確率変数と期待値・分散

確率変数・確率分布を導入し、期待値・分散・共分散をデータ分析の言語として身につける。

この単元の目標
  • 離散・連続確率変数を区別して扱える
  • 期待値の線形性と分散の変換公式を使って計算できる
  • 共分散と相関の意味を説明できる
📑 目次
  1. 確率変数と分布
  2. 期待値・分散
  3. 共分散と相関

確率変数と分布

確率変数は「値が偶然で決まる量」を表す関数です。離散型は確率質量 P(X=xi)P(X = x_i)、連続型は確率密度 f(x)f(x)(非負で、全領域での積分が 1)で分布を指定します。

期待値・分散

E[X]=∑ixiP(X=xi),V[X]=E[(X−E[X])2]=E[X2]−(E[X])2E[X] = \sum_i x_i P(X = x_i), \qquad V[X] = E[(X - E[X])^2] = E[X^2] - (E[X])^2
  • 線形性:E[aX+bY]=aE[X]+bE[Y]E[aX + bY] = aE[X] + bE[Y](独立でなくても成立)
  • 独立なら V[aX+bY]=a2V[X]+b2V[Y]V[aX + bY] = a^2V[X] + b^2V[Y](共分散項が消える)
  • 標準偏差 σ=V[X]\sigma = \sqrt{V[X]}: 平均からのばらつきの尺度
合計 0 回

理論値はどの目も 1/6 ≒ 16.7%。回数を増やすほど理論値に近づく様子が見えます。 これが大数の法則で、「確率」を実験的に定義する根拠になります。

プレイグラウンド: サイコロ投げの試行回数を増やすと、平均値が理論値 $E[X] = 3.5$ に収束していく様子が見られます(大数の法則)

共分散と相関

Cov(X,Y)=E[XY]−E[X]E[Y],ρ=Cov(X,Y)σXσY,−1≤ρ≤1\mathrm{Cov}(X, Y) = E[XY] - E[X]E[Y], \qquad \rho = \frac{\mathrm{Cov}(X, Y)}{\sigma_X \sigma_Y}, \quad -1 \le \rho \le 1
相関係数には両変数の分散が有限かつ正であることが必要です。相関は「直線的な関係の強さ」であり因果関係を保証しません。また ρ=0\rho = 0 でも非線形な関係(Y=X2Y = X^2 など)はあり得ます。
例題

XX, YY を独立で E[X]=1E[X] = 1, V[X]=4V[X] = 4, E[Y]=−2E[Y] = -2, V[Y]=9V[Y] = 9 とする。Z=2X+YZ = 2X + Y の期待値と分散を求めよ。

解答・解説

E[Z]=2(1)+(−2)=E[Z] = 2(1) + (-2) = **0**。独立性より V[Z]=22⋅4+12⋅9=V[Z] = 2^2 \cdot 4 + 1^2 \cdot 9 = **25**

練習問題
  1. 公平なサイコロ 1 個の出目を XX とする。E[X]E[X] と V[X]V[X] を求めよ。

    ヒント

    E[X]=16(1+2+⋯+6)E[X] = \frac{1}{6}(1 + 2 + \cdots + 6)、E[X2]=16(12+⋯+62)E[X^2] = \frac{1}{6}(1^2 + \cdots + 6^2)。

    解答・解説

    E[X]=3.5E[X] = 3.5。E[X2]=916E[X^2] = \frac{91}{6} より V[X]=916−(72)2=V[X] = \frac{91}{6} - \left(\frac{7}{2}\right)^2 = **3512\frac{35}{12}**

  2. 公平なコインを独立に 5 回投げるとき、表が出た回数 XX の期待値と分散を求めよ。(二項分布 B(n,p)B(n, p) の結果を使ってよい)

    解答・解説

    E[X]=np=2.5E[X] = np = 2.5、V[X]=np(1−p)=V[X] = np(1-p) = **1.25**

  3. XX, YY が独立で平均 0、分散 1 に従うとき、W=X−YW = X - Y の期待値・分散を求めよ。

    ヒント

    共分散項は独立なら消える。符号に注意((−Y)2=Y2(-Y)^2 = Y^2)。

    解答・解説

    E[W]=0E[W] = 0、V[W]=V[X]+V[Y]=V[W] = V[X] + V[Y] = **2**(引き算でも分散は足し合わさる)

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