実数・絶対値と式の変形

実数の分類、絶対値を含む式、有理化、二重根号の処理。

この単元の目標
  • 実数の分類(有理数・無理数)を説明できる
  • 絶対値を含む式を場合分けで処理できる
  • 分母の有理化や二重根号を計算できる
📑 目次
  1. 式を変える前に、符号と定義できる範囲を見る
  2. 実数の世界
  3. 絶対値
  4. 根号の処理

式を変える前に、符号と定義できる範囲を見る

根号は「二乗すると元に戻る数のうち、0以上のもの」を選ぶ記号です。だから√(x²)はxそのものではなく|x|。温度が−3でも原点からの距離は3という数直線の感覚が、計算の符号ミスを防ぎます。

絶対値が二つある式は、中身が0になる点をすべて数直線に打ちます。点と点の間では各中身の符号が一定なので、一つの区間ごとに絶対値を外せます。境界でどちらの式からも同じ値になることも確かめます。

有理化では、和と差の積を利用すると根号が消えます。ただし分母が0でないことが先です。等式の両辺を二乗する操作は、逆向きに戻せない場合があるため、得た候補を必ず元の式に代入します。

√(u+v)=√u+√v は一般には成り立ちません。u=v=1なら左辺√2、右辺2です。根号を外す法則には非負などの条件もあります。
例題:二つの距離の和

|x−1|+|x−4|=5を解け。

解答・解説

1≤x≤4では距離の和は3で不適。x<1では5−2x=5よりx=0、x>4では2x−5=5よりx=5。両方を元の式に代入すると和が5になります。

例題:二乗で生じた余分な候補

√(x+2)=xを解け。

解答・解説

左辺は非負なのでx≥0が必要。二乗してx²−x−2=0よりx=2,−1。−1は条件に反し元の式でも1≠−1。解はx=2だけです。

練習:判断の理由も確かめよう
  1. x<3のとき√((x−3)²)を簡単にせよ。

    解答・解説

    |x−3|=3−x。根号の結果は非負なのでx−3にはなりません。

  2. 1/(√3−√2)を有理化せよ。

    解答・解説

    分子分母に√3+√2を掛けると分母は3−2=1。答えは√3+√2。

  3. |x+2|≤3を解け。

    解答・解説

    −3≤x+2≤3より−5≤x≤1。−2から距離3以内の区間です。

実数の世界

分類定義例
有理数整数 a, b を用いた分数 a/b(b≠0)で書ける整数、0.5、1/3、0.333…
無理数分数で書けない実数2\sqrt{2}, π\pi
実数有理数+無理数数直線上のすべての点

絶対値

∣a∣={a(a≥0)−a(a<0)|a| = \begin{cases} a & (a \ge 0) \\ -a & (a < 0) \end{cases}

絶対値は「数直線上での原点からの距離」なので必ず 0 以上。式では中身の符号で場合分けします。∣a−2∣|a - 2| は「a と 2 の距離」とも読めます。

例題

a=−3a = -3 のとき ∣a−1∣|a - 1| を求めよ。

解答・解説

a−1=−4<0a - 1 = -4 < 0 なので ∣a−1∣=−(a−1)=|a-1| = -(a-1) = **4**

根号の処理

  • 有理化: 12=22\dfrac{1}{\sqrt{2}} = \dfrac{\sqrt{2}}{2}(分母の根号を外す)
  • 二重根号: 4+23=(3+1)2=3+1\sqrt{4 + 2\sqrt{3}} = \sqrt{(\sqrt{3}+1)^2} = \sqrt{3}+1(x+yx+y と xyxy を見つける)
  • 同類項の根号はたし算できる: 12−3=23−3=3\sqrt{12} - \sqrt{3} = 2\sqrt{3} - \sqrt{3} = \sqrt{3}
練習問題
  1. 50+8−18\sqrt{50} + \sqrt{8} - \sqrt{18} を簡単にせよ。

    解答・解説

    52+22−32=(5+2−3)2=5\sqrt{2} + 2\sqrt{2} - 3\sqrt{2} = (5+2-3)\sqrt{2} = **424\sqrt{2}**

  2. 35\dfrac{3}{\sqrt{5}} を分母に根号を含まない形にせよ。

    ヒント

    分子分母に 5\sqrt{5} を掛ける。

    解答・解説

    355\dfrac{3\sqrt{5}}{5}

  3. 7−43\sqrt{7 - 4\sqrt{3}} を簡単にせよ。

    ヒント

    7−43=4−43+3=(2−3)27 - 4\sqrt{3} = 4 - 4\sqrt{3} + 3 = (2 - \sqrt{3})^2

    解答・解説

    (2−3)2=\sqrt{(2-\sqrt{3})^2} = **2−32 - \sqrt{3}**(2>32 > \sqrt{3} に注意)

確認クイズ(数と式)

問1. 次のうち無理数はどれか。

問2. ∣x−3∣=2|x - 3| = 2 を解くと?

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