確率

場合の数を数えて、起こりやすさを数値で表す。

この単元の目標
  • 樹形図・表を使って場合の数を正確に数えられる
  • 確率を求め、全事象との関係で説明できる
📑 目次
  1. 確率の定義
  2. 同時に/続けて取り出す
  3. 小ネタ: ガルトン板

確率の定義

結果の名前ではなく、起こり方を数える

袋に赤いカードが3枚、青いカードが1枚入っているとき、「赤か青の2種類だから赤の確率は半分」と考えてよいでしょうか。色の名前は2つでも、赤を引く起こり方は3つあります。カードを1枚ずつ区別すると、なぜ赤が出やすいかが見えます。確率の計算は、まず同じ起こりやすさの小さな場合に分ける作業から始まります。

考えられる結果をすべて集めたものが全事象、条件に合う結果を集めたものが事象です。どのカードも等しい確率で選ぶなら、上の全事象は4通り、赤という事象は3通り。全体の何割を占めるかを求めるので、赤の確率は3/4です。

確率が1/2でも、2回試せば必ず1回成功するわけではありません。試行回数が少ないと結果の割合は大きくばらつきます。また「同様に確からしい」と「独立」は別の条件。前者は結果同士の起こりやすさ、後者は前の結果が次の確率を変えないことです。戻さず引く場合は通常、独立ではありません。
例題:同じ文字のカードを区別する

A、A、Bと書いた3枚から、どの1枚も等しい確率で1枚選ぶ。Aを引く確率を求めよ。

解答・解説

2枚のAをA₁、A₂と区別すると、全体はA₁、A₂、Bの3通りで、Aは2通り。確率は2/3です。「AかBか」の2通りは同様に確からしくありません。

例題:2回の結果を漏れなく書く

表と裏が等しい確率で出るコインを独立に2回投げる。ちょうど1回表になる確率を求めよ。

解答・解説

(1回目, 2回目)は(表, 表)(表, 裏)(裏, 表)(裏, 裏)の4通りで、各確率は1/4。条件に合うのは中央の2通りなので2/4=1/2です。「表が0回、1回、2回」を同じ確率だとは扱えません。

紙に最初の結果を固定して書き、その右に次の結果を順に並べてみましょう。各枝で選択肢の数が変わる場合は、末端の数だけで割ってよいかを再確認します。最後に「条件に合う場合+合わない場合=全場合」「答えは0以上1以下」の2つを確かめると、数え落としを見つけやすくなります。

同様に確からしい場合を作る練習
  1. 1~5のカードを1枚ずつ用意し、等しい確率で1枚引く。3以上の数を引く確率は?

    解答・解説

    全5通りのうち3、4、5の3通りなので3/5。条件に合わない1、2の2通りと合わせて5通りです。

  2. 表と裏が等しい確率のコインを独立に3回投げる。すべて裏になる確率は?

    解答・解説

    順序を区別すると全体は2×2×2=8通りで同様に確からしく、裏・裏・裏は1通り。確率は1/8です。

  3. 赤2枚・青1枚から等しい確率で1枚ずつ、戻さず2枚引く。2枚とも赤の確率は?

    解答・解説

    カードを区別した順序つきの結果は3×2=6通りで同様に確からしい。赤2枚の順番は2通りなので2/6=1/3です。2/3を2回掛けると、戻さない条件を無視することになります。

P=ある事象が起こる場合の数すべての場合の数(0≤P≤1)P = \frac{\text{ある事象が起こる場合の数}}{\text{すべての場合の数}} \quad (0 \le P \le 1)

すべての場合が同じくらい起こりやすいことが条件です。サイコロの出目などが代表例。「少なくとも1つ」は余事象(1から引く)で考えるのが定石です。

同時に/続けて取り出す

  • どの玉も同様に確からしく選ぶとき、同時に2個取り出すのと戻さず続けて2個取り出すのは、順序を区別しない結果の確率が同じ
  • 戻してから引く場合は、1回ごとに全数が復元される
  • 樹形図で全部書き出し、どの枝も等確率か確認する
例題

白玉4個・赤玉2個が入った袋から、どの2個の組も同様に確からしく、同時に2個取り出す。2個とも白である確率を求めよ。

解答・解説

玉を1個ずつ区別して数える。すべての組は 6×5÷2=156 \times 5 \div 2 = 15 通り、白2個の組は 4×3÷2=64 \times 3 \div 2 = 6 通り。どちらも順序を重複して数えた分を2で割る。よって P=6/15=2/5P = 6/15 = 2/5。

例題(余事象)

各目が同様に確からしいサイコロを独立に2回投げるとき、少なくとも1回 4 以上の目が出る確率を求めよ。

解答・解説

余事象は「両方とも 3 以下」= 32=93^2 = 9 通り / 全体 3636。P=1−936=2736=34P = 1 - \dfrac{9}{36} = \dfrac{27}{36} = \dfrac{3}{4}

例題:和が同じでも場合の数は違う

各目が同様に確からしい大小2個のサイコロを独立に投げる。目の和が 7 になる確率を求めよ。

解答・解説

(大, 小)の順序つきの組は 6×6=366 \times 6 = 36 通りで同様に確からしい。和が7の組は (1,6),(2,5),(3,4),(4,3),(5,2),(6,1)(1,6),(2,5),(3,4),(4,3),(5,2),(6,1) の6通りなので 6/36=1/66/36 = 1/6。和の2〜12を11通りとして割ってはいけない。和の起こりやすさは等しくない。

練習問題
  1. 1, 2, 3 の数字カードが1枚ずつ入った袋から、1枚引くたびに戻してよく混ぜ、計2回引く。毎回どのカードも同様に確からしいとき、2回とも偶数になる確率を求めよ。

    ヒント

    1回ごとに全数は 3 枚に戻る。

    解答・解説

    (13)2=19\left(\dfrac{1}{3}\right)^2 = \dfrac{1}{9}

  2. 上の問題で、**戻さずに**2枚引くとき、2枚とも偶数になる確率は?(偶数は 2 のみ)

    解答・解説

    偶数が1枚しかないため2枚とも偶数は不可能。**0**

  3. 10 本のくじのうち当たりが 3 本。A, B の順に1本ずつ、引いたくじを戻さずに引く。各回で残りのくじは同様に確からしく選ばれるとき、B が当たる確率を求めよ。

    ヒント

    A の結果で場合分けする。

    解答・解説

    310×29+710×39=6+2190=\dfrac{3}{10} \times \dfrac{2}{9} + \dfrac{7}{10} \times \dfrac{3}{9} = \dfrac{6+21}{90} = **310\dfrac{3}{10}**。くじは引く順番によらず公平。

  4. 各目が同様に確からしい大小2個のサイコロを独立に投げる。目の和が 4 以下になる確率を求めよ。

    ヒント

    和が2、3、4の組を順序を区別して数える。

    解答・解説

    和が2は (1,1)(1,1)、和が3は (1,2),(2,1)(1,2),(2,1)、和が4は (1,3),(2,2),(3,1)(1,3),(2,2),(3,1)。計6通りなので 6/36=1/66/36 = 1/6。

  5. 白玉3個、赤玉2個から、どの2個の組も同様に確からしく同時に2個取り出す。少なくとも1個が赤である確率を求めよ。

    解答・解説

    全体は 5×4÷2=105 \times 4 \div 2 = 10 通り。「赤が0個」、つまり白2個は 3×2÷2=33 \times 2 \div 2 = 3 通り。余事象を使い 1−3/10=7/101 - 3/10 = 7/10。

小ネタ: ガルトン板

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ガルトン板: 釘に当たって落ちる玉の分布が二項分布→正規分布に近づく様子を見よう
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