三角形の合同条件と証明の書き方
仮定・結論を区別し、根拠(定理)を挙げて証明文を書く。
- 三角形の合同条件を使って合同を証明できる
- 仮定・結論・根拠を明示した証明文を書ける
証明のかたち
見た目ではなく、形が一つに決まる理由を探す
地図を拡大すると三角形の角度は変わりませんが、辺の長さは変わります。だから「同じ形に見える」だけでは、ぴったり重なるとは限りません。厚紙の三角形を裏返す場合も含め、移動して重ねられる関係が合同です。証明では実際に切り取らず、三角形の形と大きさを決める条件がそろうことを示します。
たとえば長さ4 cmと6 cmの棒の一端をつなぐと、開き方によって端同士の距離が変わります。2辺が同じだけでは三角形は決まりません。しかしその間の角を50°に固定すれば、残りの辺も決まります。これが「2組の辺とその間の角」という合同条件の直感です。角はどこでもよいわけではありません。
四角形ABCDで AB=AD、BC=DC とする。対角線ACを引いたとき △ABC≡△ADC を示し、∠BAC=∠DAC を導け。
解答・解説
△ABCと△ADCで AB=AD、BC=DCは仮定、AC=ACは共通の辺。3組の辺がそれぞれ等しいので合同です。対応する角は等しいので∠BAC=∠DAC。角の等しさは合同を示した後の結論です。
△PQR≡△XYZ で PQ=5 cm、QR=7 cm、∠R=40°である。XY、YZ、∠Z を求めよ。
解答・解説
頂点の対応はP↔X、Q↔Y、R↔Z。対応する辺・角は等しいのでXY=5 cm、YZ=7 cm、∠Z=40°です。紙の上で上下が逆でも、この対応は変わりません。
自分で証明するときは、左右に2つの三角形の名前を書き、対応する辺の組を線で結んでみましょう。仮定に印をつけた後、「共通の辺はあるか」「平行線の角は使えるか」を探します。条件が2つしかないなら、無理に結論を書かず不足している条件を特定するのが次の一手です。
△ABCと△DEFでAB=DE、AC=DFがわかる。2辺とその間の角で合同を示すには、どの角の等しさが必要か。
解答・解説
∠BAC=∠EDFです。どちらも既知の2辺が出会う頂点の角なので「その間の角」になります。
△ABC≡△FDE とする。辺BCと角Aに対応するものを答えよ。
解答・解説
A↔F、B↔D、C↔Eなので、辺BCには辺DE、角Aには角Fが対応します。
AB=ACの三角形で、Dは辺BCの中点とする。△ABD≡△ACDを示せ。
解答・解説
AB=ACは仮定、BD=CDは中点の定義、AD=ADは共通の辺。3組の辺がそれぞれ等しいので合同です。ADが垂直と図だけで決めつける必要はありません。
証明は ① 仮定で何が与えられているか → ② 何を導きたいか(結論)→ ③ 使う定理(根拠) をそろえて書きます。「〜だから、…である」という一歩ごとの論理に、必ず根拠となる定理の名前を添えるのがルールです。
三角形の合同条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい | SAS |
| 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい | ASA |
| 3組の辺 | SSS |
証明の手順
- 図の中で等しいものに印をつける(等角には弧、等辺には目盛)
- 使える条件を列挙する(対頂角・平行線の同位角など)
- どの合同条件で結ぶか決めて、記号 ⊿≡△ を使って書く
- 最後に「よって、…である」で結論を言い切る
AB = AC の二等辺三角形 ABC で、辺 BC の内部に BD = CE となる点 D, E をとる。△ABD ≡ △ACE を証明せよ。
解答・解説
△ABD と △ACE で、① AB = AC(仮定)、② BD = CE(仮定)、③ ∠ABD = ∠ACE(二等辺三角形の底角が等しく、D, E は辺 BC の内部にある)。よって **2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい**ので △ABD ≡ △ACE。
平行線の錯角・同位角は、どちらも「どこが等しい」ことを主張しているか。
解答・解説
**角の大きさ**。平行線がつくる同位角・錯角は等しくなるので、証明の中で角度の等式を導く基本ツールになる。
「3組の角がそれぞれ等しい」だけでは合同といえない理由を、具体例で説明せよ。
ヒント
同じ形でも大きさが違う図形を考える。
解答・解説
たとえば**拡大縮小した2つの正三角形**は角はすべて60°で等しいが、辺の長さが違うため合同ではない。このような「形は同じ・大きさが違う」関係を**相似**という。