極限と連続性

ε-δ に立入らない実用的な極限計算から、連続性・平均値の定理・ロピタルの定理まで。

この単元の目標
  • 不定形の極限を因式分解・有理化・有名極限で計算できる
  • 連続性の定義と閉区間での連続関数の性質を述べられる
  • ロピタルの定理を正しい条件のもとで使える

極限の計算技術

  • 因式分解・有理化:lim⁡x→01+x−1x=12\lim_{x \to 0} \frac{\sqrt{1+x} - 1}{x} = \frac{1}{2}(分子の有理化)
  • 有名極限:lim⁡x→0sin⁡xx=1\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1、lim⁡x→∞(1+1x)x=e\lim_{x \to \infty} \left( 1 + \frac{1}{x} \right)^x = e
  • はさみうちの原理:挟める値がわかれば極限が決まる(sin⁡x/x→1\sin x / x \to 1 の証明もこれ)
ロピタルの定理には、極限点を除く近傍で分子・分母が微分可能、分母の導関数が非零、導関数の比の極限が存在することなどの条件が必要です。不定形 00\frac{0}{0} や ∞∞\frac{\infty}{\infty} の不定形のときだけ使えます。lim⁡x→∞x+sin⁡xx=1\lim_{x \to \infty} \frac{x + \sin x}{x} = 1 のように、微分した比の極限が存在しなくても元の極限が存在する例もあることに注意。

連続性とその帰結

lim⁡x→af(x)=f(a)⟺f は a で連続\lim_{x \to a} f(x) = f(a) \quad \Longleftrightarrow \quad f \text{ は } a \text{ で連続}

「グラフがペンを離さずに描ける」を厳密にしたもの。連続性だけで強力な定理が従います。

  • 中間値の定理:連続関数が f(a)<c<f(b)f(a) < c < f(b) を満たせば、f(x)=cf(x) = c の解が (a,b)(a, b) 内に存在(方程式の数値解法・二分法の根拠)
  • 最大値最小値の定理:閉区間 [a,b][a, b] 上の連続関数は必ず最大値・最小値をもつ
  • 平均値の定理:[a,b][a,b] で連続、(a,b)(a,b) で微分可能なら、f′(c)=(f(b)−f(a))/(b−a)f^{\prime}(c)=(f(b)-f(a))/(b-a) を満たす c∈(a,b)c\in(a,b) がある——微積分の橋渡し
例題

lim⁡x→0sin⁡3xtan⁡5x\displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{\sin 3x}{\tan 5x} を求めよ。

解答・解説

sin⁡3xtan⁡5x=sin⁡3x3x⋅5xtan⁡5x⋅35\frac{\sin 3x}{\tan 5x} = \frac{\sin 3x}{3x} \cdot \frac{5x}{\tan 5x} \cdot \frac{3}{5}。第 1 因子 → 1、第 2 因子 → 1 なので **3/53/5**

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