不定積分と定積分

微分の逆演算としての不定積分と、面積を与える定積分を学ぶ。

この単元の目標
  • 多項式の原始関数を求め、微分によって検算できる
  • 定積分の符号つきの値と図形の面積を区別できる
  • 交点や符号が変わる点で区間を分け、面積を計算できる
📑 目次
  1. 不定積分
  2. 定積分と面積
  3. 面積は「上の関数 − 下の関数」を積分する
  4. 練習(定積分ドリル)

不定積分

∫xndx=xn+1n+1+C(n=0,1,2,…)\int x^n dx = \frac{x^{n+1}}{n+1} + C \quad (n=0,1,2,\ldots)

C は積分定数。微分したら元に戻るという条件しかないので、C は任意の定数になります。ここでは数学IIで扱う多項式に範囲を絞ります。不定積分の答えは関数の集まりですが、定積分の答えは数値です。

定積分と面積

∫abf(x) dx=[F(x)]ab=F(b)−F(a)\int_a^b f(x)\,dx = [F(x)]_a^b = F(b) - F(a)

ここで F′(x)=f(x)F'(x)=f(x) となる F を原始関数といいます。まず積分し、それから上端 b と下端 a を代入して引きます。積分定数は (F(b)+C)−(F(a)+C)(F(b)+C)-(F(a)+C) で消えるため、定積分の答えに +C は付けません。

🔍 $\int x^n dx = \frac{x^{n+1}}{n+1}+C$ の導出——微分の逆をたどる

  1. Step 1: 「微分したら xⁿ」になる関数を探す
    ddxxm=mxm−1\frac{d}{dx} x^{m} = m x^{m-1}

    (xm)′=mxm−1(x^m)' = mx^{m-1} の公式を逆向きに使う。

  2. Step 2: 次数の条件を合わせる
    m−1=n  ⇒  m=n+1m - 1 = n \;\Rightarrow\; m = n+1
  3. Step 3: 係数を調整
    ddx[xn+1n+1]=(n+1)xnn+1=xn\frac{d}{dx}\left[ \frac{x^{n+1}}{n+1} \right] = \frac{(n+1)x^n}{n+1} = x^n

    掛けた定数は微分しても残るので、1/(n+1) を掛けておけば打ち消し合う。

  4. Step 4: 積分定数
    ∫xndx=xn+1n+1+C\int x^n dx = \frac{x^{n+1}}{n+1} + C

    定数 C を加えても微分すれば消えるため、原始関数は無数にある。これが「+C」が必要な理由。

x 軸の上側にある部分では面積を、下側では面積にマイナスをつけた値を足し合わせます。次の図のように、細い長方形の面積の和を無限に細かくする(区分求積法)イメージが元になっています。

ab細い長方形の面積を足し合わせる分割を細かくすると ∫ᵃᵇ f(x)dx になる
区分求積法から定積分へ: 分割を細かくすると長方形の和が曲線下面積に一致
例題

放物線 y=x2y = x^2 と直線 y=xy = x で囲まれた図形の面積を求めよ。

解答・解説

交点は (0,0),(1,1)(0,0), (1,1)。面積 =∫01(x−x2) dx=12−13=16= \displaystyle\int_0^1 (x - x^2)\,dx = \frac{1}{2} - \frac{1}{3} = \frac{1}{6}

微分と積分は互いに逆の操作——この事実を微積分学の基本定理といい、ニュートンとライプニッツが独立に発見しました。

面積は「上の関数 − 下の関数」を積分する

a<ba<b とします。定積分では x軸より下の部分が負になるため、そのままでは面積にならないことがあります。面積を求めるには、交点で区間を分け、それぞれで上側の関数から下側の関数を引きます。

S=∫ab∣f(x)−g(x)∣ dxS=\int_a^b |f(x)-g(x)|\,dx

🔍 符号が変わるときの面積——y = x² − 1 と x軸

  1. Step 1: 区切る点を探す
    x2−1=0⟹x=±1x^2-1=0\quad\Longrightarrow\quad x=\pm1

    区間 0≦x≦2 では x=1 だけが区間内にある。0≦x≦1 では曲線がx軸の下、1≦x≦2 では上。

  2. Step 2: 正の高さを足し合わせる
    S=∫01(1−x2) dx+∫12(x2−1) dxS=\int_0^1(1-x^2)\,dx+\int_1^2(x^2-1)\,dx

    下側の部分は 0−(x²−1) として符号を反転する。

  3. Step 3: 原始関数に端点を代入
    S=[x−x33]01+[x33−x]12=23+43=2S=\left[x-\frac{x^3}{3}\right]_0^1+\left[\frac{x^3}{3}-x\right]_1^2=\frac23+\frac43=2

    符号つきの定積分 ∫₀²(x²−1)dx は 2/3。面積2とは異なる。

練習問題(微分で検算・符号で分割)
  1. ∫(3x2−4x+2) dx\int(3x^2-4x+2)\,dx を求め、微分して確かめよ。

    解答・解説

    x3−2x2+2x+Cx^3-2x^2+2x+C。微分すると 3x2−4x+23x^2-4x+2 に戻る。各項を積分し、最後に任意定数 C を1つ付ける。

  2. ∫−12(2x+1) dx\int_{-1}^2(2x+1)\,dx を求めよ。

    解答・解説

    [x2+x]−12=(4+2)−(1−1)=6[x^2+x]_{-1}^2=(4+2)-(1-1)=6。下端が負でも、原始関数の値全体を引く。

  3. 曲線 y=x2−4y=x^2-4 と x軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

    ヒント

    交点を求め、交点の間ではどちらが上かを確かめる。

    解答・解説

    交点の x座標は −2,2-2,2。区間内では x軸が上なので、S=∫−22(4−x2) dx=[4x−x3/3]−22=323S=\int_{-2}^2(4-x^2)\,dx=[4x-x^3/3]_{-2}^2=\frac{32}{3}。

  4. 曲線 y=x3y=x^3 と直線 y=xy=x で囲まれた2つの部分の面積の和を求めよ。

    ヒント

    交点は x=−1,0,1。x=0 で上下が入れ替わる。

    解答・解説

    S=∫−10(x3−x) dx+∫01(x−x3) dx=14+14=12S=\int_{-1}^0(x^3-x)\,dx+\int_0^1(x-x^3)\,dx=\frac14+\frac14=\frac12。区間を分けずに差を積分すると正負が打ち消し合い0になるので注意。

練習(定積分ドリル)

第 1 問
次の定積分を求めよ。 ∫01(6x2−4x−5)dx\int_0^{1} \left( 6x^2 - 4x - 5 \right) dx

紙に解いてから「答えを見る」で採点しよう。問題は無限に生成できます。

無限ドリル: 二次式の定積分がランダムに出題されます。積分してから上端・下端を代入
第 1 問
次の不定積分を求めよ。 ∫(3x−2)3dx\int \left( 3x - 2 \right)^{3} dx

紙に解いてから「答えを見る」で採点しよう。問題は無限に生成できます。

激ムズ無限ドリル(発展): 三次式の不定積分と置換積分。積分定数 C を忘れずに
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