音楽と美術の雑学
絶対音感・ピタゴラスの音階・モネの視覚——音と絵の「へぇ」集。
- 音の高さと振動数(周波数)の関係を説明できる
- 音階の成り立ち(ピタゴラスの発見・ドレミの語源)を語れる
- 有名絵画に隠された歴史的背景を紹介できる
音の正体は空気の振動
音は、空気などの振動が波となって耳に届いたものです。周期的な音では基本周波数が大きいほど高く聞こえ、単位はHz(ヘルツ)を使います。国際標準の基準音はA4(中央のドの上のラ)=440Hzです。ただし、実際の演奏では442Hzなど別の基準を採用する楽団もあり、すべてのラが440Hzという意味でもありません。
絶対音感とは
絶対音感は、音を聞いただけで音名(ドやラなど)を即座に言い当てる能力です。保有者は人口のごく一部とされ、幼少期の音楽教育や育った言語環境と関連があるという研究結果があります。音の間隔を聞き取る相対音感は訓練で伸びやすいのに対し、絶対音感は発達期を過ぎてから身につけるのが難しいとされる点が大きな違いです。
ピタゴラスの音階
ピタゴラス学派は、音程と単純な整数比を結び付けて考えました。ただし、弦の実験をピタゴラス本人が行ったとする逸話の細部は確実ではありません。同じ張力・同じ線密度の理想的な弦では、基本周波数は振動部分の長さに反比例します。長さを半分にすると周波数は2倍で1オクターブ上、3分の2にすると周波数は2分の3倍で完全五度上になります。ここでいう完全五度は周波数比3:2の純正な音程で、現代の十二平均律の五度とはわずかに異なります。
- ドレミの語源: 中世の音楽理論家グイド・ダレッツォが聖歌の各句の頭音節(UT, RE, MI, FA, SOL, LA)を音名に転用したのが始まり
- Ut は Do へ: 歌いにくい Ut は後に Do に改められ、7番目として Si が加わった
- ベートーヴェンと第九: ほぼ聴力を失った状態で完成させ、初演の喝采に気づかなかった逸話が有名
有名絵画に隠された話
| 作品 | 隠された話 | 解説 |
|---|---|---|
| モネ「印象・日の出」 | 「印象派」という名称の由来 | 1874年、批評家が「印象」という題を嘲笑したことが逆に流派の名前として定着した |
| モネの晩年の色 | 白内障が色覚を変えた | 晩年に濃い色調が増し、白内障の手術後は青紫を多用した作風へ変化したとされる |
| フェルメール「真珠の耳飾りの少女」 | 耳飾りに明確な輪郭線がない | 少数の明るい筆致や反射光の表現で丸みと輝きが感じられる。実物の真珠か模造品かにも議論がある |
| レオナルド「モナ・リザ」 | 左右で地平線の高さが違う | 背景の水平線が左右でずれており、理想化や遠近法の実験といった説で議論されている |
| ミロのヴィーナス | 腕は発掘時から欠損 | 1820年の発見時すでに腕はなく、台座の銘文から作者はアレクサンドロスと推定される |
同じ張力・線密度の弦の振動部分を3分の2の長さにすると、周波数は何倍になる? 整数比の音が協和しやすい理由も述べよう。
解答・解説
周波数は弦長に反比例するので、1÷(2/3)=3/2倍です。調和倍音をもつ音では、低い整数比のときに倍音が重なりやすく、近い倍音同士の干渉による粗さを減らせることが、協和の一因になります。ただし、心地よさは音色・音域・文化や経験にも左右され、「整数比なら常に心地よい」とは限りません。
国際標準の基準音 A4(中央のドの上のラ)の周波数は何 Hz?
解答・解説
**440Hz**。1オクターブ上の A はその2倍の 880Hz。
ドレミという音名の由来となったものは?
解答・解説
ラテン語の聖歌の各句の**頭音節**(UT, RE, MI, FA, SOL, LA)。グイド・ダレッツォによる転用。
「印象派」という美術流派の名前の由来となった作品と画家は?
解答・解説
モネの**「印象・日の出」**。題名を嘲笑した批評の言葉が流派名として残った。
問1. 絶対音感について適切な説明は?
問2. 同じ張力・線密度で弦の振動部分を元の3分の2にすると、元の音に対して何の音程になる?
問3. モネの晩年の作風の変化に関係したとされる病気は?