二次関数のグラフと最大・最小

平方完成により頂点を求め、変域における最大・最小を考える。

この単元の目標
  • 平方完成によって y = a(x−p)² + q の形に変形できる
  • 変域のある二次関数の最大・最小を求めることができる
📑 目次
  1. 軸からの距離で、端点と頂点を比べる
  2. 平方完成
  3. 変域と最大・最小

軸からの距離で、端点と頂点を比べる

同じ放物線でも、見る範囲を変えると最も低い点は変わります。坂道の底が柵の外なら、柵の中で最も低いのは入口のどちらかです。定義域付きの最大・最小では、まず「頂点まで行けるか」を確認します。

y=a(x−p)²+q の二乗部分は、xと軸pとの距離の二乗です。a>0なら近いほど値が小さく、a<0なら近いほど値が大きい。閉区間では、軸が区間内にあるときだけ頂点を候補に加え、両端の値と比較すれば済みます。

軸が動く問題も距離で考えます。区間[0,4]なら両端から等距離の軸はp=2。a>0の放物線の最大値は、p<2なら右端、p>2なら左端にあり、p=2なら両端で同じです。これは値の大小を式で比較した結果とも一致します。

頂点のy座標がいつでも最小値になるわけではありません。頂点が定義域の外なら候補から外します。また「最大値」と「最大値をとるx」は別の量なので両方を区別して答えましょう。
例題:頂点が範囲の外にあるとき

y=(x−3)²+2、0≤x≤2の最大値と最小値を求めよ。

解答・解説

軸3に最も近いのはx=2、最も遠いのはx=0。最小値は3(x=2)、最大値は11(x=0)。頂点の値2はこの定義域ではとれません。

例題:軸が動くと最大値はどちらの端か

y=(x−p)²、0≤x≤4の最大値をpで場合分けせよ。

解答・解説

端点の値はp²と(4−p)²。右端−左端=16−8pなので、p<2では(4−p)²(x=4)、p>2ではp²(x=0)。p=2では最大値4を両端でとります。

練習:判断の理由も確かめよう
  1. y=−(x−1)²+5、−1≤x≤2の最大・最小は。

    解答・解説

    軸が区間内なので最大値5(x=1)。軸から遠い端は−1なので最小値1(x=−1)。

  2. y=(x+2)²−1、0≤x≤3の最大・最小は。

    解答・解説

    軸−2は範囲外。近いx=0で最小値3、遠いx=3で最大値24。

  3. y=(x−p)²、0≤x≤4で最小値が0となるpの範囲は。

    解答・解説

    0≤p≤4。二乗が0となるx=pを、定義域内で選べることが必要十分です。

平方完成

y=ax2+bx+cy = ax^2 + bx + c(a≠0a \ne 0)を頂点の形に変形する手続きが平方完成です。二乗の項を作ることで、頂点と軸の位置を式から読み取れます。

y=ax2+bx+c=a(x+b2a)2+4ac−b24ay = ax^2 + bx + c = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 + \frac{4ac - b^2}{4a}

🔍 平方完成はなぜ「頂点の形」になるのか——導出

  1. Step 1: x² の項にまとめる
    ax2+bx=a(x2+bax)ax^2 + bx = a\left(x^2 + \frac{b}{a}x\right)

    まず x2x^2 の係数 a を括り出す。中身の一次の項は (b/a)x(b/a)x となる。

  2. Step 2: 完全平方をつくる
    x2+bax=(x+b2a)2−(b2a)2x^2 + \frac{b}{a}x = \left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 - \left(\frac{b}{2a}\right)^2

    「一次の係数の半分」を足して2乗し、余分に加えた分を引いて帳消しにする。これが完全平方の核心。

  3. Step 3: 元に戻す
    y=a(x+b2a)2−b24a+c=a(x+b2a)2+4ac−b24ay = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 - \frac{b^2}{4a} + c = a\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 + \frac{4ac - b^2}{4a}

    −(b/(2a))2-(b/(2a))^2 を a 倍すると −b24a-\frac{b^2}{4a}。これを c と通分する。頂点は (x,y)=(−b2a,4ac−b24a)(x, y) = (-\frac{b}{2a}, \frac{4ac-b^2}{4a})。

例題(平方完成)

y=x2−4x+1y = x^2 - 4x + 1 を平方完成せよ。

解答・解説

y=(x−2)2−3y = (x - 2)^2 - 3。頂点 (2,−3)(2, -3)、軸 x=2x = 2

変域と最大・最小

定義域(x の変域)が制限されると、放物線の一部だけを考えます。頂点が変域に含まれるかが最大最小の分かれ目です。

例題

y=x2−2x−1y = x^2 - 2x - 1 (−1≤x≤3-1 \le x \le 3) の最大値・最小値を求めよ。

解答・解説

平方完成すると y=(x−1)2−2y = (x-1)^2 - 2。頂点 x=1x=1 は変域内なので**最小値 −2 (x=1x=1)**。両端の値は x=−1x=-1: 22、x=3x=3: 22 より**最大値 2**

頂点 (0,0)(0, 0)、軸 x=0x = 0

x軸との共有点:x = 0, 0

p を動かすと平行移動、q を動かすと上下移動、 a を動かすと開く方向と放物線の開き具合が変わります。

プレイグラウンド: 頂点と軸の位置関係を動かして確認
📝 メモこの端末のみに保存
メモ欄はページ読み込み後に使えるようになります。