波と音——周期・波長・重ね合わせ

波を伝える媒質の振動と波の進行を区別し、v = fλ と音の反射・共鳴を使う。

この単元の目標
  • 振幅・周期・振動数・波長を区別し、波の速さを計算できる
  • 横波と縦波の違いを、媒質の振動方向から説明できる
  • 重ね合わせ・反射・定在波と音の共鳴を説明できる
📑 目次
  1. 移動するのは「振動の状態」
  2. 重ね合わせと反射
  3. 音の反射・共鳴・うなり

移動するのは「振動の状態」

波は振動の状態が次々に伝わる現象です。ひもを伝わる波では、ひもの各部分(媒質)はつり合い位置の近くで振動し、波と一緒に端から端へ運ばれるわけではありません。横波は振動方向が進行方向に垂直、縦波は平行です。空気中の音は空気の圧縮・膨張が伝わる縦波で、媒質がない真空中では伝わりません。

量意味単位
振幅 Aつり合い位置からの変位の最大の大きさ(山から谷の差は 2A)m
周期 T媒質の一点が1回振動する時間s
振動数 f1秒間の振動回数(周波数ともいう)Hz = 1/s
波長 λ同じ時刻で、隣り合う山と山など同じ振動状態の点の間隔m

🔍 波の速さを周期と波長から求める

  1. 振動数と周期は逆数
    f=1Tf=\frac{1}{T}

    例えば1回が0.20秒なら、1秒で5回振動します。

  2. 1周期の間に、波形は1波長だけ進む
    v=λT=fλv=\frac{\lambda}{T}=f\lambda

    v は波形の進む速さで、媒質の各点が振動する速さとは別です。

ある瞬間の変位と位置のグラフから読むのは波長、ある一点の変位と時刻のグラフから読むのは周期です。空気の同じ温度・状態では音速はほぼ一定なので、高い音ほど振動数が大きく、波長は短くなります。大きい音が速く進むという意味ではありません。

スライダーを動かすと、係数 a, b, c の効果がリアルタイムでわかります。 特に a の符号(下に凸/上に凸・振幅の向き)と c の平行移動に注目しましょう。

ある瞬間の横波の形として読む正弦グラフ。x を位置、y を変位とすると、c = 0・a > 0・b > 0 では振幅 a、波長 2π/b。b を2倍にして山の間隔が半分になるか確かめよう(時間発展のシミュレーションではありません)。
例題1:振動数と音の波長

1回の振動に 2.0 ms かかる音が、音速 340 m/s の空気中を伝わる。振動数と波長を求めよ。

解答・解説

まず T=2.0×10−3T=2.0\times10^{-3} s と換算する。f=1/T=f=1/T= **500 Hz**、λ=v/f=340/500=\lambda=v/f=340/500= **0.68 m**。ms を s に直さないと1000倍ずれます。

重ね合わせと反射

小振幅の波では、二つの波が重なる点の変位は各波の変位の和になります(重ね合わせの原理)。変位が同じ向きなら強め合い、逆向きなら弱め合います。例えば +2 cm と −1 cm が重なれば +1 cm です。ひもの波は、端を動かせない固定端で反射すると変位の向きが反転し、端が横に自由に動ける自由端では反転しません。

y=y1+y2y=y_1+y_2

同じ振動数・波長・振幅の二つの正弦波が逆向きに進むと、節(いつも変位が0の点)と腹(振幅最大の点)の位置が動かない定在波ができます。隣り合う節の間隔は λ/2、節と隣の腹の間隔は λ/4 です。二つの波の波長が同じだけでは定在波になるとは限りません。

音の反射・共鳴・うなり

やまびこは音の反射です。往復時間を測るなら、音が進んだ道のりは反射面までの距離の2倍になります。物体や空気柱には振動しやすい固有振動数があり、外から加える振動数がそれに近づくと大きく振動する現象を共鳴といいます。

片端を閉じた一様な管の空気柱では、閉端が空気の変位の節、開端付近が変位の腹になります。開口端補正を無視すると、最も低い固有振動(基本振動)で管長 L = λ/4。ここで「変位の節・腹」と「圧力変化の節・腹」は逆になるので、何を図示するかを確認します。

f1=v4L(片端閉管、開口端補正を無視)f_1=\frac{v}{4L}\qquad\text{(片端閉管、開口端補正を無視)}
例題2:閉管の基本振動

長さ 0.85 m の片端閉管の基本振動数を求めよ。音速は 340 m/s、開口端補正は無視する。

解答・解説

基本振動では λ=4L=3.4\lambda=4L=3.4 m なので、f1=340/3.4=f_1=340/3.4= **100 Hz**。管内には波長の1/4が収まります。

振動数がわずかに異なる二つの音を同時に聞くと、強め合う状態と弱め合う状態が周期的に入れ替わり、音の大きさが変動するうなりが生じます。1秒間のうなりの回数は二つの振動数の差の絶対値です。

fうなり=∣fa−fb∣f_{\text{うなり}}=|f_a-f_b|
練習問題(波と音)
  1. 波長 0.80 m、振動数 5.0 Hz の横波の速さと周期を求めよ。

    解答・解説

    v=fλ=5.0×0.80=v=f\lambda=5.0\times0.80= **4.0 m/s**、T=1/f=T=1/f= **0.20 s**。

  2. 音速 340 m/s のとき、発声から 0.60 s 後に壁からの反射音を聞いた。壁までの距離を求めよ。自分は静止し、音源と耳の位置の差は無視する。

    解答・解説

    音は往復するので、2d=340×0.602d=340\times0.60。d=d= **102 m**(約 1.0×1021.0\times10^2 m)。204 m は往復の道のりです。

  3. 長さ 0.50 m の片端閉管の基本振動数を求めよ(音速 340 m/s、開口端補正なし)。また、440 Hz と 444 Hz の音のうなりは1秒間に何回か。

    解答・解説

    f1=340/(4×0.50)=f_1=340/(4\times0.50)= **170 Hz**。うなりは ∣444−440∣=|444-440|= **4回/秒**。閉管の周期と、別の二音のうなりの周期を混同しないこと。

確認クイズ

問1. 同じ温度の空気中で、音の振動数を2倍にした。波長はどうなるか。

問2. 空気中の音は縦波である。この意味は?

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