評論文の精読と解答技法

概念の定義と論理関係を押さえ、設問に対応する根拠から答える。

この単元の目標
  • 本文での概念の意味を説明できる
  • 主張と根拠・例示を区別できる
  • 設問に対応する記述答案を作れる

本文内の定義と論理を追う

評論で使われる語は、日常の意味より狭く定義されることがあります。「〜とは」「〜と呼ぶ」に注目し、その文章での意味を押さえます。ただし定義の形を取らない主張もあります。段落ごとに、主張・理由・具体例・反論のどの役割を担うかを確認しましょう。

  1. 設問を確認する。「どういうことか」は内容の説明、「なぜか」は理由の説明を求める。
  2. 指示語の候補を前後から探し、置き換えて文の意味が通るか確かめる。距離だけで決めない。
  3. 根拠を前後の段落まで調べ、原因と結果、対比、条件などの関係を整理する。
  4. 必要な語句を使って再構成し、主語・述語の対応、論理、字数条件を点検する。
自作例文:定義を理由につなぐ

「ここでいう自立とは、一人ですべてを行うことではなく、必要な支援を自分で選べることである。相談先が一つしかなければ、合わない助言にも従わざるを得ない。だから相談先を増やすことは自立につながる。」相談先を増やすことが自立につながるのはなぜか。

解答・解説

合わない助言に従うほかない状態を避け、自分に必要な支援を選べるようになるから。「相談先が増える」という事実を繰り返すだけでなく、本文の自立の定義につなげる。

根拠を明示する問題
  1. 上の自作例文で、筆者が否定している「自立」の捉え方を答えよ。

    解答・解説

    一人ですべてを行うこと。「ではなく」によって否定されている側を答える。

  2. 自作例文「記録は記憶を助ける。しかし、記録を残しただけで理解したとはいえない。内容を関連づけて初めて知識になる。」の筆者の主張を説明せよ。

    解答・解説

    記録は記憶の助けにはなるが、理解して知識にするには内容を関連づける必要がある。記録の有用性も認めているため、「記録は無意味だ」とは答えない。

重要語の有無だけで答案の妥当性は決まりません。本文の語を使っても、因果関係が逆なら誤答です。本文にない一般論を付け加えず、設問に答える形で関係まで再現しましょう。
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