地球の歴史とプレート運動
地質年代の区分と、プレートテクトニクスによる大地の変動を学ぶ。
- 地質年代の順序と代表的な出来事を説明できる
- プレート境界の種類と地震・火山との関係を区別できる
- 移動速度と時間から距離を単位をそろえて計算できる
見ていない過去を、なぜ読み解けるのか
地層や岩石は、過去の出来事が残した記録です。積み重ねた新聞では下のものほど先に置かれたと分かるように、地層も逆転などがなければ下ほど古いと考えます。さらに地層を切る断層は、切られた地層ができた後に動いたはずです。このような前後関係による年代を相対年代、何年前かという数値で示す年代を数値年代として区別します。
| 証拠 | 推定できること | 条件・限界 |
|---|---|---|
| 地層の上下 | 堆積の前後関係 | 地層が逆転していないか確認する |
| 断層や岩脈が切る関係 | 切った出来事のほうが後 | どの地層まで切るかを読む |
| 放射性同位体の比 | 適切な条件で鉱物などの年代 | 形成後の物質の出入りや初期状態を確認する |
| 海嶺からの距離と海底の年代 | 海底拡大の向きや平均速度 | 一定速度という近似と測る方向を確認する |
放射性の親核種が減っていく速さには、一定割合が半分になる時間である半減期という尺度があります。個々の原子がいつ変化するかは予測できませんが、多数の原子の割合には規則があります。残量の割合が 1/2、1/4、1/8 なら、それぞれ半減期 1 回、2 回、3 回分です。実際の年代測定では親核種と生成した子核種などを測り、初期量や閉鎖系であったかを検討します。
T は半減期、t は経過時間で、年なら両方を年にそろえます。この式は親核種の外部からの出入りがなく、一定の崩壊則に従う場合の残量 N を表します。地球の歴史では相対年代でつくった順序を、年代の求まる火山灰などと結びつけることが大切です。どんな堆積岩でも構成粒子の年代を測れば堆積した時刻が直接分かる、というわけではありません。
海底の模様は動いた証拠になる
海嶺付近でできた岩石には、冷えたときの地磁気の向きが記録されることがあります。地磁気の逆転を反映したしま模様が海嶺の両側におおむね対応し、岩石の年代も海嶺から離れるほど古くなることが、海底拡大を支持します。一つのしまだけではなく、年代・分布・測地観測などの独立した証拠を組み合わせてプレート運動を確かめます。
逆転のない地層 A(下)と B(上)を断層 F が切っている。両地層はその後削られ、その面を覆う地層 C は F に切られていない。この観察で記録される出来事を古い順に並べよ。
解答・解説
**A の堆積 → B の堆積 → F の断層運動 → 侵食 → C の堆積**。F は B より後で、覆う C より前の出来事として読める。ただし、ここに記録されないさらに古い断層運動まで否定したり、各出来事の年数を決めたりはできない。
説明用の親核種の半減期を 1000 万年とする。ある鉱物に含まれる親核種が形成時の 25 % になった。形成後に親核種の出入りがなく、初期量が分かるという条件なら、何年経過したか。
解答・解説
25 % = 1/4 = (1/2)² なので半減期 **2 回分**。1000 万年 × 2 = **2000 万年**。75 % 減ったから半減期の 1.5 倍、とはしない。毎回「その時点の残量」の半分が減るためである。
半減期 500 万年の親核種が初期量の 12.5 % 残る。出入りがなく初期量が分かるとき、経過時間は何年か。
解答・解説
12.5 % = 1/8 = (1/2)³ なので 500 万年 × 3 = **1500 万年**。半減期 3 回分を数える。
海嶺から片側に 120 km 離れた海底の年代が 600 万年前だった。海嶺が固定され、直線的に一定速度で広がった近似では片側の速度は何 cm/年か。
解答・解説
120 km = 12,000,000 cm。12,000,000 ÷ 6,000,000 = **2 cm/年**。これは片側の速度であり、両側の 2 点が離れる相対速度とは区別する。
火成岩の岩脈 D が地層 E と G の両方を切る。D、E、G のうち、この情報だけで最も新しいといえるのはどれか。E と G の前後も分かるか。
解答・解説
**D**。切られる地層が先に存在している必要がある。E と G の相互の前後は、上下関係など別の情報がなければ決められない。
問1. 相対年代が直接示すものはどれか。
問2. 閉鎖系で親核種が初期量の 1/8 になるのは半減期何回分か。
問3. 海底拡大を支持する観察はどれか。
地質年代
| 年代 | 始まり | 生物の指標 |
|---|---|---|
| 先カンブリア時代 | 約46億年前 | 生命の誕生、シアノバクテリア |
| 古生代 | 約5.4億年前 | カンブリア大爆発、三葉虫 |
| 中生代 | 約2.5億年前 | 恐竜、アンモナイト |
| 新生代 | 約6600万年前 | 哺乳類の繁栄、人類の出現 |
プレートテクトニクス
プレートは地殻と最上部マントルからなる硬い岩盤(リソスフェア)で、その下の長時間では変形しやすい層の上を、一般に年に数 cm 程度動きます。海洋地殻は海嶺で生まれ、沈み込み帯で地球内部へ戻るため、現在の海洋底の大部分は約 2 億年より若いものです。海洋プレートは大陸側だけでなく、別の海洋プレートの下にも沈み込みます。すべてのプレート境界が海溝になるわけではありません。
| 境界の種類 | 運動と特徴 | 代表例 |
|---|---|---|
| 広がる境界 | プレートが離れ、マグマが上昇して海洋地殻をつくる | 大西洋中央海嶺 |
| せばまる境界(沈み込み) | 海洋プレートが沈み、海溝・地震・火山帯ができる | 日本海溝と日本列島 |
| せばまる境界(大陸同士の衝突) | 浮力の大きい大陸地殻同士が押し合い、厚くなって山脈をつくる | ヒマラヤ山脈 |
| ずれる境界 | プレート同士が横にすれ違い、地震が起こる | サンアンドレアス断層 |
沈み込み帯の火山は、単にプレート同士の摩擦で岩石が溶けてできるのではありません。沈むプレートから放出された水などが上側のマントルの融け始める温度を下げ、部分的な融解を起こすことが重要です。また、年代の判定では、広い地域に分布し生存期間が短い示準化石を使います。サンゴなど当時の環境を推定する示相化石とは、主な利用目的が異なります。
プレート上のある地点が固定した基準に対して年 4 cm の一定の速さで移動したとする。500 万年で何 km 移動するか。
解答・解説
4 × 5,000,000 = 20,000,000 cm。1 km = 100,000 cm なので、20,000,000 ÷ 100,000 = **200 km**。実際の速度や向きは変化するが、長い時間にわたる小さな運動が大きな地形変化につながる。
古生代・新生代・中生代を古い順に並べ、中生代と新生代の境界のおよその年代を答えよ。
解答・解説
古生代 → 中生代 → 新生代。中生代と新生代の境界は約 6600 万年前で、鳥類以外の恐竜やアンモナイトなどが絶滅した時期にあたる。
海嶺をはさんだ 2 点が、それぞれ海嶺から反対向きに年 2 cm ずつ遠ざかる。100 万年間の 2 点間の距離の増加は何 km か。
ヒント
2 点の相対的な速さは足し合わせる。
解答・解説
2 + 2 = 4 cm/年で離れる。4 × 1,000,000 = 4,000,000 cm = **40 km**。片側だけの移動距離 20 km と混同しない。
「せばまる境界では必ず海溝ができる」は正しいか。例を挙げて説明せよ。
解答・解説
誤り。大陸同士が衝突するヒマラヤでは、大陸地殻が押し縮められて山脈ができる。海溝は主に海洋プレートが沈み込む境界で見られる。