三平方の定理

直角三角形の辺の長さの関係を学び、長さの計算に活用する。

この単元の目標
  • 三平方の定理を理解し証明できる
  • 直角三角形の辺の長さを求める計算に使える

定理

直角三角形で、直角をはさむ辺を a,ba, b、直角の向かいの辺(斜辺)を cc とします。斜辺は最も長い辺です。直角でない三角形に、そのまま三平方の定理を使ってはいけません。

a2+b2=c2(c は斜辺)a^2 + b^2 = c^2 \quad (c \text{ は斜辺})

🔍 三平方の定理の証明——正方形の組み替えで見る

  1. Step 1: 大きな正方形を用意する
    一辺 (a+b) の正方形\text{一辺 } (a+b) \text{ の正方形}

    この中に、直角三角形(a, b, c)を4つ、隙間なく c をはさむように置く。

  2. Step 2: 配置その1 — 内側に c² の正方形
    全体=4×ab2+c2\text{全体} = 4 \times \frac{ab}{2} + c^2

    内側にできるのは一辺 c の正方形(直角三角形4枚+それ)。

  3. Step 3: 配置その2 — 同じ正方形を別の切り方で
    全体=4×ab2+a2+b2\text{全体} = 4 \times \frac{ab}{2} + a^2 + b^2

    今度は三角形を2つずつペアにして長方形に見ると、残りが a² と b² の2つの正方形になる。

  4. Step 4: 等置して整理
    4⋅ab2+c2=4⋅ab2+a2+b2  ⇒  c2=a2+b24 \cdot \frac{ab}{2} + c^2 = 4 \cdot \frac{ab}{2} + a^2 + b^2 \;\Rightarrow\; c^2 = a^2 + b^2

    同じ大きさの正方形を2通りに分けたにすぎないので等しい。「図を動かしただけで定理が従う」有名な証明です。

直角をはさむ2辺の正方形の面積の和が、斜辺の正方形の面積と等しい、というのが幾何的な意味です。次の図で「赤+緑=青」が成り立つことを確認しましょう。

b² = 16a² = 9c² = 25baca² + b² = c²赤+緑の面積 = 青の面積
三平方の定理: 各辺上の正方形の面積の関係(a=3, b=4, c=5)
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プレイグラウンド: a, b を動かすと c² = a² + b² が成り立つ様子が見られます

有名な整数解(ピタゴラス数):(3, 4, 5), (5, 12, 13), (8, 15, 17)。テストの計算ではこれらが頻出です。

例題

底辺 8 cm、高さ 3 cm の二等辺三角形の、等しい辺の長さを求めよ。

解答・解説

頂点から底辺へ垂線を下ろすと半分に分かれる。42+32=254^2 + 3^2 = 25 より **5 cm**

例題:斜辺以外の辺を求める

直角三角形の斜辺が 13 cm、直角をはさむ一辺が 5 cm のとき、もう一辺を求めよ。

解答・解説

求める長さを xx cm とすると 52+x2=1325^2 + x^2 = 13^2。x2=169−25=144x^2 = 169 - 25 = 144。長さは正なので x=12x = 12、答えは **12 cm**。斜辺の平方から既知の辺の平方を引く。

練習問題(解答つき)
  1. 縦 6 cm、横 8 cm の長方形の対角線の長さを求めよ。

    解答・解説

    対角線でできる直角三角形より d2=62+82=100d^2 = 6^2 + 8^2 = 100。d>0d > 0 なので **10 cm**。

  2. 一辺 6 cm の正三角形の高さと面積を求めよ。

    ヒント

    高さを引くと底辺が 3 cm ずつに分かれ、斜辺が 6 cm の直角三角形ができる。

    解答・解説

    高さ hh は h2=62−32=27h^2 = 6^2 - 3^2 = 27 より 333\sqrt{3} cm。面積は 6×33÷2=936 \times 3\sqrt{3} \div 2 = 9\sqrt{3} cm²。

  3. 縦 3 cm、横 4 cm、高さ 12 cm の直方体の、向かい合う頂点を結ぶ空間の対角線の長さを求めよ。

    解答・解説

    底面の対角線は 32+42=5\sqrt{3^2+4^2}=5 cm。それと高さでできる直角三角形より、空間の対角線は 52+122=13\sqrt{5^2+12^2}=13 cm。三平方の定理を2回使う。

空間図形でも使えます。直方体の対角線の長さは a2+b2+c2\sqrt{a^2 + b^2 + c^2}(定理の空間への拡張)。
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