比・割合・単位換算を式でつなぐ

何を1とするかを明確にし、比から全体に対する割合、連続する増減、時速と秒速の換算までを一つの式で整理する。

この単元の目標
  • 比較量・基準量・割合を区別し、基準量が未知でも方程式で求められる
  • 部分どうしの比と全体に対する割合の違いを説明できる
  • 連続する割合の変更を倍率の積で表し、元に戻す倍率を求められる
  • 距離と時間の単位をそろえ、速度の換算を根拠とともに計算できる
📑 目次
  1. 1.割合の分母は「何を1とするか」
  2. 2.部分どうしの比を、全体に対する割合へ
  3. 3.続けて変えるなら、割合ではなく倍率を掛ける
  4. 4.速度換算は分子と分母を別々に直す
  5. 5.練習:式の前に基準と単位を書く
  6. まとめ:何で割るかを言葉にする

1.割合の分母は「何を1とするか」

「24人は何%か」だけでは答えは決まりません。全体が40人なら60%、全体が80人なら30%です。比べられる量を比較量、1とみなす量を基準量と呼びます。まず「何の何%か」を文の中で特定しましょう。

r=AB,A=Br,B=Arr=\frac{A}{B},\qquad A=Br,\qquad B=\frac{A}{r}

ここでAは比較量、Bは基準量、rは小数や分数で表した割合です。人数・長さなど同じ種類の量を同じ単位でそろえ、B>0とします。BをA÷rで求めるときはr>0も必要です。例えば25%は25÷100=0.25。割合には人やmなどの単位は付きません。

例題1:基準量が未知のとき

図書委員の12人は学級全体の30%にあたる。学級は何人か。

解答・解説

全体をx人とすると、基準量はxであり、0.30x=12。x=12÷0.30=40より40人です。検算すると12÷40=0.30。12×0.30=3.6では、委員12人を基準にしてしまっています。

2.部分どうしの比を、全体に対する割合へ

赤と青のカードの枚数の比が2:3なら、赤を2k枚、青を3k枚と表せます。赤と青だけで全体を作る場合、全体は5k枚です。赤は青の2/3ですが、全体の2/5です。「比の後ろの数」と「全体」は同じとは限りません。ここではk>0とし、枚数は整数になるものとします。

A:B=m:n ⟹ AB=mn,AA+B=mm+n(m,n>0)A:B=m:n\ \Longrightarrow\ \frac{A}{B}=\frac{m}{n},\qquad \frac{A}{A+B}=\frac{m}{m+n}\quad(m,n>0)
例題2:全体と比から部分を求める

赤と青のカードだけが合わせて35枚あり、枚数の比は赤:青=2:3である。赤は何枚で、全体の何%か。

解答・解説

2k+3k=35よりk=7。赤は2×7=14枚です。全体に対する割合は14÷35=2/5=0.4なので40%。2÷3を百分率にするのは「青に対して赤は何%か」という別の問いへの計算です。

基準を逆にすると割合も変わります。AがBより25%多ければA=1.25Bです。B=A÷1.25=0.8Aなので、BはAより20%少ないことになります。同じ差でも分母が違うため、25%とはなりません。

3.続けて変えるなら、割合ではなく倍率を掛ける

20%増は「元の100%+20%」なので1.2倍、20%減は0.8倍です。次の変更で基準にするのは、通常は変更後の量です。「最初の量の10%を引く」など基準が指定されている場合とは区別します。

🔍 p%増の後、変更後の量からq%減らす

  1. 最初の量
    x>0x>0

    増加率pは0以上、減少率qは0以上100以下とする。

  2. 1回目の変更
    y=x(1+p100)y=x\left(1+\frac{p}{100}\right)
  3. 2回目の変更
    z=y(1−q100)=x(1+p100)(1−q100)z=y\left(1-\frac{q}{100}\right)=x\left(1+\frac{p}{100}\right)\left(1-\frac{q}{100}\right)
  4. 最初からの増減率
    z−xx×100%\frac{z-x}{x}\times100\%

    正なら増加、負なら減少。p−qだけでは計算できない。

例題3:20%増やして20%減らすと?

長さ500mのコースを20%長くし、次にその変更後の長さから20%短くした。最後は何mか。最初と比べて何%変わったか。

解答・解説

500×1.2=600m、その後600×0.8=480m。最初より20m短く、20÷500×100=4%減です。増えた長さは100m、減った長さは120mで、同じ20%でも基準量が違います。

例題4:減らした量を元に戻す

800円の品を25%値引きした。値引き後の価格を何%値上げすれば800円に戻るか。税や端数処理は考えない。

解答・解説

値引き後は800×0.75=600円。戻すには200円増やすので、200÷600=1/3より値上げ率は正確には100/3%、約33.3%です(小数第2位を四捨五入)。戻す倍率は1÷0.75=4/3。25%値上げでは600×1.25=750円にしかなりません。

正の倍率aで変えた量を元に戻すには1/a倍します。100%減では量が0になるため、有限の倍率を掛けても元の正の量には戻せません。また「割合が20%から25%へ上がる」は5パーセントポイントの上昇ですが、元の20%に対する相対的な増加率は5÷20=25%です。

4.速度換算は分子と分母を別々に直す

km/hは「1時間当たり何km」、m/sは「1秒当たり何m」を表します。1km=1000m、1時間=60分=3600秒なので、距離を1000倍し、時間を3600秒に直して割ります。速度の数値だけを見て1000倍すると、時間の単位を取り残します。

1 km/h=1000 m3600 s=518 m/s,1 m/s=3.6 km/h1\,\mathrm{km/h}=\frac{1000\,\mathrm{m}}{3600\,\mathrm{s}}=\frac{5}{18}\,\mathrm{m/s},\qquad 1\,\mathrm{m/s}=3.6\,\mathrm{km/h}
変換数値にする操作確認例
km/h → m/s3.6で割る(5/18を掛ける)72km/h=20m/s
m/s → km/h3.6を掛ける15m/s=54km/h
km/h → m/分1000で掛けて60で割る18km/h=300m/分
例題5:単位をそろえて走行時間を求める

一定の速さ54km/hで走る車が750m進むのに何秒かかるか。加速・減速や停止は考えない。

解答・解説

54÷3.6=15m/s。時間=道のり÷速さより750÷15=50秒です。別の検算として750m=0.75kmから、0.75÷54=1/72時間、3600÷72=50秒とも求められます。750÷54ではmとkmが混在しています。

道のり=速さ×時間は一定の速さならそのまま使えます。速さが変化する区間全体では、平均の速さ=総道のり÷総時間を用います。異なる区間の速さを単純に足して2で割ってよいのは、2区間にかかった時間が等しい場合です。時間は正とします。

5.練習:式の前に基準と単位を書く

割合と換算をつなぐ練習
  1. 18人が全体の45%にあたる。全体は何人か。

    解答・解説

    40人。全体をx人として0.45x=18、x=18÷0.45=40。18を基準に掛け算をしない。

  2. AとBだけで計63個。個数の比A:B=4:5のとき、Aは何個か。またBに対するAの割合は何%か。

    解答・解説

    Aは63×4/9=28個。Bは35個なので、Bに対する割合は28÷35=0.8より80%。全体に対する割合4/9とは区別する。

  3. 2000円を10%値引きし、その後の価格をさらに15%値引きする。最終価格と元の価格からの値引き率を求めよ。端数処理はしない。

    解答・解説

    2000×0.9×0.85=1530円。値引き額470円を元の2000円で割り、470÷2000×100=23.5%。10+15=25%ではない。

  4. 長さを20%短くしたあと、短くなった長さを何%長くすれば元に戻るか。元の長さは正とする。

    解答・解説

    25%。短縮後は0.8倍なので、戻す倍率は1÷0.8=1.25。増加分は短縮後の量の0.25倍。

  5. 一定の速さ12m/sで2分30秒進むと何km進むか。

    解答・解説

    1.8km。2分30秒=150秒なので12×150=1800m=1.8km。2分30秒は2.3分ではなく2.5分。

  6. 同じ道を、行きは6kmを3km/h、帰りは6kmを6km/hで移動した。休憩がないとき往復の平均の速さは何km/hか。

    解答・解説

    4km/h。行きは2時間、帰りは1時間で、総道のり12km÷総時間3時間=4km/h。時間が等しくないので(3+6)÷2=4.5とはならない。

確認クイズ

問1. AがBの120%で、B>0のとき正しい関係はどれか。

問2. 赤:青=3:7で、この2色だけがある。全体に対する赤の割合は?

問3. 正の量を10%増やし、変更後の量を10%減らすと、最初の何倍になるか。

問4. 時速90kmを秒速に直した値はどれか。

まとめ:何で割るかを言葉にする

  • 割合の分母には基準量を置く。全体と一部分を取り違えない。
  • 連続変更は毎回の基準を確認し、基準が直前の量なら倍率を掛け合わせる。
  • 速さは距離と時間の両方の単位をそろえる。答えには必ず単位を付ける。
  • 本記事の数量は計算学習用の設定で、実測データではない。明記した近似以外は正確な値として扱い、計算途中では丸めない。
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