一次関数と二次関数の比較——変化率・共有点・面積最大

直線と放物線を「変化の割合」で対比し、共有点の個数の判定法から和一定の面積最大問題への入口までを学ぶ。

この単元の目標
  • 一次関数と二次関数のグラフの違いを、変化の割合に着目して説明できる
  • 放物線と直線の共有点の個数を、連立して得られる二次方程式の解の個数から判定できる
  • 和が一定の条件下で積(面積)が最大になることを、二次関数のグラフの頂点で説明できる
📑 目次
  1. 二つの関数の姿かたち
  2. 変化の割合で二つの関数を見分ける
  3. 放物線と直線の共有点
  4. 和が一定のとき面積は最大になる

二つの関数の姿かたち

一次関数 y=kx+ly = kx + l(k≠0k \neq 0)のグラフは直線で、xx が 1 増えるたびに yy が常に kk ずつ増減します。一方、二次関数 y=ax2y = ax^2(a≠0a \neq 0)のグラフは放物線で、同じ幅だけ xx を動かしても yy の増え方は場所によって違います。この「増え方が一定かどうか」こそが、二つの関数を分ける最大の特徴です。式の次数が上がると、グラフは直線から曲線へと姿を変えます。

項目一次関数 y=kx+ly = kx + l二次関数 y=ax2y = ax^2
グラフの形直線放物線
変化の割合常に一定(kk)場所によって変わる
縦の軸に関する対称性縦の直線を軸とする線対称ではない(k≠0k \neq 0)yy 軸について対称
増減ずっと増加かずっと減少頂点で増減が入れ替わる

頂点 (0,0)(0, 0)、軸 x=0x = 0

x軸との共有点:x = 0, 0

p を動かすと平行移動、q を動かすと上下移動、 a を動かすと開く方向と放物線の開き具合が変わります。

プレイグラウンド: a を動かすと放物線の開き方と頂点がどう変わるか観察しよう

変化の割合で二つの関数を見分ける

rate=y2−y1x2−x1\text{rate} = \dfrac{y_2 - y_1}{x_2 - x_1}

直線では、どこで増加量を測っても変化の割合が kk に一致します。ところが放物線 y=ax2y = ax^2 で x=px = p から p+hp + h までの変化の割合を計算すると a(2p+h)a(2p + h) となり、始点 pp が変われば値も変わります。つまり放物線とは「変化の割合が刻々と変わるグラフ」であり、これが曲線として描かれる理由です。高校の数学ではこの考えを微分へと発展させます。

🔍 放物線の変化の割合——なぜ場所ごとに違うのか

  1. Step 1: 区間の y の増加量を計算する
    y(p+h)−y(p)=a(p+h)2−ap2=a(2ph+h2)y(p + h) - y(p) = a(p + h)^2 - ap^2 = a(2ph + h^2)

    (p+h)2=p2+2ph+h2(p + h)^2 = p^2 + 2ph + h^2 を展開すると、p2p^2 の項が打ち消し合います。

  2. Step 2: x の増加量でわる
    a(2ph+h2)h=a(2p+h)\dfrac{a(2ph + h^2)}{h} = a(2p + h)

    h≠0h \neq 0 でわりました。結果に pp が残っている、つまり始点に依存することがポイントです。

  3. Step 3: 直線と比べる
    (k(p+h)+l)−(kp+l)=kh  ⟹  khh=k(k(p + h) + l) - (kp + l) = kh \implies \dfrac{kh}{h} = k

    直線では始点 pp に関係なく常に kk になります。ここが決定的な違いです。

  4. Step 4: 具体例で確認する
    y=x2: p=0→1 rate 1,p=1→2 rate 3y = x^2 : \ p = 0 \to 1 \text{ rate } 1, \qquad p = 1 \to 2 \text{ rate } 3

    同じ幅 1 でも 0 → 1 では 1、1 → 2 では 3。放物線がだんだん急になる様子が数で表れました。

例題 1

放物線 y=x2y = x^2 の上を x=2x = 2 から x=5x = 5 まで動くときの変化の割合を求めよ。

解答・解説

a(2p+h)=1×(2×2+3)=7a(2p + h) = 1 \times (2 \times 2 + 3) = 7。実際 (25−4)÷3=7(25 - 4) \div 3 = 7 とも計算できて一致します。

放物線と直線の共有点

放物線と直線の共有点は、二つの式を連立して求めます。y=ax2y = ax^2 と y=mx+ny = mx + n で yy を消去すると二次方程式が得られ、その解の個数が共有点の個数に対応します。解が 2 つなら 2 点で交わり、解が 1 つ(重複した解)なら 接している、解がなければ共有点はありません。直線を平行移動させると「2 点で交わる → 接する → 共有点なし」と順番に状態が移り変わる様子は、グラフと式の両方で確認しましょう。

🔍 共有点の個数の判定——$y = x^2$ と $y = mx + k$

  1. Step 1: y を消去する
    x2=mx+k  ⟹  x2−mx−k=0x^2 = mx + k \implies x^2 - mx - k = 0

    直線の式を放物線の yy に代入して、xx だけの二次方程式にします。

  2. Step 2: 左辺を平方完成する
    (x−m2)2=k+m24\left(x - \dfrac{m}{2}\right)^2 = k + \dfrac{m^2}{4}

    左辺は 0 以上なので、右辺の符号で実数解の個数(=共有点の個数)が決まります。

  3. Step 3: 右辺の符号で場合分け
    k+m24>0 two points,=0 tangent,<0 nonek + \dfrac{m^2}{4} > 0 \text{ two points}, \quad = 0 \text{ tangent}, \quad < 0 \text{ none}

    右辺がプラスなら解は 2 つ、ゼロなら 1 つ(接する)、マイナスなら解なしです。

  4. Step 4: 幾何的な意味
    y=mx+k touches y=x2  ⟺  k=−m24y = mx + k \text{ touches } y = x^2 \iff k = -\dfrac{m^2}{4}

    傾き mm の直線が放物線に接するのは、切片 kk がちょうど −m24-\dfrac{m^2}{4} のとき。境界線の位置が式で書き表せました。

右辺 k+m24k + \tfrac{m^2}{4} の符号二次方程式の解共有点
プラス異なる 2 つの実数解2 点で交わる
ゼロ重複した 1 つの解1 点で接する
マイナス実数解なし共有点なし
例題 2

放物線 y=x2−4y = x^2 - 4 と直線 y=x−2y = x - 2 の共有点をすべて求めよ。

解答・解説

x2−4=x−2  ⟹  x2−x−2=0  ⟹  (x−2)(x+1)=0x^2 - 4 = x - 2 \implies x^2 - x - 2 = 0 \implies (x - 2)(x + 1) = 0。x=2,−1x = 2, -1 なので共有点は **(2,0)(2, 0) と (−1,−3)(-1, -3)**

和が一定のとき面積は最大になる

2 数の和が一定なら、積は2数が等しいときに最大になります。ただし、その値が問題の条件で許されるかを確認します。たとえばタテとヨコの和が 10 の長方形なら、タテを xx、ヨコを 10−x10-x として 0<x<100 < x < 10。面積 S=x(10−x)S = x(10-x) の頂点 x=5x = 5 はこの範囲に入ります。ほかの面積最大問題でも、まず式と変域を作り、頂点が変域内にあるかを調べましょう。

🔍 面積最大問題——$S = x(10 - x)$ の最大値

  1. Step 1: 式を展開する
    S=x(10−x)=−x2+10xS = x(10 - x) = -x^2 + 10x

    x2x^2 の係数がマイナスなので、放物線は下に開き、頂点で最大値をもちます。

  2. Step 2: 平方完成する
    S=−(x2−10x)=−{(x−5)2−25}=−(x−5)2+25S = -\left(x^2 - 10x\right) = -\left\{(x - 5)^2 - 25\right\} = -(x - 5)^2 + 25

    平方完成で「ずれ」を定数項に追い出します。

  3. Step 3: 最大値を読み取る
    (x−5)2≥0  ⟹  S≤25,S=25 at x=5(x - 5)^2 \ge 0 \implies S \le 25, \qquad S = 25 \text{ at } x = 5

    x=5x = 5 のとき、つまりタテとヨコが等しい正方形のときに面積が最大です。

練習問題
  1. 一次関数 y=−2x+3y = -2x + 3 と放物線 y=x2y = x^2 の共有点をすべて求めよ。

    ヒント

    連立して x2+2x−3=0x^2 + 2x - 3 = 0 を解く。

    解答・解説

    (x+3)(x−1)=0(x + 3)(x - 1) = 0 より x=−3,1x = -3, 1。共有点は **(−3,9)(-3, 9) と (1,1)(1, 1)**

  2. 放物線 y=x2y = x^2 と直線 y=2x−6y = 2x - 6 の共有点の個数を求めよ。

    ヒント

    x2−2x+6=0x^2 - 2x + 6 = 0 を平方完成すると。

    解答・解説

    (x−1)2+5=0(x - 1)^2 + 5 = 0 となり実数解なし。**共有点は 0 個**

  3. x+y=12x + y = 12 のとき、積 xyxy の最大値と、そのときの x,yx, y の値を求めよ。

    ヒント

    y=12−xy = 12 - x を代入して二次関数にする。

    解答・解説

    xy=x(12−x)=−(x−6)2+36xy = x(12 - x) = -(x - 6)^2 + 36。最大値 **36**(x=6,y=6x = 6, y = 6 のとき)

  4. 放物線 y=x2y = x^2 の上を x=1x = 1 から x=4x = 4 まで動くときの変化の割合を求めよ。

    ヒント

    公式 a(2p+h)a(2p + h) に a=1,p=1,h=3a = 1, p = 1, h = 3 を代入。

    解答・解説

    1×(2×1+3)=51 \times (2 \times 1 + 3) = 5((16−1)÷3=5(16 - 1) \div 3 = 5 でも確認できる)

確認クイズ

問1. 一次関数 y=4x−7y = 4x - 7 のグラフの変化の割合はどれか。

問2. 放物線と直線がちょうど 1 点で接するとき、連立して得られる二次方程式の解はどうなっているか。

問3. 周りの長さが決まった長方形の面積が最大になるとき、その形はどれか。

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