資料の整理——ヒストグラム・箱ひげ図・代表値の使い分け
度数分布表とヒストグラムで分布を読み、五数要約と箱ひげ図・四分位範囲によるばらつきの評価、代表値の使い分けまでを学ぶ。
- 度数分布表とヒストグラムを作り、分布の山やすそから特徴を読み取ることができる
- 中央値・四分位数・四分位範囲を求め、五数要約を箱ひげ図に表すことができる
- 平均値・中央値・最頻値(モード)をデータの性質に応じて使い分けることができる
ばらつくデータをまとめて見る
アンケートや実験の結果のように大量の数字を並べただけでは、全体のようすはつかめません。そこで 階級に分けて度数を数えた度数分布表 を作り、それを柱状グラフにしたものがヒストグラムです。ヒストグラムを見ると、山の位置・左右のゆがみ・ばらつきの大きさといった分布の特徴がひと目でわかります。分布の中心を 1 つの数で表したものが代表値(平均値・中央値・最頻値)、ばらつきの大きさを表すのが範囲や四分位範囲です。
代表値の使い分け
5人の読書時間が10、10、20、20、40分だった。40分を100分に訂正したとき、平均値と中央値はどう変わるか。
解答・解説
訂正前の平均は100÷5=20分、訂正後は160÷5=32分。中央値はどちらも小さい順の3番目なので20分です。平均はすべての値を使うため極端な値の影響を受けます。中央値だけでは合計や大きな値の変化は分かりません。
データ2、3、3、4、18の平均値・中央値・最頻値を求めよ。
解答・解説
平均値は30÷5=6、中央値は3、最頻値も3です。18という大きな値が平均を押し上げています。
5個のデータで平均値が6と分かるとき、合計はいくつか。中央値が6という情報だけでも同じ合計が分かるか。
解答・解説
平均値6なら合計は6×5=30です。中央値6だけでは合計は決まりません。1、2、6、7、8も、1、2、6、7、100も中央値は6ですが合計は異なります。
| 代表値 | 求め方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 平均値 | 全部たして個数でわる | 外れ値がなく、全データを公平に反映したいとき |
| 中央値 | 小さい順に並べた中央の値(偶数個なら中央 2 つの平均) | 外れ値の影響を避けたいとき(所得・住宅価格など) |
| 最頻値(モード) | 最も多く現れる値(階級なら度数最大の階級) | 一番人気など、件数の多さが知りたいとき |
度数分布表とヒストグラム
10 人のテスト点数 65, 72, 58, 90, 74, 68, 81, 77, 70, 85 を、階級幅 10 点(50 点からはじめる)の度数分布表に整理せよ。
解答・解説
**50〜60 未満 1 人、60〜70 未満 2 人、70〜80 未満 4 人、80〜90 未満 2 人、90〜100 未満 1 人**。山は 70 点台にあり、低い側にすそが少し引いた分布です。
| 階級(点) | 度数(人) |
|---|---|
| 50 以上 60 未満 | 1 |
| 60 以上 70 未満 | 2 |
| 70 以上 80 未満 | 4 |
| 80 以上 90 未満 | 2 |
| 90 以上 100 未満 | 1 |
中央値・四分位数・四分位範囲
データを小さい順に並べ替えて真ん中にくる値が中央値です。個数が偶数のときは中央の 2 つの値の平均をとります。さらに中央値で分割した下半分・上半分の中央値をそれぞれ第 1 四分位数 、第 3 四分位数 とよび、 を 四分位範囲 といいます。四分位範囲は中央半分のデータだけを使うため、最小値・最大値のような端の極端な値に引きずられにくい、堅実なばらつきの指標です。
🔍 四分位範囲の計算手順——8 人のテスト点数で確認する
- Step 1: 小さい順に並べる
8 個(偶数)なので中央値は 4 番目と 5 番目の平均になります。
- Step 2: 中央値を求める
データは下半分 42, 48, 55, 58 と上半分 62, 66, 71, 90 に分かれます。中央値自体はどちらのグループにも入れません。
- Step 3: 第 1・第 3 四分位数を求める
それぞれ下半分・上半分の中央値です。
- Step 4: 四分位範囲を計算する
最大値 90 は外れ値気味ですが、四分位範囲 17 はその影響を受けません。これが四分位範囲の強みです。
箱ひげ図(五数要約のグラフ化)
箱ひげ図は、最小値・$Q_1$・中央値・$Q_3$・最大値 の 5 つの数(五数要約)を一本の図にまとめたものです。箱の中にデータの中央半分が入り、ひげの先まで含めた全体の広がりがわかります。2 つのクラスのテスト結果を比べるとき、箱の長さ(四分位範囲)が短いほうが成績が中央付近に集中しており、箱の位置の高低から代表値の差も読み取れます。
- 最小値: データのうち最も小さい値(左のひげの先)
- : 下半分の中央値(箱の左端)
- 中央値: 箱の中の縦の線
- : 上半分の中央値(箱の右端)
- 最大値: データのうち最も大きい値(右のひげの先)
次の 10 個のデータの五数要約と四分位範囲を求めよ。 12, 15, 18, 20, 22, 25, 28, 31, 35, 40
解答・解説
最小値 **12**、 **18**、中央値 **23.5**、 **31**、最大値 **40**。四分位範囲は
データ 3, 7, 8, 10, 12 の平均値と中央値を求めよ。
ヒント
平均は総和を個数でわる。
解答・解説
平均値 、中央値 **8**(このデータでは両者が一致)
データ 12, 15, 18, 20, 22, 25, 28, 31, 35, 40 の四分位範囲を求めよ。
ヒント
下半分 5 個・上半分 5 個に分けてそれぞれの中央値をとる。
解答・解説
、四分位範囲 **13**
ある店の 1 日の来客者は 10 代 5 人、20 代 14 人、30 代 9 人、40 代 11 人、50 代 6 人だった。最頻値(モード)となる階級を答えよ。
ヒント
度数が最大の階級を探す。
解答・解説
最頻値は **20 代**(14 人で最多)
外れ値を含む可能性が高い資料で、平均値よりも中央値が好まれる理由を一言で述べよ。
ヒント
極端な値が代表値に及ぼす影響を考える。
解答・解説
中央値は **外れ値の影響を受けにくい**(値の大きさではなく並びの位置だけで決まる)から。
問1. 箱ひげ図から直接読み取ることができない値はどれか。
問2. 四分位範囲が小さいことが意味することはどれか。
問3. 年収のように一部に極端に大きな値が含まれるデータの代表値として適切なのはどれか。