世界史の扉——ルネサンスと大航海時代
都市の発展、人文主義の芽生え、新航路発見が世界をつなげた。
- ルネサンスがイタリアの都市で起きた理由を説明できる
- 大航海時代がヨーロッパ社会をどう変えたか述べられる
ルネサンス
14〜16 世紀のイタリア(フィレンツェなど)で、商工業で富を得た市民が人間らしさ・個性を尊重する文化を育てました。ギリシャ・ローマの古典を「再生(リナシタ)」しようとした運動です。
| 人物 | 分野 | 代表作 |
|---|---|---|
| ダンテ | 文学 | 神曲 |
| レオナルド・ダ・ヴィンチ | 絵画・科学 | モナ・リザ |
| ミケランジェロ | 彫刻・建築 | ダビデ像 |
| グーテンベルク | 技術 | 活版印刷 |
作品を観察して「再生」の意味を確かめる
なぜルネサンスを「昔に戻るだけ」と説明できないのでしょう。昔の作品から学んでも、自分の目で形や空間を観察すれば、新しい表現が生まれます。たとえば教室の机は、遠くにあるほど小さく見えます。その見え方を平面の絵に組み込む工夫は、古典への関心とともに、この時代の表現を考える手がかりになります。
遠近法は平らな画面に奥行きを感じさせる表現です。一点透視の遠近法では、奥へ向かう平行線が画面上の一つの消失点に集まるように描きます。英国ナショナル・ギャラリーの解説は、この方法が15世紀初めのフィレンツェで使われたと説明しています。ただし、奥行き表現には明暗など別の工夫もあり、一つの方法だけが絵画の価値を決めるわけではありません。
| 作品資料 | 確認できる事実 | 観察の視点 |
|---|---|---|
| マザッチョ『聖母子』 | 1426年制作、ピサの教会の祭壇画の中央部分 | 宗教画であることと、新しい表現は両立する |
| 同作品の明暗 | 明るさを描き分けて身体の立体感を示す | 平面に厚みを感じさせる方法 |
| 同作品の遠近法 | 楽器の角度などに一点透視の工夫がある | 何を手前・奥に見せているか |
『聖母子』が教会のための絵だったことを理由に、「人間に注目するルネサンスとは無関係だ」とする説明を、表の情報で訂正せよ。
解答・解説
宗教的な主題を描きながら、明暗で人物に立体感を与え、遠近法で空間を表現している。主題が宗教かどうかと、人物・空間をどう描くかは別の観点なので、両者は両立する。
教材用の架空の絵について「奥の机が小さく描かれている。だから作者は商人に雇われていた」と説明した。観察に基づく部分と、別の史料が必要な部分を分けよ。
解答・解説
机の大きさの描き分けは絵から観察できる。一方、依頼主が商人だったかは絵の遠近法だけではわからない。契約書・制作記録・所蔵館の調査などの根拠が必要。表現技法から社会関係を即断しない。
遠近法は二次元の画面に何を感じさせる工夫か。
解答・解説
三次元の空間の奥行き。実際の紙や板が深くなるのではなく、見え方を利用した表現である。
「ルネサンスは古代文化への関心の復活」という説明から、作品がすべて古代の複製だったといえるか。
解答・解説
いえない。古代を学ぶことと同じ作品を複製することは別であり、遠近法など新しい表現も発達した。
航海を「発見」と表現するとき、何を補うと一面的な説明を避けられるか。
解答・解説
誰にとって新しく知られたのかという視点を補う。そこに以前から暮らしていた人々にとって、土地が初めて存在したわけではない。
大航海時代
- 香辛料などを求める商業的な動機、王室の支援、航海技術の進歩が新航路の開拓を促した。1453年のコンスタンティノープル陥落だけを原因とすることはできず、従来の東方交易も途絶えたわけではない
- コロンブス(1492 アメリカ到達)、バスコ・ダ・ガマ(1498 インド到達)、マゼラン一行(1522 世界周航)
- アメリカ大陸からヨーロッパへは銀・トウモロコシ、逆方向には馬・小麦が渡った(コロンブス交換)
ルネサンスが商業都市フィレンツェから始まった理由を、経済的な観点から説明せよ。
解答・解説
毛織物業や金融で富を蓄えた**商人・銀行家(メディチ家など)**が芸術家を支援(パトロン)したため。豊かな市民層が新しい文化の受け皿になった。
活版印刷の普及は、どのような社会的変化をもたらしたか。
解答・解説
書物の大量複製が可能になり**知識が一般に広まる**。宗教改革や科学革命を促す土台になった。
問1. ルネサンス期の宗教画について適切なのは?
問2. ルネサンスが始まった地域はどこか。
問3. 1492 年にカリブ海の島々に到達した航海者は?