図形の移動——平行移動・対称移動・回転移動
移動しても図形の形と大きさは変わらない(合同)。点の座標の変化の規則を表で整理し、回転 90° の規則を自力で導出できるようにする。
- 平行移動・対称移動・回転移動における点の座標の変化の規則を即座に言える
- 移動によって図形の形状・大きさ・向きのどこが変わるかを説明できる
- 原点のまわり 90° の回転 を三平方の定理を使って導出できる
移動と座標の規則
回す向きと中心がないと移動は決まらない
時計の針を90°動かすとき、右へ回すか左へ回すかで止まる場所は変わります。また紙の角を押さえて回す場合と中央を押さえて回す場合も違います。回転を正しく伝えるには「中心・角度・向き」の3つが必要です。このレッスンで原点のまわり90°とだけ書く箇所は、反時計回りを意味します。270°も反時計回りで、時計回り90°と同じ到着点になります。
対称移動は鏡の向こうの点を探す操作です。点と移った点を結ぶ線分を、対称の軸が垂直に二等分します。たとえば縦の直線 x=2から右に3離れた点は、左に3離れた点へ移ります。原点や座標軸だけでなく、どの位置の鏡でも「軸から同じ距離」が基本です。
点P(5, −1)を直線 x=2について対称移動した点Qを求めよ。
解答・解説
Pは軸の右に5−2=3だけ離れています。Qは左に3なのでx座標は2−3=−1、y座標は変わらず−1。Q(−1, −1)です。中点のx座標は(5+(−1))÷2=2で軸上にあります。
点P(3, 2)をC(1, 1)のまわりに反時計回り90°回転した点Qを求めよ。
解答・解説
Cを基準にしたPの位置は(3−1, 2−1)=(2, 1)。これを90°回すと(−1, 2)。中心の座標を戻してQ(1−1, 1+2)=Q(0, 3)です。中心から見て右2・上1が、左1・上2になります。
手を動かすときは方眼紙に中心や軸を先に書きます。回転では「中心を原点だと思った相対的な位置→回転→元の座標へ戻す」、対称移動では「軸からの距離→反対側の同じ距離」と順に処理します。最後に距離が保たれているかを確認します。ただし距離が合うだけでは不十分なので、向きも図で確認しましょう。
点(2, 5)を原点のまわりに時計回り90°回転した点を求めよ。
解答・解説
(5, −2)です。時計回りでは(x, y)→(y, −x)。反時計回りの答え(−5, 2)と区別します。
点(−2, 4)を直線 y=1について対称移動した点を求めよ。
解答・解説
(−2, −2)です。軸より上に4−1=3なので、移動後は下に3、y=1−3=−2。x座標は変わりません。
点(4, 0)を中心C(1, −1)のまわりに180°回転した点を求めよ。
解答・解説
中心からの相対的な位置は(3, 1)。180°回転で(−3, −1)になるので、中心の座標を戻すと(−2, −2)です。元の点と移動後の点の中点はCになります。
図形を動かしても形と大きさは変わらない(移動の前後で図形は合同)というのが大前提です。変わるのは位置(と、対称移動・回転移動では向き)だけです。座標平面上では、移動は「点の座標の変換規則」として書き表せます。規則を丸暗記するだけでなく、なぜそうなるのかを導出できるようになりましょう。
| 移動の種類 | 座標の変化 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 軸方向に 、 軸方向に の平行移動 | ただの足し算 | |
| 軸について対称(折り返し) | の符号だけ変わる | |
| 軸について対称 | の符号だけ変わる | |
| 原点について対称 | 180° の回転と同じ結果 | |
| 直線 について対称 | と を入れ替える | |
| 原点のまわり 90° の回転 | 符号反転+成分入れ替え |
なぜ 90° 回転で符号が入れ替わるのか
回転移動の規則は一見魔法のように見えますが、三平方の定理と「回転は原点からの距離を変えない」という性質から導けます。第一象限の点を例にとって、じっくり追いかけてみましょう。
🔍 原点のまわり 90° 回転 $(x, y) \to (-y, x)$ の導出
- Step 1: 第一象限の点 P を用意する
原点 O からの距離は三平方の定理で と書けます。
- Step 2: 距離の式
回転しても長さは変わらないので、回転後の点 についても が成り立ちます。
- Step 3: 90° 回すと第二象限へ
回転後の点は必ず第二象限に来ます。つまり新しい 座標 は負、新しい 座標 は正です。
- Step 4: 直角三角形の写し替え
∠POQ が 90° なので、もとの直角三角形を 90° 回転させた形がそのまま新座標に写ります。新しい横の長さはもとの縦(符号を変えて負)、新しい縦の長さはもとの横です。
- Step 5: 結論と拡張
逆向きの 90°(270°)なら 、180° は 90° を 2 回なので (原点対称と一致)になります。
△ABC の頂点が 、、 である。まず 軸方向に 、 軸方向に の平行移動をしてから、 軸について対称移動したときの 3 頂点の座標を求めよ。
解答・解説
平行移動後は 、、。 軸対称で の符号を反転すると **、、**
点 を 軸について対称移動した点の座標を求めよ。
解答・解説
の符号が変わるので ****
点 を原点のまわり 180° 回転した点の座標を求めよ。
ヒント
180° 回転は原点対称と同じ。
解答・解説
両方の符号が変わるので ****
点 を原点のまわり 90° 回転した点の座標を求めよ。
ヒント
。
解答・解説
****
点 を直線 について対称移動し、さらに 軸について対称移動した。最終的な点は原点のまわり何度の回転と同じか。
ヒント
。 は の形。
解答・解説
**270°(逆向き 90°)の回転**と同じ
問1. 点 を 軸について対称移動するとどの点に移るか。
問2. 平行移動の前後で変わらないものはどれか。
問3. 原点のまわり 90° 回転で点 はどの点に移るか。