行列と固有値問題
連立一次方程式の解法から固有値・対角化まで。
- 掃き出し法で連立一次方程式を解ける
- 固有値・固有ベクトルを求め、対角化できる
連立一次方程式と掃き出し法
拡大係数行列に行基本変形(行の非零定数倍・行の入れ替え・他の行の定数倍の加算)を繰り返して階段形にするのがガウスの消去法。零倍は元の情報を失うので使えません。 のような矛盾行があれば不能、矛盾がなく自由変数があれば不定、自由変数がなければ一意解です。以下の行列式と固有値では を 次正方行列とします。
行列式
固有値・固有ベクトルと対角化
n 個の独立な固有ベクトルがとれると (対角化)。冪の計算 や、連立微分方程式・マルコフ連鎖の定常状態に応用されます。
の固有値を求めよ。
解答・解説
より ****
🔍 固有ベクトルを並べるとなぜ対角化できるのか
- 独立な固有ベクトルを列に並べる
各 は零ベクトルでなく、 を満たします。独立性により は逆行列をもちます。
- 列ごとに掛け算を比べる
右から対角行列を掛けると、各列が対応する対角成分倍になります。
- 基底変換として読み取る
固有ベクトルを座標軸に選べば、変換は各軸方向の定数倍だけになります。重複固有値があっても、独立な固有ベクトルが n 本あれば対角化できます。
の固有値と固有ベクトルをすべて求めよ。
ヒント
固有方程式は 。トレース 7、行列式 10。
解答・解説
より 。: は なので 。: なので 。いずれも 。**固有ベクトルはそれぞれ , の非零定数倍**
は対角化できるか。理由つきで答えよ。
ヒント
固有値が重複したときは、独立な固有ベクトルがいくつ取れるかを見る。
解答・解説
固有方程式は で重解 。しかし は しか課さず、独立な固有ベクトルは の 1 本しかない。**独立な固有ベクトルが n 本そろわないので対角化不能**(ジョルダン標準形が必要になる典型例)
掃き出し法で を解け。
ヒント
1 行目を基準に 2 行目から x を消す。
解答・解説
1 行目の 3 倍を 2 行目から引くと 、よって 、。****。係数行列の行列式 なので解が一意に存在することとも整合する