性なら could、控えめな可能性なら might などを選びます。条件と結果が違う時点を指す場合もあるので、まず now / yesterday などを手がかりに時点を整理します。

自作例文:過去の選択が今に影響する

実際には昨夜十分に眠らなかったので、今は疲れている。この状況を If で始めて表そう。

解答・解説

If I had slept enough last night, I would not be tired now. 「もし昨夜十分に眠っていたら、今疲れていないだろう」。眠る条件は過去なので had slept、疲れている結果は現在なので would not be。would not have been tired なら過去の結果になります。

比較では同じ種類のものを比べる

比較級は単に than を付ければよいのではなく、比較対象をそろえます。例えば The population of City A is larger than that of City B. では that が the population を受け、「A市の人口」と「B市の人口」を比較します。Aの人口とB市そのものを比べないようにしましょう。また twice as long as は「長さが2倍」であり「2倍分だけ長い」と訳さないこと。

自作例文:上限と実数を区別する

The room can hold not more than twenty people. / Only five people came to the meeting. この2文がそれぞれ述べている数について説明しよう。

解答・解説

第1文は「その部屋は多くとも20人収容できる」で、20人が今いるとは述べていません。第2文は「会議にはたった5人しか来なかった」で、参加者の実数と少なさを述べています。no more than five people came も文脈により後者の少なさを強調できます。

時点と比較対象を確かめる問題
  1. 今はお金が足りない。「もっとお金があれば、その辞書を買えるのに」を If で始めて英訳せよ。

    解答・解説

    例:If I had more money, I could buy the dictionary. 現在の反事実を had で表し、「買うことができる」には could buy を使います。

  2. If we (leave) earlier yesterday, we would have caught the bus. leave を適切な形にし、訳せ。

    解答・解説

    had left。「昨日もっと早く出発していたら、そのバスに間に合っただろう」。条件・結果とも過去の反事実です。

  3. If I had saved the file, I ___ it now. 「保存しておいたら、今それを使えるのに」となるよう can / could use / could have used から選べ。

    解答・解説

    could use。保存は過去、使えるかどうかは現在なので混合仮定法。could have used は過去に使えたはずだという結果になります。

  4. This bridge is twice as long as that one. を訳せ。that one の長さが30mなら this bridge は何mか。

    解答・解説

    「この橋はあの橋の2倍の長さだ」。30×2=60mです。差が60mという意味ではありません。

  5. The population of this town is smaller than the neighboring town. 比較対象をそろえて訂正せよ。

    解答・解説

    The population of this town is smaller than that of the neighboring town. that は the population の代わりで、人口どうしを比較します。

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