分散・標準偏差と相関
データのばらつきを数値化し、2つのデータの関係を読む。
- 分散・標準偏差を計算し、ばらつきを比較できる
- 散布図と相関係数から関係の強さを読み取れる
単位を変えたとき、ばらつきはどう変わるか
全員の身長をcmからmに変えても、誰が高いかは変わりません。しかし数値のばらつきは100分の1になります。統計量を比較するときは単位と変換をそろえなければ、数値の大きさだけで結論を誤ります。
y=ax+bと変換すると平均もa倍してbを足した値になります。平均との差はy−平均y=a(x−平均x)なので、分散はa²倍、標準偏差は|a|倍です。加えるbは平均との差から消えるため、ばらつきに影響しません。
相関係数は直線的な関係を測ります。曲線上に規則正しく並んでいても0になることがあります。散布図を先に眺め、外れ値や曲がった形を確認してから係数を読む順番が大切です。以下の数列は教材用の架空データです。
xの平均が4、分散が9のとき、y=−2x+10の平均・分散・標準偏差は。
解答・解説
平均は−2×4+10=2、分散は(−2)²×9=36、標準偏差は√36=6。負の係数でもばらつきは負になりません。
点(−1,1),(0,0),(1,1)の相関係数を求め、関係を説明せよ。
解答・解説
x平均0、y平均2/3。偏差積の和は−1/3+0+1/3=0で、両分散は正なので相関係数0。一方、全点がy=x²を満たします。直線的な相関0は関係なしを意味しません。
データ2,4,6を10倍したときの分散と標準偏差は。
解答・解説
元の分散8/3の100倍で800/3。標準偏差は10√(8/3)。偏差が10倍だから二乗の平均は100倍です。
全データに−7を足すと分散はどうなるか。
解答・解説
変わりません。平均も−7だけ移動し、各値と平均との差が変わらないからです。
データがすべて5のとき、別のデータとの相関係数を0といえるか。
解答・解説
いえません。このデータの標準偏差は0で、相関係数の分母が0となるため未定義です。
ばらつきの指標
- 範囲: 最大値 − 最小値(粗い指標)
- 四分位範囲: 上位25%と下位25%を除いた中央50%の幅(外れ値に強い)
- 分散: 偏差の2乗の平均。標準偏差はその平方根(データと同じ単位になる)
- 分散・標準偏差が小さいほどデータは平均の近くに集まっている
データ 1, 3, 5 の平均と分散を求めよ。
解答・解説
平均 。偏差は なので分散
相関
2 つの量の関係を散布図で見るとき、点が右上がりに並べば正の相関、右下がりなら負の相関。相関係数 ()はその強さを数値化します。
- が 1 に近いほど強い直線的関係
- 相関 ≠ 因果: 第3の変数(交絡因子)が隠れていることがある
- 外れ値が相関係数を大きく動かすことがある(データの吟味が重要)
データ 2, 4, 6, 8 の平均と分散を求めよ。
解答・解説
平均 5。偏差 → 分散 **5**
「アイスの売上と水難事故の件数に正の相関がある」ことの正しい解釈は?
解答・解説
気温という**交絡因子**が両方を増やしている可能性が高い。因果関係とは言えない。
各データに 3 を足すと、平均と標準偏差はどう変わるか。
ヒント
足し算はばらつきを変えない。
解答・解説
平均は **3 増える**が、標準偏差は**不変**(ばらつきは平行移動で変わらない)。
問1. 標準偏差の単位は何か。
問2. 外れ値の影響を受けにくい指標はどれか。