Q. なぜ英語のつづり(スペリング)は不規則なの? A. 発音の変化、他言語からの借用、語源に合わせたつづりの変更などが重なったためです。15〜17世紀ごろに進んだ大母音推移では主に長母音が変化しました。1476年のキャクストンの印刷所開設後も、つづりの標準化は長い時間をかけて進みました。knight の k や gh が読まれなくなったのは子音の変化で、大母音推移だけでは説明できません。
Q. 英語の I(私)はなぜいつも大文字なの? A. 中英語には ich などの形があり、それが短くなって一文字の i になりました。写本で一文字の i を見分けやすくするため大きく書く習慣が広がった、という説明がよくされます。長い時間をかけて定着した表記慣習で、「英語では自分が一番偉いから」という説明には根拠がありません。
Q. 英語の単語の多くは実はフランス語やラテン語なの? A. 英語はゲルマン語派の言語ですが、フランス語やラテン語から多くの語を借用しています。1066年のノルマン征服後のフランス語との接触も重要でした。例えば beef はフランス語経由、cow はゲルマン語系です。ただし語源の割合は辞書と数え方で変わり、辞書の項目数の比率と日常会話の使用頻度は別です。beef と cow の意味の分担も歴史の中で変化しました。
Q. シェイクスピアは本当に大量の新しい単語を作ったの? A. 多くの語や表現について、辞書が彼の作品を早い用例として挙げてきました。ただし「現存資料で最初に見つかった用例」と「本人が作った語」は別です。それ以前の話し言葉にあった可能性も、新しい資料の調査でさらに古い用例が見つかる可能性もあります。造語数を確定的に数えるのは難しいのです。
Q. a と an はどうやって使い分けるの? A. 次に来る語の「発音」が子音なら a、母音なら an です。したがって h を発音しない hour は an hour、ju: の音で始まる university は a university になります。つづり字ではなく音が基準というのがポイントです。
Q. イギリス英語とアメリカ英語でつづりが違うのはなぜ? A. かつて並存したつづりが地域ごとに異なる形で定着したことなどによります。ノア・ウェブスターの辞書は、color や center のような形をアメリカで広めるのに大きな役割を果たしました。ただしそれらをすべて彼が発明したわけではなく、英米の違いが一人の改革だけで決まったわけでもありません。
Q. 「OK」の語源は何? A. 有力な説明は、all correct をわざと oll korrect とつづった冗談の略語です。1839年のボストンの新聞に用例があります。翌年の大統領選で、マーティン・ヴァン・ビューレンのあだ名 Old Kinderhook と結びついたことも普及に関わったとされます。語源を調べるときは、面白い説だけでなく年代の分かる用例を確かめることが重要です。
Q. good-bye の語源は「神」と関係あるって本当? A. 本当です。God be with ye(神のご加護を)が短縮され、16世紀ごろの godbwye を経て goodbye になりました。日常の別れの挨拶の中に、宗教的な祈りの言葉が化石として残っている例です。
Q. 英語で一番長い単語は何? A. どこまでを一語として数えるかで答えが変わります。大型辞書に載る長語として pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis(45文字)が有名です。珪肺を表すために人工的に作られた語で、日常的な医学用語とは言いにくいものです。化学物質の体系名まで含めるのか、ハイフンをどう扱うのかなど、比較の条件をそろえる必要があります。
Q. なぜ英語では相手に広く you を使うの? A. 中英語・初期近代英語には thou と ye/you の使い分けがあり、単数・複数に加えて、丁寧さや親しさ、社会関係も関わりました。後に標準英語では you が広く使われるようになりました。ただし英語に敬意の表し方がないわけではありません。敬称、Could you ...? などの依頼表現、語の選び方で相手への配慮を表せます。
Q. 英語はなぜ国際的に広く使われるの? A. イギリスの植民地支配や交易、アメリカの経済・科学・文化的な影響が大きく関わりました。さらに教育や国際組織、インターネットでの利用が広がりを支えています。英語そのものが他の言語より優れている証拠ではなく、歴史や社会の条件によるものです。英語だけで世界のすべての人と話せるわけでもありません。
Q. サンドイッチやボイコットは本当に人名が語源? A. sandwich は18世紀の第4代サンドイッチ伯爵の称号と結びつく名前です。ただし「賭博を中断しないために発明した」という有名な逸話は、確定した事実と区別しましょう。パンに具を添えて食べる習慣はそれ以前にもありました。boycott は1880年のアイルランドで、土地管理人チャールズ・ボイコットへの組織的な取引拒否に由来します。
Q. 母語話者が最も多い言語は英語? A. 多くの統計では、母語話者数は中国語の官話(マンダリン)が英語を上回ります。官話は北京の地域の言葉だけを指すわけではありません。第二言語話者を含める集計では英語が最大級になりますが、人数や順位は調査年、言語のまとめ方、「話せる」とする基準で変わります。数字を見るときは何を数えた統計かを確かめましょう。
Q. 英語の疑問文はなぜ語順が変わるの? A. 多くの直接疑問文では、助動詞を主語の前に置く規則があります。You can swim. → Can you swim? が例です。一般動詞の現在形・過去形で助動詞がなければ do/does/did を使い、She likes tea. → Does she like tea? とします。ただし主語を尋ねる Who likes tea? や間接疑問の I know where she lives. ではこの倒置をしません。普通の否定文も主語と助動詞は逆になりません。
Q. なぜ英語には発音されない黙字が多いの? A. psychology の p のように、語源を示すために残された文字や、かつて発音されていた音の痕跡が多数あるためです。16世紀以降、ラテン語やギリシャ語に似せるために不要な字母を書き足す「語源的つづり」が流行し、発音との乖離はさらに広がりました。
Q. 英語の「時制」はなぜあんなに複雑なの? A. 教材で「時制」とまとめるものには、時制と相(出来事の進み方の捉え方)などが含まれます。動詞の形による現在・過去の区別に注目すると、英語を二つの時制で説明する文法もあります。I walked. は過去、I was walking. は過去に進行中、I have walked. は以前の経験などを現在と結びつける表現です。未来を示す will などもあり、分類の基準なしに「必ず16通り」とは言えません。