文字と式

数量を文字で表し、式で処理することの便利さを学ぶ。

この単元の目標
  • 数量の関係を文字を使った式に表すことができる
  • 文字式の計算規則(乗法の記号省略など)を理解する
  • 代入して式の値を求めることができる
📑 目次
  1. なぜ文字を使うのか
  2. 文字式の書き方の約束
  3. 式への代入と式の値
  4. 練習(指数法則)
  5. 数量の関係を式に表す
  6. 文字式の加法と減法——なぜ同類項をまとめるのか
  7. 手を動かす: ことばから式へ、式から値へ

なぜ文字を使うのか

「りんご 1 個 80 円のものを x 個買うと 80x 円」のように、数量の関係を一般化して表せるのが文字式の利点です。1つの式が無数の場合にあてはまります。

文字式の書き方の約束

  • かけ算の × は省略する: a×b→aba \times b \rightarrow ab
  • 数と文字では数を先に: x×5→5xx \times 5 \rightarrow 5x
  • 1 や −1 の係数は省略: 1x→x1x \rightarrow x
  • 同じ文字の積は累乗で: a×a→a2a \times a \rightarrow a^2
  • わり算は分数の形で: x÷3→x3x \div 3 \rightarrow \dfrac{x}{3}

式への代入と式の値

文字に数を代入して計算した結果を式の値といいます。代入するときは、負の数を代入する場合にかっこをつけるのが安全です。

例題

x=−2x = -2 のとき、3x2−4x+13x^2 - 4x + 1 の値を求めよ。

解答・解説

3(−2)2−4(−2)+1=12+8+1=213(-2)^2 - 4(-2) + 1 = 12 + 8 + 1 = 21

練習(指数法則)

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無限ドリル: 指数法則の計算がランダムに出題されます。積・累乗・商の規則を区別して答えよう

数量の関係を式に表す

ことばの表現式
a より 5 大きい数a+5a + 5
b の 3 倍から 2 引いた数3b−23b - 2
c を d でわったときの商と余り(商 q, 余り r)c=dq+rc = dq + r(0≤r<∣d∣0 \le r < |d|)
x 円のものと y 円のものをそれぞれ 2 個ずつ2(x+y)2(x + y) 円

文字式の加法と減法——なぜ同類項をまとめるのか

買い物の計算を考えてみます。300 円のノートを 2 冊と 300 円のペンを 3 本買うと 300×2+300×3300 \times 2 + 300 \times 3 円ですが、これは 300×(2+3)=300×5300 \times (2 + 3) = 300 \times 5 円と同じ。つまり同じ単位のものは個数を先にたしてよい。文字式でも同じで、300300 を文字 aa に置き換えると 2a+3a=5a2a + 3a = 5a です。分配法則を逆向きに使っているだけで、文字と次数がそろう項——同類項——だけがまとめられます。

  • 分配法則: ka+ma=(k+m)aka + ma = (k + m)a(同類項だけ)
  • 減法は「ひく式のかっこを開いて符号を変える」: A−(B−C)=A−B+CA - (B - C) = A - B + C
  • 2a+3b2a + 3b は aa と bb が別物なのでこれ以上まとめられない(リンゴとミカンの個数をたせないのと同じ)
(7a−4b)−(2a−9b)=7a−4b−2a+9b=5a+5b(7a - 4b) - (2a - 9b) = 7a - 4b - 2a + 9b = 5a + 5b
3x23x^2 と 3x3x は同類項ではありません。文字が同じでも指数が違えば、同じ文字部分を数えていることにはなりません。また −(2a−9b)-(2a - 9b) は −2a+9b-2a + 9b。前のマイナスはかっこの中のすべての項にかかります。
例題(同類項の整理)

5x−3y−(2x−8y)5x - 3y - (2x - 8y) を簡単にせよ。

解答・解説

5x−3y−2x+8y=3x+5y5x - 3y - 2x + 8y = 3x + 5y

例題(代入の応用)

測定値が (x+y),(x−y),x(x + y), (x - y), x の3つであるとき、平均を式で表し、誤差 yy が平均に現れないことを確かめよ。

解答・解説

分子は (x+y)+(x−y)+x=3x(x + y) + (x - y) + x = 3x(+y+y と −y-y が消える)なので平均は 3x3=x\dfrac{3x}{3} = x。このように誤差がちょうど打ち消し合う場合の結果であり、一般の測定で平均をとれば誤差が必ず消えるわけではありません。

手を動かす: ことばから式へ、式から値へ

問題文を見たら ① 何がわかっていて何を求めるか(x にするものを決める)→ ② 関係を式に書く → ③ 代入して値を出す の3ステップで動きます。たとえば「基本料金 200 円で 1 km あたり 50 円のタクシー」なら距離を x km とすると料金は 200+50x200 + 50x 円。式さえ作れば後は代入して機械的に値が出る、というのが文字式の強みです。

練習問題(解答つき)
  1. 4a−7b+3a+2b4a - 7b + 3a + 2b を簡単にせよ。

    解答・解説

    同類項をまとめて (4+3)a+(−7+2)b=(4 + 3)a + (-7 + 2)b = **7a−5b7a - 5b**

  2. (6x−5)−(2x−11)(6x - 5) - (2x - 11) を計算せよ。

    解答・解説

    6x−5−2x+11=6x - 5 - 2x + 11 = **4x+64x + 6**

  3. x=−3x = -3 のとき x2−1x+1\dfrac{x^2 - 1}{x + 1} の値を求めよ(x≠−1x \neq -1)。

    ヒント

    負の数をかっこに入れ、分子と分母を別々に計算する。

    解答・解説

    分子は (−3)2−1=8(-3)^2 - 1 = 8、分母は −3+1=−2-3 + 1 = -2。8÷(−2)=−48 \div (-2) = -4。分母が0になる値は代入できません。

  4. 1 枚 100 円のシールを a 枚、1 本 60 円の鉛筆を b 本買った。代金の合計を式で表し、a=5,b=3a = 5, b = 3 のときの金額を求めよ。

    解答・解説

    合計は 100a+60b100a + 60b 円。代入すると 500+180=500 + 180 = **680 円**

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