この単元の目標- 三角比の相互関係を理解し利用できる
- 正弦定理・余弦定理を使い分けて三角形の計量ができる
📑 目次
- 単位円による三角比の拡張
- 正弦定理
- 余弦定理
- 発展:2つの定理の使い分けと面積公式
- 練習問題
単位円による三角比の拡張
直角三角形だけでは扱えなかった 90° をこえる角も、単位円上の点の座標として自然に定義できます。単位円上の点 P の x座標が cos θ、y座標が sin θ です。
単位円と三角比(θ = 60° の例)と各象限での符号読み込み中…
プレイグラウンド: θ を動かして sin・cos の符号の変化を確かめよう🔍 なぜ sin²θ + cos²θ = 1 が成り立つのか——単位円からの導出
- Step 1: 単位円上の点
原点 O、点 P、そして x 軸への垂線の足 Q を考える。P が座標軸上にある場合は円の方程式で直接確認できる。
- Step 2: 三平方の定理を適用
OP は半径なので 1。長さは負にならないため、OQ = |cos θ|、PQ = |sin θ|。二乗すれば絶対値は外れる。
- Step 3: 代入
単位円の方程式 x2+y2=1 に座標を代入した等式でもあるため、点が座標軸上にある場合を含めて成立する。
正弦定理
1組の「角とその対辺」がわかっていて、別の角からその対辺を求めるときなどに有効です(R は外接円の半径)。別の辺から角を求める場合は、同じ正弦をもつ鋭角と鈍角の2通りが候補になることにも注意します。
三角形の角と対辺の対応、2つの定理の使い分け余弦定理
🔍 余弦定理の導出——座標平面に置いて三平方を使うだけ
- Step 1: 配置を決める
A を原点に、AB を x 軸に沿って置く。AC = b が角 A の方向に伸びるので C の座標はこう書ける(三角比の定義そのもの)。
- Step 2: BC の距離を二乗差で計算
2点間の距離の公式(実質は三平方の定理)。
- Step 3: 展開と整理
- Step 4: sin²+cos² = 1 でまとめる
A = 90° なら cos A = 0 となり、三平方の定理 a2=b2+c2 に戻る——余弦定理は三平方の「鈍角・鋭角への一般化」です。
2辺とそのはさむ角から第3辺を求めるとき、あるいは3辺から角度を求めるときに有効。A = 90° とすると三平方の定理に一致します。
例題
b = 5, c = 8, A = 60° のとき a を求めよ。
解答・解説
a2=25+64−2⋅5⋅8⋅21=89−40=49。よって a=7
発展:2つの定理の使い分けと面積公式
- わかっている情報が「角 2 個以上」→ 正弦定理(対辺の組をつくれるか確認)
- わかっている情報が「2辺とはさむ角」「3辺」→ 余弦定理
- 面積 S=21bcsinA(はさむ角版の 21×辺×辺×sin)
- 外接円の半径が必要なときは正弦定理の =2R を逆に使う: R=2sinAa
発展例題(面積+余弦定理)
AB = 6, AC = 5, A = 60° の三角形 ABC について、辺 BC の長さと面積を求めよ。
解答・解説
BC2=62+52−2⋅6⋅5cos60°=61−30=31 より BC=31。面積 S=21⋅6⋅5sin60°=2153
三角比を「回転角 θ で定義する関数(三角関数)」に拡張すると数学IIの内容に、さらに弧度法(ラジアン)を導入すると微積分で本領を発揮します。
第 1 問
三角比を求めよ。
tan120∘紙に解いてから「答えを見る」で採点しよう。問題は無限に生成できます。
無限ドリル: 特別な角の三角比が出題されます。単位円を思い出して答えよう練習問題
練習問題
sinθ=53(90°<θ<180°)のとき cosθ, tanθ を求めよ。
ヒント
sin2θ+cos2θ=1。第2象限では cos は負。
解答・解説
cosθ=−54、tanθ=−43
三角形 ABC で A = 30°, B = 105°, b = 6 のとき a を求めよ。(sin105°=46+2 を使ってよい)
ヒント
正弦定理 sinAa=sinBb。角と対辺の対応(A↔a, B↔b)に注意。
解答・解説
a=6⋅(6+2)/41/2=6+212=3(6−2)
3 辺が 4, 5, 6 の三角形の最大の角を C とする。cos C を求めよ。
ヒント
最大の角は最長辺 6 の対角。余弦定理を cos について解く。
解答・解説
cosC=2⋅4⋅542+52−62=405=81
AB = 3, BC = 5, CA = 7 の三角形の面積を求めよ。(発展)
ヒント
まず余弦定理で cos B(辺 AB・BC にはさまれる角)を求める。
解答・解説
cosB=2⋅3⋅532+52−72=−21 より B=120°。S=21⋅AB⋅BCsinB=21⋅3⋅5⋅23=4153