評論文の要約問題——解法の5ステップ
主張・根拠・条件の関係を保ちながら、指定字数に圧縮する。
この単元の目標
- 段落の役割を整理できる
- 残すべき情報と省ける情報を判断できる
- 本文の論理と字数条件を点検できる
要約は本文の重要な内容を短く再構成する作業です。具体例や数値は省略候補ですが、結論を支える不可欠な数値や、議論の対象そのものなら残します。定義文だけを抜き出すのではなく、主張・根拠・対比・条件の関係を保ちましょう。
- 設問の対象範囲と字数条件を読む。全文要約か特定段落の要約かを区別する。
- 各段落の要点と役割を短くメモする。メモの字数は理解できる範囲で調整する。
- 中心的な主張と、それに必要な理由・対比・条件を選ぶ。接続語は手がかりであり、結論の位置は固定されていない。
- 例の列挙や重複をまとめる。ただし一般化によって対象範囲や事実を変えない。
- 本文と照合し、論理のつながり、必要情報、主述の対応、字数を点検する。
自作例文:条件を落とさず要約する
「電子図書館は、遠くに住む人にも本を届けられる。しかし、通信機器を持たない人は利用できない。したがって、電子化だけを進めるのではなく、紙の本を借りる窓口も残す必要がある。」60字以内で要約せよ。
解答・解説
電子図書館は遠隔地にも本を届けるが、通信機器を持たない人のため、紙の本を借りる窓口も残す必要がある。(50字、句読点を含む)電子化の利点と限界を、結論につなげている。
練習問題
上の例文を「電子図書館は便利なので紙の本は不要になる」と要約したとき、どこが誤りか。
解答・解説
通信機器を持たない人の存在を落とし、紙の本の窓口を残すべきだという結論を逆転させている。
自作例文「調査対象の100人中80人が徒歩を選んだ。この集団では徒歩が多数派である。」で、数値は必ず削るべきか。
解答・解説
必ず削るわけではない。多数派であることだけが必要なら「調査対象では徒歩が多数派だ」と圧縮できる。割合の大きさが問われるなら80%を残す。集団の範囲は勝手に全住民などへ広げない。
理由が二つあるとき、本文で長く説明された方だけを採ればよいか。
解答・解説
よいとは限らない。説明の長さと論理上の重要性は一致しない。二つが結論に不可欠なら両方を圧縮して残し、補足的な理由なら省略を検討する。
「指定字数の9割なら正解」という規則はありません。「以内」「程度」などの指示や授業・試験の条件に従い、必要な要点を過不足なく収めます。本文にない意見は足しません。
確認クイズ
問1. 要約で最優先することはどれか。
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