電場・電位とコンデンサー

クーロンの法則から電場・電位へ、平行板コンデンサーの性質を学ぶ。

この単元の目標
  • 電場と電位の関係を使える
  • コンデンサーの容量と蓄えられるエネルギーを計算できる
📑 目次
  1. クーロンの法則と電場
  2. 電位
  3. コンデンサー

クーロンの法則と電場

F=14πε0∣q1q2∣r2,E⃗=F⃗qF = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\frac{|q_1 q_2|}{r^2}, \qquad \vec{E} = \frac{\vec{F}}{q}

F は真空中の2点電荷間の力の大きさ。同符号なら反発、異符号なら引力です。電場 = 試験電荷が受ける力 ÷ その電荷。点電荷 Q のつくる電場の大きさは E=k∣Q∣/r2E = k|Q|/r^2 で、正の Q からは外向き、負の Q へは内向きです。試験電荷 q はもとの電荷分布を変えないほど小さいものとします。

電位

U=qV,WA→B電場=q(VA−VB),Ex=−dVdxU=qV, \qquad W_{A\to B}^{\text{電場}}=q(V_A-V_B), \qquad E_x=-\frac{dV}{dx}

電位 V は単位電荷あたりの位置エネルギー。電場は電位が下がる方向を向き、正電荷への力はその向き、負電荷への力は逆向きです。外力でゆっくり運ぶときの仕事は W外力=q(VB−VA)W_{\text{外力}}=q(V_B-V_A) で、電場の仕事とは符号が逆。一様電場では Ex=−ΔV/ΔxE_x=-\Delta V/\Delta x、電場に沿って距離 d 離れた2点の電位差の大きさは Ed です。1 eV は電気素量 e の電荷が 1 V の電位差で得るエネルギーで、約 1.60×10⁻¹⁹ J。

電位差で加速される電子——負号を仕事から判断する

電子(電荷 −e-e)が静止状態から、電位が 200 V 高い点へ移動した。電気力以外の力を無視して、運動エネルギーの増加を求めよ。e=1.60×10−19e=1.60\times10^{-19} C とする。

解答・解説

電位が上がっても、負電荷の位置エネルギーは下がります。ΔU=qΔV=(−1.60×10−19)×200=−3.20×10−17\Delta U=q\Delta V=(-1.60\times10^{-19})\times200=-3.20\times10^{-17} J。エネルギー保存より ΔK=−ΔU=3.20×10−17\Delta K=-\Delta U=3.20\times10^{-17} J(200 eV)。正電荷と電子で加速される向きが逆になることも確認できます。

コンデンサー

Q=CV,U=12CV2,C=εSdQ = CV, \qquad U = \frac{1}{2}CV^2, \qquad C = \varepsilon\frac{S}{d}

🔍 なぜコンデンサーのエネルギーが ½CV² になるのか

  1. Step 1: 充電に必要な仕事を考える
    dW=V(q) dqdW = V(q)\,dq

    電荷を少しずつ運ぶときの仕事=その瞬間の電圧 × 運ぶ電荷。電圧は充電が進むほど上がる点がポイント。

  2. Step 2: 電圧は電荷に比例(V = q/C)
    V(q)=qCV(q) = \frac{q}{C}

    Q = CV を書き換えたもの。q = 0 で V = 0、満充電で最大。

  3. Step 3: 0 から Q まで積分
    W=∫0QqC dq=Q22CW = \int_0^Q \frac{q}{C}\,dq = \frac{Q^2}{2C}
  4. Step 4: Q = CV を代入
    U=W=(CV)22C=12CV2U = W = \frac{(CV)^2}{2C} = \frac{1}{2}CV^2

    容量 C が一定なら電圧は 0 から V まで比例して増えるので、平均電圧 V/2 に電荷 Q を掛ける。ばねのエネルギー kx²/2 と同じ三角形の面積の構造です。一定の重力に逆らう仕事 mgh には 1/2 は付きません。

  • 並列: 容量の和 C=C1+C2C = C_1 + C_2(電圧は共通)
  • 直列: 1C=1C1+1C2\frac{1}{C} = \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2}(中間の導体が初めに電気的に中性なら電荷の大きさが共通)
  • 平行板の C = εS/d は端の電場の乱れを無視し、極板間を一様な誘電体が満たす場合。誘電率 ε を大きくすると容量は増える
例題

容量 2 μF のコンデンサーを 100 V で充電した。蓄えられる電荷とエネルギーを求めよ。

解答・解説

Q=CV=2×10−6×100=200Q = CV = 2 \times 10^{-6} \times 100 = 200 μC、U=12CV2=10−2U = \tfrac{1}{2}CV^2 = 10^{-2} J

練習問題
  1. 距離 rr を 2 倍に離したとき、2 点電荷間にはたらくクーロン力は何倍になるか。

    解答・解説

    F∝1r2F \propto \dfrac{1}{r^2} より **1/4 倍**。逆二乗則なので距離の2乗に反比例します。

  2. 平行板コンデンサーの極板間距離を半分にしたとき、容量はどうなるか。

    解答・解説

    C=εS/dC = \varepsilon S/d の dd が 1/2 になるので **2 倍**。

  3. +2 C の電荷を、低い電位の点から 500 V 高い点へゆっくり運ぶ。電気力以外の抵抗を無視して、外力のする仕事を求めよ。

    ヒント

    W=qVW = qV

    解答・解説

    W=qV=2×500=1000W = qV = 2 \times 500 = 1000 J

確認クイズ(電場とコンデンサー)

問1. 一様な電場の中で電子が受ける力の向きは?

問2. コンデンサーを充電後に電池から切り離し、電荷が漏れない状態で極板間に誘電体を挿入した。電荷 Q はどうなるか。

問3. コンデンサー2個を直列にしたときの合成容量は?

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