原子・分子と化学変化
物質を原子と分子でとらえ、化学変化を式で表す第一歩を学ぶ。
- 状態変化と化学変化を粒子の組み替えの有無で区別できる
- 単体・化合物・混合物を原子と分子のモデルから判断できる
- 化学反応式の係数を原子数で確かめ、質量保存を説明できる
姿が変わることと、別の物質になること
なぜ氷も水蒸気も「水」なのでしょう。小さな部品でできた模型を思い浮かべると、模型同士の間隔や動きが変わっても、一つ一つの組み立て方は同じです。氷がとけたり水が蒸発したりするとき、水分子 H₂O 自体は変わりません。これが状態変化です。一方、化学変化では原子の結びつきが変わり、もとの物質とは性質が違う物質ができます。
原子の種類と、物質の種類を分けて見る
色の違う部品を原子の種類に対応させて考えましょう。酸素 O₂ は同じ種類の原子だけでできた単体、水 H₂O は異なる種類の原子が結びついた化合物です。酸素と窒素などが一緒に存在する空気は混合物です。単体・化合物は純物質の分類で、混合物は複数の物質が混ざったもの。まず「物質は1種類か」、次に「その物質をつくる元素は1種類か」の順に問いかけます。
容器Aには O₂ だけ、Bには CO₂ だけ、Cには O₂ と CO₂ がある。それぞれ単体・化合物・混合物のどれか。
解答・解説
**Aは単体、Bは化合物、Cは混合物**。Aは酸素という1元素だけ、Bは炭素と酸素の2元素が結びついた1種類の物質。Cは2種類の物質を含む。分子の個数の多い・少ないは、この分類を決めない。
モデルAでは H₂O の粒が離れて気体になった。モデルBでは 2H₂O が 2H₂ と O₂ に組み替わった。状態変化と化学変化を区別し、Bで水素原子と酸素原子が保存するか数えよ。実験操作ではなく粒子図の問題とする。
解答・解説
**Aは状態変化、Bは化学変化**。Aは水分子のまま。Bは別の分子ができ、変化前はHが4個、Oが2個、変化後もHが4個、Oが2個で一致する。水分子はなくなっても、その材料である原子はなくならない。
窒素 N₂ だけからなる気体は単体か、化合物か。
解答・解説
**単体**。分子は原子2個からなるが、元素は窒素1種類だけである。
水 H₂O と二酸化炭素 CO₂ を含む気体全体は、化合物か混合物か。
解答・解説
**混合物**。それぞれは化合物だが、全体として2種類の物質が混ざっている。
氷がとけるとき、H₂O が H₂ と O₂ に分かれると考えてよいか。
解答・解説
**よくない**。融解は状態変化で、水分子そのものはH₂Oのまま。分子の配置や動きが変わる。
問1. 水蒸気が水滴になるとき変わらないのは?
問2. 純物質のうち化合物なのは?
問3. O₂ と N₂ が混ざったものの分類は?
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 原子 | 物質をつくる基本の粒(水素 H、酸素 O など) |
| 分子 | 原子が結合した粒(水 H₂O は H 2個 + O 1個) |
| 元素記号 | 原子の種類をアルファベットで表す記号(Na, Ca…) |
| イオン | 原子や原子の集まりが電子を失ったり受け取ったりして電気を帯びた粒子(Na⁺, Cl⁻, OH⁻) |
水素と酸素が化合して水ができる反応は $2H_2 + O_2 \rightarrow 2H_2O$。反応の前後で原子の種類と数は変わらない(質量保存の法則)ので、このように係数をそろえます。
係数と右下の数字を区別しよう
右下の数字は一つの分子の組成、前の係数は分子の個数の比を表します。水の式 H₂O を H₂O₂ に変えると別の物質になるため、反応式では前の係数だけを調整します。なお、鉄や塩化ナトリウムなど、独立した分子をつくらない物質もあります。
H₂ + O₂ → H₂O の係数を、最も簡単な整数比にそろえよう。
解答・解説
左の酸素原子が2個なので右を 2H₂O とする。すると右の水素原子は4個になるので左を 2H₂ とする。**2H₂ + O₂ → 2H₂O**。左右とも水素4個、酸素2個で一致する。分子の総数は左3個、右2個で、保存されるとは限らない。
質量保存は出入りした物質も含めて考える
マグネシウムが酸素と結びつくと、固体だけの質量は増えます。増加分は空気から取り込まれた酸素の質量です。逆に気体が外へ出る変化では、容器に残る物質は軽くなることがあります。反応に関係する物質をすべて含めた全体の質量は変わりません。
3H₂O に含まれる水素原子と酸素原子は、それぞれ何個か。
解答・解説
**水素6個、酸素3個**。分子1個中の原子数に、分子数3を掛ける。
Cu + O₂ → CuO の係数を最も簡単な整数比にそろえよ。
解答・解説
**2Cu + O₂ → 2CuO**。左右とも銅2個、酸素2個になる。
マグネシウム 2.4 g がすべて酸素と反応して、酸化マグネシウム 4.0 g になった。結びついた酸素は何 g か。
解答・解説
**1.6 g**。2.4 + 酸素の質量 = 4.0 より、4.0 − 2.4 = 1.6。固体の質量増加は質量保存に反しない。